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ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ズート・シムズ・カルテッツ

2013-01-25 23:32:18 | ジャズ(クールジャズ)
プレスティッジと言えば黒人ハードバップの専門レーベルという印象が強いですが、初期は白人ジャズマンの作品も結構あるんですね。本日ご紹介するズート・シムズもその1枚です。もともとズートは白人でありながら同時代のウェストコーストジャズとは毛色が異なり、アーシーでコクのあるテナーが売りなので、同レーベルのラインナップの中でも違和感はありませんが。録音は2つに分かれていて1950年9月のセッションではジョン・ルイス(ピアノ)、カーリー・ラッセル(ベース)、ドン・ラモンド(ドラム)、1951年8月のセッションではハリー・ビス(ピアノ)、クライド・ロンバルディ(ベース)、アート・ブレイキー(ドラム)がそれぞれリズムセクションを務めています。



全9曲。うちズートのオリジナル曲である“Zoot Swings The Blues”が2テイクあり、特にテイク1は8分を超える長尺の演奏。この時代のビバップは2~3分の短い曲が主流なだけに異例の長さと言えるでしょう。とめどなく歌心あふれるフレーズを繰り出すズートのプレイが圧巻ですが、後半のアート・ブレイキーのパワフルなドラミングも注目です。ただ、11分に及ぶ“East Of The Sun”は無理矢理時間を引き延ばした感が否めません。5分前後に一旦演奏が終了しかけたと思ったら、またズートのソロが始まってあれ?という感じです。それ以外は全て2~3分程度の短い演奏ですが、ズートのオリジナル“Trotting”、スタンダードの“It Had To Be You”“Dancing In The Dark”あたりがお薦めです。ズートは当時まだ20代半ばですが、玄人好みのプレイスタイルは既に完成されています。滑らかなアドリブと温かみのあるトーンはジャズテナーの手本と言っても過言ではないでしょう。
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スタン・ゲッツ・カルテッツ

2012-12-08 22:34:17 | ジャズ(クールジャズ)
本日はスタン・ゲッツがキャリアの初期にプレスティッジに残した作品集を取り上げます。録音は3つに分かれていますが、どれも相当古く、1949年6月から1950年4月にかけて収録されたものです。メンバーは1949年のセッションがアル・ヘイグ(ピアノ)、ジーン・ラミー(ベース)、スタン・リーヴィ(ドラム)。1950年1月がピアノが同じくヘイグ、他はトミー・ポッター(ベース)、ロイ・ヘインズ(ドラム)。1950年4月がトニー・アレス(ピアノ)、パーシー・ヒース(ベース)、ドン・ラモンド(ドラム)となっています。正直ゲッツのテナーを聴くためのアルバムで、他の楽器は目立たないんですが敢て言うならアル・ヘイグの短いながらもキラリと光るピアノソロが注目に値します。



個人的にはハードバップ以前のジャズは録音状態もあまり良くないし、演奏時間も短いのであまり好んでは聴きません。本作も残念ながらその欠点をクリアしてるとは言い難いですが、それでも若きゲッツの溌剌としたテナーが全編に渡って聴けるとあっては、ジャズファンならスルーするわけにはいかないでしょう。曲は全12曲。うち歌モノスタンダードが9曲、ゲッツのオリジナルが3曲という構成です。メロディアスに歌い上げるアドリブはこの頃から確立されており、まるで譜面通りに吹いているかのように滑らかで美しいソロを繰り出して行きます。いわゆるハズレは一つもなく、どの曲も平均的にいいですが、個人的には冒頭スインギーな“There's A Small Hotel”、ラテン調の“The Lady In Red”、オリジナル曲の“Long Island Sound”“Mar-cia”が特にお薦めです。さっきも言ったようにどれも2分半~3分前後の演奏でボリューム的に物足りないのが玉にキズですが・・・とは言え、まだ20代前半だったゲッツの演奏を捉えた貴重な記録であることは間違いありません。
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エディ・コスタ/ガイス・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス

2012-07-08 18:27:29 | ジャズ(クールジャズ)

本日は白人ジャズマン、エディ・コスタが1958年に録音した「ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス」を取り上げたいと思います。ジャズファンの間では昔から隠れ名盤として知られていますが、コーラルというマイナー・レーベルの作品だけあってなかなかゲットできませんでした。今回のJAZZ THE BESTお宝コレクションでめでたく再発売となり、喜び勇んで購入した次第です。



コスタは代表作「ハウス・オヴ・ブルー・ライツ」で知られるようにむしろピアニストとして有名ですが、本作ではもう一つの得意楽器であるヴァイブの演奏に専念しています。代わりにピアノを弾くのが当時まだ新進気鋭の若手に過ぎなかったビル・エヴァンス。この起用が結果的に大正解で、若きエヴァンスのフレッシュなプレイが作品のレベルを数段高めています。他のメンバーはベースがエリントン楽団でも活躍した名手ウェンデル・マーシャル、ドラムが後にエヴァンスと伝説のトリオを結成するポール・モティアンとなっています。

収録曲は全てフランク・レッサーが作曲を手掛けたミュージカル「ガイズ・アンド・ドールズ」からのナンバー。ミュージカル自体は今では全く無名ですが、収録曲の“If I Were A Bell”(マイルス・デイヴィスの演奏が特に有名)や“I've Never Been In Love Before”はスタンダード曲としてすっかり定着していますね。もちろん本盤でも両曲は演奏されており、特に後者のバラードとアップテンポを織り交ぜた演奏は秀逸です。ただ、私のベストトラックはオープニングの“Guys And Dolls”。エヴァンスのドライビング感抜群のソロに引っ張られるようにコスタも軽快なマレット捌きを披露する幸福感に満ちた名演です。ラストを締めくくる“I'll Know”の美しいバラード演奏も素晴らしい。エヴァンス特有のリリカルなスタイルはこの時点で既にできあがっています。たとえエディ・コスタのことはあまり知らなくても、エヴァンスが好きな人なら必聴の名盤と言えるのではないでしょうか?

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アル・コーン&ズート・シムズ/アル・アンド・ズート

2012-07-01 11:24:28 | ジャズ(クールジャズ)

本日取り上げるのは名テナー奏者アル・コーンとズート・シムズが1957年にコーラル・レーベルに残したその名もずばり「アル・アンド・ズート」です。この2人はジャズ史に残る名コンビとして有名で、他にもUA盤「ハーフノートの夜」、マーキュリー盤「ユー&ミー」等をリーダー作品として残しています。ハンク・モブレー、ジョン・コルトレーンも加えた4テナーによる「テナー・コンクレイブ」なんてのもありましたね。



2人とも白人ですが、同時期に流行したウェストコースト・ジャズのような洗練されたイメージはなく、よりアーシーなスタイルが特徴的です。特にレスター・ヤングの強い影響を受けたズートのコクのあるテナーは絶品ですね。共演のモーズ・アリソン(ピアノ)、テディ・コティック(ベース)、ニック・スタビュラス(ドラム)も全て白人ですが、南部出身のモーズの朴訥としたピアノ、ジョージ・ウォーリントンのバンドでハードバップにどっぷりつかったコティック&スタビュラスのプレイも2人をうまくサポートしています。

曲はスタンダードが3曲、残りは編曲者としても有名なアルが書き下ろしています。特にほのぼのしたスタンダード“It's A Wonderful World”、スインギーな“Brandy And Beer”、両者ともクラリネットを奏でるオールドファッションな“Two Funky People”と続く前半の3曲がお薦めです。途中やや中だるみする感は否めませんが、スタビュラスのドラムが大活躍する“The Wailing Boat”、軽快なスタンダード“Just You, Just Me”とアップテンポな2曲で締めくくられます。2テナーと言ってもいわゆるテナーバトルもののような緊張感はなく、全編リラックスして楽しめるアルバムではないでしょうか?

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