昨日は、自転車で大井町や品川界隈を散策する。宿場町の面影を僅かに残す街並みは、何度見ても飽きないものだ。
途中の公園でベンチがあったので休憩しようとすると【むかしボックス】なる木製の箱が設置してある。
なんだろうと思い近づいてみると前面に5つのボタンがある。 とりあえず押してみなきゃ始まらない。 ボタンを押すと小さな音で祭囃子がスピーカーから聴こえてきてその後におじいさんが「昔の北品川とは・・」などと話し始めた。
どうやら町の歴史に詳しい地元の人が昔の風習や歴史などを説明する音声システムのようだ。
「これは面白い!」
ボタンを押してスピーカーに耳を近づけて品川の歴史に耳を傾ける。
そこから更に足を延ばし品川の港南口まで行く。
昔、バイトをしていた時に良く利用していた都営住宅の下にある弁当屋や雑貨屋などの前を通ると「○月○日をもって閉店しました」という内容の紙が貼ってあり殆どの店舗が閉まっていた。
まだ営業している店があったのでコーヒーでも買おうと中に入る。 ここも良く利用していた店でいつもレジには明るく接客する可愛い女の子がいて買い物をするアルバイター達の間でとても人気があったものだ
「今は、どうしているだろう?」と店の中を見ると驚いた事にその女の子がいて、お客のおばあさんと談笑していた。
コーヒーを持ってレジに行くと女の子が来たのでお金を払い「色んな店が閉まっているけどどうしたのですか?」と聞くと「ここは都内で一番古い都営住宅だから取り壊される事になったんです。うちも明日から仮店舗で営業するんですよ」と教えてくれる。
「僕は、昔良くここで買い物してたんです」と言うと女の子がニコリと笑い「ですよね?覚えてますよ」と言ったので驚いた。
いつも昼間、沢山のアルバイトでごった返していたしあまり言葉も交わした事が無いのに僕を覚えてくれていたのだ。
女の子は、近くにいたお母さんを呼び「お母さ~ん、この方覚えてる?」と声をかけた。 流石にお母さんは、僕の事は覚えていなかった。
「私の事は、覚えてます?」と言うので「も、もちろん!」と慌てながら答える。
引っ込み思案な僕は、いつも他の仲間が女の子に冗談を言う時、後ろの方で「俺も何か気の効いた冗談が言えないもんかなぁ」と悩んでいたものだ。
女の子に「変わっていないですね」言うと女の子は、「も~何言ってるんですか!」と照れている。
デジカメを取り出して記念に女の子と店内を撮らせてもらうと「私も撮ってあげますよ」と言うので「じゃあレジの中に入っていいですか?」と言い僕は、レジの中に入り写真を撮ってもらった。
お店の前で写真を撮り女の子と話していると今ある都営住宅を取り壊して3年後にまた新しい建物に新しい店舗で商売を再開すると教えてくれた。それまでは仮店舗で頑張るようだ。
思い出のある風景が無くなってしまうのは寂しいがそんな個人的なノスタルジーなんて無責任なもの。
未来を見つめる女の子の目は、希望にあふれていた。
「また来ます」と言ってお店を後にする。
激変していく品川駅の周りを自転車で走ると巨大なビル群に囲まれて未来の街に迷い込んでしまったような錯覚を覚える。
「街の姿は、変わっても人の心は、変わらないのだ」と僕は、頭の中で独り言を呟きながら帰路についた。
泣けてきた~
「変わってないですね」という言葉に照れる女の子が可愛いですね~わらわだったら「そうでしょ」って答えちゃいますから…
また再会できるといいですよね。
恋の始まりかも~♪くー、憎たらし~
ちょっといい話でしょ?
覚えてくれてて嬉しかったなぁ!
でも昔良く買っていたコロッケを食べたかったのだけれど店じまいしていたのは寂しかったのだ!
照れるのも良し「そうでしょ」とお茶目に返すのも良し人それぞれに得意の必殺技で勝負すれば女の子は、みんな可愛いのだぁ
一番良くないのは深読みし過ぎる人・・
あれはなかなか厄介なのだ