「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第二章を川崎チネチッタにて観て来ました
第一章の公開時には ”(続きは)四ヶ月も先かよ!” と半ば憤りに近い感覚でしたが、いざ経過してみたらあっという間でした
…今年も早、半分が経過しようとしている事実( ̄ロ ̄lll)
今回の第二章から新たに公開劇場に加わった川崎チネチッタで見ることが出来ましたが、かなり大きめのスクリーンで大半の座席が埋まった状態だったのに軽く驚き……しかも(2199から通して)横浜でも新宿でも初日はオレを含めて30~50代のおっさんばかりだった印象でしたが、若い世代やカップルさんも結構見受けられて実に新鮮なカンジでした
公開期間がなにげに二週間から三週間に増えてたり(全ての劇場では無いみたいですが)、これは客層が着実に増加していってるって事なんですかね……だとすると素晴らしい話なんですがヽ(゚∀゚)ノ
以下ネタバレ感想:
■第03話……2199からざっと物語を振り返り、イスカンダルからコスモリバースを受領してあの赤茶けた地球が見事に ”復興” したという事実を改めて強調した上で、古代がガミラス大使からそこに隠された真実を伝えられる~といった展開でしたが…
いやー、予告編の段階で ”反重力特異点” やら ”時間断層” やらの謎ワードが非常に気になってはいたんですが、まさか地球がこんなに禍々しい事態になってるとは(゚д゚;)
たった3年でアンドロメダ級5隻を筆頭に、地球防衛軍の大艦隊が編成されてる事実の裏では、実は重力が偏重している空間が地球内部?にはあって、そこでは外界の10倍の30年もの期間がすでに経過していて、ガミラス軍も対象にした巨大な軍需工場が稼働しているのだと…
キーマンのセリフでチラッと、ガミラスの植民星からの労働力も投入されてる~とか言っていた気がしますが、まさか異星人に奴隷労働でもさせてるんですかね…?
10倍の速さで時間が経過するといっても、重力偏重そのものは広大な宇宙では当たり前の様に発生してそうな ”自然現象” でもあるでしょうし、そういった星系や宙域で元々暮らしている異星人にとっては(例え時間断層で働かされたとしても)別に大した問題ではないのかもしれませんが……人類が1時間以上は耐えられないと言っていた仕組みがイマイチよくわからないのでまだ何とも言えませんが、とにかくどこまで闇が深いんだ地球(ノ_-;)
一応、時間断層が発生している現象はコスモリバースというシステムの副産物という設定の様ですが、2199にてイスカンダルから供与された波動エネルギーをあっさり兵器転用してしまった人類ならではの発想で、結局、波動砲の封印も解いてしまったヤマトの面々もこれじゃ益々スターシャに合わせる顔が無いですな…
■第04話……女神テレサからのコスモウェーブに衝き動かされるヤマト乗組員達は、反乱の汚名を着せられてもヤマトでテレザートを目指そうとする、いよいよ「発進篇」の本番です!
「さらば」における海中からのヤマトの発進シーンはもはや伝説的とも言える描写で、初代における、大地に半ば埋もれた状態から戦艦大和の外装やら土くれやらを突き崩しながらの、ある種幻想的とも言える発進シーンを超えようとスタッフが死力を尽くしたんでしょうな……大量の土くれが大量の海水となり、美しく復活した青い地球から飛び立つヤマトの重量感溢れる壮麗なイメージは間違いなくアニメ史、映画史に残る名シーンだったと思います
ぶっちゃけ、この40年も前に制作された発進シーンのクオリティを2202が超える事は期待してなくて(40年分の思い出補正には誰も勝てませんし(^o^;))、それにハリウッドの某超大作SF映画で海中から宇宙戦艦が発進するシーンを実写さながらに見せつけられちゃってますからねえ…
ほぼ同じ動き、同じアングルの演出を踏襲してくれただけで十分満足です(沈んでる地下都市群のビジュアルも美しい)
むしろ気になったのは、発進に至る過程での演出がかなり雑に感じられちゃったのが残念でした……ヤマトの反乱を阻止しようと特殊部隊みたいなのが出てきたのは福井晴敏っぽくて実にイイねと興奮したんですが、わかりやすく失敗を前提にした(戦艦を制圧しに来たとはとても見えない)部隊行動にしか見えなかったのは勿体なかったなあ(長官はともかく、芹沢としては本気でヤマトを制圧しようとしてたハズですし)
山崎、星名、岬、桐生がリストラされてしまったのもショックでしたが(ていうか新見さん病院にあのまま放置?)、島がどうして遅れて合流したかの描写を旧作から補完してるようで、むしろ不自然さを際立ててしまったカンジじゃなかったですかね(^_^;)
でも、”上出来だよ” のシーンが漢の名シーンである事には変わりなし!
■第05話……地球の衛星防衛ラインを突破したヤマトに対して、アンドロメダが迫る
予告編でも最大の見所っぽかった、”波動防壁艦同士” の激突シーンですが、おそらくこのヤマト世界でも史上初の異常事態だと思うんですが、意外とあっさりしてたというカンジかな(沖田vsドメルとの対比にしても)……互いの波動コイルが全て一瞬で焼き切れるくらいの描写が欲しかった所ですが、今の段階ではアンドロメダの ”無敵感” みたいな要素を損なう演出は難しかったのかもしれませんな
2199では完全にカットされた ”アステロイド防御戦” を、あのトンデモ感までもそのまま引き継いで再現してくるとは思ってませんでしたw
ガレー船みたいになってるアステロイドシップの外観にはビックリしましたが、あの一瞬のためだけに3Dモデルを用意したとも考えにくいので、手描きの作画だったんでしょうか……短いシーンながら、ヤマトシリーズ全体を見渡してみても突出した迫力があったと思います!( ゚∀゚)o彡゚
無茶な速度wでヤマトの周囲をぐるぐる回転して攻撃を防ぐアステロイドリングの動きもちゃんと再現されてて、あそこはちゃんと見返したいなあw
成り行きだよと言いつつ、単艦で追撃したり航空隊を収容してたり最初から長官と似たような心づもりだったっぽい山南艦長にシビれまくりですが、更迭されてしまった土方総司令ともイロイロあったんだろうなと想像が捗りますw
■第06話……ガトランティスに急襲されていた第十一番惑星からの救いを求める声がヤマトに届く
個人的な感想ですが、めでたくヤマトの反乱の嫌疑も晴れて、ふう、今回はここで終わりかとオレの中で第二章が完結してしまって、あれ?もう一話あるのか?と心底驚きながら第6話を見ましたw
冒頭のあらすじも含めれば90分くらいが経過してたと思うので、一本の映画を見てる感覚としては正しかったと思うんですが、なんだかおまけで一話余分に見られた気がして、ホントにラッキー!とか感じてましたw……おそらく毎話、大量の情報量が詰め込まれてるからこその充実感と、うれしい誤算?だったんだと思いますヽ( ̄▽ ̄)ノ
土方総司令や空間騎兵隊の斉藤らがいる第十一番惑星に救援に向かうヤマトですが、これ折角反乱の嫌疑が晴れたのにあっさり命令無視しちゃって更なる大問題になっちゃいそうなσ(^_^;)
それと惑星表面付近へのワープという禁断のワザをやってしまいましたが、ああいうケレン味あふれる展開は是非とも樋口真嗣の絵コンテで見てみたかったと思ったのはオレだけではないでしょうw……波動エンジンが動かなくなるというリスクを伴うとは言っても、かつて旧シリーズに存在した ”小ワープ” という便利すぎる機能と同様に今後は二度と登場することは無さそうですな
”ヤマトは?” と訊く少女が「さらば」の終盤でヤマトを求める第一声を上げた少年とカブりましたが、ガミラス人たちにとってもヤマトが英雄視されてるっぽい要素をもうちょっと事前にアピールしておいてくれたら、もっと感動しただろうなあ(今の状態でも完全に涙ぐみましたがw)
そして避難民という ”お荷物” を抱える展開が今後どうなるのか(ガトランティスのスパイっぽいのもいますし)、これは今後ホワイトベース的な展開がヤマト艦内で繰り広げられる伏線だったりするんでしょうか
単縦陣からのガトランティス流の波動砲みたいな攻撃に巻き込まれたヤマト!…というとんでもない終わり方をしましたが(これでここからまた四ヶ月!)、第一章から引き続き大戦艦の扱われ方がホント印象的ですな
更に第三章の予告では ”純愛篇” を謳いつつ、とんでもない数の大戦艦が魚群のごとくうじゃうじゃといましたし、これはもうヤマトが波動砲を使うか使わないかとかではどうにもならない次元なのでは(゚д゚;)
第3話にしてもうフェードアウトしてしまった雪ですが、旧作に倣うなら看護師として(真琴の後釜として)再登場するんでしょうけど、ひょっとしたら「永遠に」ルートで完全にヤマトとは別行動の可能性もアリですかね……なにせ ”キーマン” はアルフォン少尉(「永遠に」にて雪を愛する事になる異星人)の初期設定の名称だったらしいですし
そういえば時間断層の巨大な軍需工場を見てふと思ったんですが、ガミラス側にも ”波動砲艦隊構想” みたいなのが存在して然るべきですよね?
地球防衛軍には5隻のアンドロメダを筆頭に(しかもまだまだ同タイプ建造中)主力戦艦の大艦隊がすでに存在しているワケですから、ガミラス側だって相応に増強されてないとパワーバランス的におかしくなってしまいますし(何せガミラスの主力艦隊の大半を他ならぬヤマトが壊滅させたワケでw)
冷静になって考えてみると、予告の大戦艦の大艦隊は拡散波動砲の餌食になる為のエサに段々思えてきてw、これはガトランティス側も相当にパワーアップされるフラグ…?
母星の存在をガミラスですら確認出来ていないという気になるセリフもありましたが、ひょっとしてあの ”彗星” が一つとは限らなかったり…?
追記:
3mアンドロメダが展示中の横浜ブルク13にて二回目を観賞してきました
正直、初見の際は藤堂長官や山南司令の ”制止” する側の理屈の方に首肯しがちでした……古代たちの ”性急さ” みたいなのが気になってしまって、まあストーリーの都合で仕方ないかという風に受け取っていたんですが(…だからこそ、第十一番惑星をスルーしろって言う司令本部の命令を無視したのがどうしても気になって)
2199で、40年も昔の旧「宇宙戦艦ヤマト」における様々な矛盾する設定や無茶な展開を ”クール” に現代風に翻訳しなおしていた制作姿勢をオレも大歓迎していたワケですが(古代が旧作のように感情を激するような素振りを見せたのは物語も終盤に差し掛かった頃でした)、どうやら2202版は最初から ”情感” により訴える作劇手法を目指してる様です
二回目の観賞で終盤(第6話)の空間騎兵隊のド根性路線に合わせる形でここに至る展開の ”熱血” レベルが調整されていたのかなと思い直したんですが……理解ある ”大人な対応” なんて糞食らえ、地球が抱えた ”闇” にだって全力で憤る、死ぬまで戦う覚悟は出来てるけど民間人は巻き込みたくない、等々の ”アツい正論” を臆せず全面に出すことが2202の基本テーマになるっぽいですな
そう思い至ったおかげでオレの脳内のスイッチが切り替わったのか、古代たちの行動がより自然に感じられた気がして、少女の願いを受けた斉藤のセリフなんかにもボロ泣きです(ノД`)
古代が雪を地球に残そうとしたのも、2199までの古代なら ”仲間” として一緒に戦おうと普通に判断しそうなカンジでしたが、加藤と真琴の関係性との対比がわかりやすくて、例えば古代と雪の間にも子供が出来ていたら観客にとっても躊躇なく雪(と子供)は ”守るべき家族” という対象になってたと思うんですよ……情感表現が強くなったことで、キャラの ”思い入れの強さ” も必然的に強くなってるってことですね
…まあでもこの方向性が示唆していることは、2202の今後の展開が相当に ”劇的” なモノになるという事でして、「さらば」と同様の ”特攻要素” は第一章で明確に否定されているものの、福井晴敏はありとあらゆる ”泣けるシチュエーション” の名手でもあると個人的には確信しているので、いやー、これはどんだけ壮絶な展開が待ち受けてるんだ…(゚д゚;)
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