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[映画] 東京無国籍少女

2015-07-25 | 映画
「東京無国籍少女」を横浜ブルク13にて観て来ました

おお?押井守監督による実写映画なのに(「TNGパトレイバー」に続いて)普通にエンタメしてて面白かったぞ!どうしちゃったんだ!?
…というのが見終わった時の最初の感想でした、すみません(^_^;)

かつて「スカイクロラ」という作品にて、現代に生きる若者の ”気分” を表現していた押井監督ですが、今作ではもっとド直球にわかりやすく、女子校(らしき舞台)で女子高生の主人公が悩み苦しみながら生きる様を描写しています

基本設定としては(何らかの)天才的な才能を誇る主人公が、(何らかの)PTSDが原因で精神に失調を来していて、まともな高校生活を送る事すら困難な状況から這い上がろうとあがき続ける~といった展開なんですが、いやー、何の予備知識も無い状態で見たので終盤の怒涛の展開には唖然としてしまいました

ラストに待ち受けるカタルシスは相当なモノだという事だけ書かせてもらって、バレ無しの感想とさせて頂きます



以下ネタバレ感想:
同級生が気に食わない、センセイが気に食わない、学校の課題が気に食わない、自分の居場所がここじゃない気がして気に食わない、ままならない体調が気に食わない、女を犯すことしか考えてない男が気に食わない、そんな自分の女の体が気に食わない、○○人が気に食わない、ぶっちゃけ何をしていても気に食わない、若いエネルギーの発散させ方が解らない、他人には無いスキルを持つ自分は特別、周りはバカばかり、こんな世界は壊れてしまえ、左手の封印が!(笑)……等々、まさに中二病的な要素のてんこ盛りで、序盤から終盤に差し掛かるまで絶えず緊張感と不穏な空気が(静かなピアノの旋律と共に)流れ続けるも、物凄く ”イタタ…” な主人公の行動の数々がひたすら描写されるのには正直、辟易してしまいました(^0^;)

それがラストで唐突に凄まじいバイオレンスの嵐が吹き荒れたかと思うと、”世界の真実” が明かされ、上記の様々な要素の意味がひっくり返るカタルシスが一挙に観客にもたらされるワケですが、いやー、1時間余りに渡る ”タメ” の反動は凄まじかったですなヽ( ̄▽ ̄)ノ

単なる ”妄想少女” でしかないっていうのを散々描写し、ラストの惨劇の裏というか、”現実” の方では果たしてどんな事態になってるんだ?と観客をハラハラさせておいて、実は ”強大な戦闘力を誇る天才兵士” という姿こそが真実だったっていうどんでん返しには興奮させられましたねえ(←それこそ中二病的な妄想の極致みたいな設定でもありますw)

途中で、軍用レーションと思われる食料を食べる時だけ、表情が豊かになる主人公でしたが、あれは自分の本来の場所の食べ物だからこそ~って事だったんですかね

現代日本が置かれている ”今、そこにある危機” の対象としては、某中国も某半島国家もいざ日本と戦争をする段となると勝手に自滅するようなイメージしかありませんが、日本人にとって某ロシアはやはりソ連軍時代の悪逆非道っぷりのイメージも強いので、実に効果的だったと思います(^_^;)

某ロシア軍人との校舎内での戦いはかつての「ケルベロス」における白塗りマスク部隊との決戦を彷彿とさせましたが、カメラの演出もアクションのクオリティも桁違いに凄かったです……「TNGパトレイバー」での銃剣術を更に発展させ、制服のスカートを翻す等のまさに実写でしか表現出来ない美しささえ感じるアクションにとにかくシビれまくりでした!!( ゜∀゜)o彡゜

主人公の清野菜名ってコが何となく女優の吉瀬美智子に似てて、何だか見てる間はそればかり気になってたんですがw、いざアクションとなった時の表情とかはホントに素晴らしかったと思います(押井監督によれば、”人を殺してそうな目をしてる~” から抜擢したのだとかw)

戦いの中で生きる主人公が見た平和な世界の夢……あちこちがちぐはぐな表現だらけだったのは、おそらく普通の学校生活なんてモノを知らないから、とか考えると切ないですな(ノД`)

最後に見せた笑顔をどう解釈するか

何だかんだで本来の自分の世界に帰ってきた事への安堵の笑顔だったのか、あんな不条理な夢の世界でも ”平和” な世界が楽しかったとでも思った笑顔だったのか…

どっちみち、哀しいオチだったのかな(-_-;)

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