でもここ最近、麺類を食べたいという気持ちになれない。軽く食べられるというイメージを持っていた麺類が、「なんか重いなぁ」と感じてしまうのだ。もう終わってしまったが、早見あかりが主演していたドラマで実際に存在するラーメン屋さんが出てくるのがあった。それを観るとラーメンを食べたいなと思い、「よし、明日はラーメンを食べに行こう」なんて思うのだけれど、翌日になるとやっぱり「なんか重いよなぁ」と思ってしまっていた。
東京に来ている今、ドラマで紹介されたお店にすぐにでも行けるのだけれど、どうも行く気になれない。別に食べられないわけじゃない。食べたあとが《なんか重い》のだ。じゃあ、うどんとかパスタとか素麺とか……とも思うのだけれど、それもちょっとと感じてしまう。沖縄そばなんてもってのほか。
ふと、気付いたら、そういえばパンもめったに食べなくなっていた。
「もしやオレ、自然にグルテンフリーになってしまったのか?」と思ったけれど、別に小麦が入っている食品は普通に口にしている。
でも、お腹が空くと麺類やパンではなくて、米を食べたいと思うのだ。それはこれまでにはなかったこと。それこそ米だけでもいいやと思ってしまう。
そんな僕だけれど、唯一常に食べたいと思う麺類がある。
日本蕎麦だ。特に今、東京にいるので外でお腹が空くと、「どっかに蕎麦屋ないかな」と探す。
別に十割蕎麦にこだわっていない。(だからグルテンフリーではない)
昔、東京に住んでいた頃は、さすがに飛行機に乗ってということはなかったが、美味しいと言われる蕎麦屋さんを巡ったものだ。蕎麦を食べるために高速に乗って信州に行くとか。もちろん、都内の有名な蕎麦屋さんも回ったりした。さすがに評判のいい蕎麦屋さんは美味しいし、それなりに満足出来る。そうまでして行く価値のある蕎麦屋さんも確かにある。
でも、いつでも手軽に蕎麦を食べたい僕は、よく立ち食い蕎麦屋さんに行ったものだ。誰もが知っている有名立ち食いそば屋さんではなく、お気に入りの立ち食いそば屋さんがあった。そこは毎日食べても飽きない蕎麦だった。立ち食いそばとしてはちょっとお高めだけれど、とはいえ有名な蕎麦屋さんと比べたらかなり安い。量的にも満足出来るようところ。会社員だった頃はよく食べて帰ったものだった。
沖縄に住む今、東京に来ると必ずその立ち食いそば屋さんに行く。神田藪そばでもなく、まつやでもなく。今回もその立ち食いそば屋さんに寄ってきた。夏に東京に帰ったきたのは初めてだったので、昔好きだった新しょうがのかき揚げを食べたいと思っていた。それが僕の夏の定番だった。もちろん、昔の話なので今もそのメニューがあるかどうか心配だったが、人気商品だったのだろう。ちょっとだけ高くなっていたけれど、あった。久しぶりに食べた新しょうがのかき揚げが乗った冷やしそばは実に美味しかった。沖縄ではなかなか美味しい蕎麦を食べることができない。というより、家から徒歩で行ける範囲にお店がない。自分で茹でるか、コンビニで買ってくるか。自分でうまく茹でる自信はないし、コンビニというのもちょっとなと思うと、やっぱり蕎麦から縁遠くなってしまうのだ。そこにきて、麺類が重く感じる。あれほど沖縄そばが好きだったのに……。でも、今はなんか考えただけでお腹いっぱいになってしまう。
沖縄に帰るまでに、できるだけ蕎麦を食べようと思う今日この頃。