最近は出版社ではないところが雑誌を出すのが、やたらと目につく。で、そこには優秀な編集者たちがいる。それは裏返すと、雑誌がいかに危機に立たされているかということにを示しているように思われる。
正直な話、あまり雑誌を買う気になれない。
まず、内容と金額が見合わないような気がしてならない。もちろん、すべてがそうだというわけではない。広告が入らなければ、雑誌は成り立たないし、それでも作っていこうと思ったらそれなりの値段をつけなければいけないことは、その世界で仕事をしていた僕はもちろん分かっている。
それでも、ちょっとな~と思ってしまう。
これに数百円出す気になれないなと。
逆に専門性が高く、内容も充実していれば高くても買う。2000円近くても。
ただ、それを判断するには本屋で立ち読みをしないと判断できない。本屋で中身をザッと見て、コレはと思ったものはそのままレジに持っていく。
近頃の本屋さんは、それが分かっていて、椅子か置いてあったり、カフェを併設して何冊まで持ち込めるというサービスをしていたりする。(本屋さんもようやく海外並みになったようだ)
僕は雑誌に関しては、出版社自身がクビを締めたと思っている。
それは、立ち読みの出来ないような雑誌を作ったからだ。付録を付けることによって、ヒモで縛ったり、輪ゴムで閉じなければいけなくなった。中身を見ることの出来ない雑誌を買う気にはなれない。だって、表紙にいくら内容が書いてあっても、それが期待はずれになることなんて良くあることだから。逆に、表紙に書いてないようなページがグッときて、それだけのために買うことだってある。僕の場合は後者の方が圧倒的に多かった。
話は戻る。
最近は出版社ではない会社が雑誌を出している。詳しくは知らないけれど、有名な編集者や出版人たちがどこかからお金を調達してきて、自分たちがいいと思っている、もしくはこれなら売れると思っている雑誌を出してきている。
そのパワーはスゴいなと思う。
出したい、紙の雑誌を出したいという強い気持ちがそうさせているのだろうか?
そんな形態の雑誌を立ち上げようとしている人から、先日お誘いを頂いた。東京に帰るつもりはないので、丁重にお断りさせていただいたが……。(やがて50歳になるのに声をかけて頂いただけでもありがたいことだ)
ふと思う。僕が有名でお金を調達出来るような編集者だったら、同じことをしていただろうかと。
よくよく考えみると、たぶんやらないだろうな。今と同じように電子書籍をやっているだろうなと思う。まぁ、資金を調達出来る分、もっと大きくやっているだろうけど。人をたくさん雇って。
いや、資金調達もしないだろうな~。
結局、今と変わらないことやってるだろうなと思う。
今の新しい(厳密には新しくもないけど)カタチの雑誌には頑張って欲しい。
いい雑誌を作ってたくさん売って、雑誌文化を絶やさないで欲しい。
それは、雑誌で育ったやがて50歳になる人間としては切実に思う。
*別に大手出版社の雑誌のすべてがダメとは言ってませんので。中にはそういうものもあるということ。それはそうと、雑誌の値段って上がってませんか? 長く雑誌を買わなかったら、そう感じてしまったのは気のせいでしょうか?