この1年ほど、これまで全く見ていなかった日本のテレビドラマを見ている。
それ以前はドラマといえば、海外ドラマをレンタルDVDで見るだけで、日本のドラマなど見ていなかった。
というのも、日本のドラマに惹かれるものがなかったからだ。
ちょっと興味を持ったのが、『家政婦のミタ』だった。
それが特に優れていたというワケではなかったが、日本のテレビドラマも悪くはないと思ったからだ。
しかし、やはり日本のドラマはダメだなと最近思う。
まず、先が分かってしまうからだ。
次にどんなシーンがまっているのか。
さらには、結末までが分かってしまう。
特に、フジテレビのドラマはヒドい。
ヒドいものについて書くということはあまりしたくはないのだか、あまりのヒドさに呆れてしまう。
結末が分かるのはまだいい。
でも。それが1話で分かってしまうというのは論外だ。
もちろん、海外ドラマと比較するのは間違いだと思う。
まず、予算が違う。
ただ、日本のドラマ、特にフジテレビのドラマはまず俳優(タレント)ありきでシナリオが出来ている。
それは物語を作る上での足かせになっている。
視聴率の取れるタレントを使う。
商売の方法としてはアリなのかもしれない。
でも、そんな時代はとっくに終わった。それが分からないというのは大きな問題だ。
『あまちゃん』の成功は脚本の素晴らしさは、よく言われる小ネタはもちろんだが、1話目でこの展開が読めた人はいるだろうか?
おそらく、いないはずだ。
そして、展開のスピードが早過ぎず、遅過ぎず。適度に次回に期待を持たせるスピードなのだ。
同じNHKのドラマでも、悪い例のものはある。それは『大河ドラマ』だ。
『八重の桜』というタイトルなのに、この半年の間八重はほとんど出てこなかった。幕末の出来事を事細かに描写するあまり、主人公である八重の描写がおろそかになっていた。
さらに、八重にとって大切な人物である新島襄についてはほとんど触れていなかった。
さらに、オダギリジョーの主演ドラマが低視聴率に喘いだことを理由に、オダギリジョーのシーンを大幅にカットしたという。
全くのお門違いだ。
これもシナリオがダメだった例と言える。
最近話題の『半沢直樹』はシナリオもだから、演出の妙も成功の理由だと思う。
ある意味で映画的とも言える。
では、海外ドラマがなぜ流行っているのか?
はやり、シナリオのレベルが違い過ぎる。
アメリカでは、シナリオを一人の人間が書いているワケではない。
チームで書いているのだ。
さまざまなアイディアをまとめたものが物語となってテレビで放映されるのだ。
あり得ないような物語にリアリティを与える方法にも長けている。
そして、有名な映画監督を起用しているのも見逃せない。
映画では2時間半程度に編集しなければいけない物語を細部を描くことによって、視聴者の興味を惹いている。
もちろん予算があるから出来ると言えばそれまでだが。
しかし、なにより先の読めないシナリオが用意されていることが、一番の違いだと思う。
結末の分かる物語ほど面白くないものはない。
仮に結末が想像出来たとしても、その展開に意外性を用意出来ないのは、脚本家の問題なのか、テレビ局の問題なのか……。
おそらく後者だと想像するが。
日本映画は頑張っているだけに、何とも歯がゆい。
民放は『あまちゃん』のパロディをやっているのではなく、きちんとそれが何故ここまでヒットしたのかを分析して、もっとよく考えて欲しいと思うのは、僕だけだろうか?