「ブレーキ」が2つでも、原発を危険と断言する理由
>核分裂の数が増えると高熱になり、放っておくと燃料棒が融け、原子炉自体も融けてしまう。これが「メルトダウン」だ。原発はメルトダウンを防ぐため、2つのブレーキを持っている。
>ひとつが「制御棒」で、中性子を吸収する働きをする。この制御棒を燃料棒の中に突っ込めば、中性子が吸収されて数が減って核分裂を抑えられる。もうひとつのブレーキは「冷却水」だ。核燃料は核分裂によってどんどん熱を持ってくるから、冷却水はこれを冷やす働きをする。
>東日本大震災(2011年3月11日)で起きた東京電力福島第一原子力発電所の例で、説明しよう。地震発生とほぼ同時に運転中の原子炉には制御棒が自動的に挿入され、原子炉は停止した。ふたつのブレーキのうちのひとつは、有効に作動したわけだ。
>しかし、もうひとつのブレーキである冷却水はそうならなかった。原発に電力を供給していた送電線の鉄塔が倒壊し、発電所内部の電力の供給が完全に停止した。すると予備のディーゼル発電機が電力を供給し始め、ここまでは一応想定どおりであった。
>しかし地震発生の41分後に巨大な津波が原発を襲い、地下のディーゼル発電機を水没させてしまった。予備の電源を失ったことから冷却水循環系のポンプが停止し、非常用炉心冷却装置(ECCS)も動かせなくなってしまった。
>冷却水の供給を受けられなくなった炉心部分は温度が上昇し、水が蒸発して燃料棒がむき出しになった。燃料棒のジルコニウム合金は高温になると水蒸気を分解して水素を作り出す。これが原子炉建屋内に水素が溜まり、水素爆発が起こって建屋を吹き飛ばし、放射性物質を撒き散らした。
>やがて燃料棒が高温で融け始め、圧力容器自体も融け、溶融した核燃料がどろどろの状態になって格納容器の床に落下。一部の核燃料は格納容器にも穴をあけ、一部は格納容器の外にまで広がっていった。
>福島第一原発の例でもわかるように、結局のところブレーキをかけ続けなければ暴走するのが原発の特異性だ。火力や風力、太陽光など、他にこのような発電システムはほとんど見当たらない。
更に高レベル放射性廃棄物をどうするか問題、何千年も安全に保管することを考えなければならない
国土が広い国なら自国内に保管場所を用意できるだろうが狭い国土の日本では一体どこに保管するというのだ
>核分裂の数が増えると高熱になり、放っておくと燃料棒が融け、原子炉自体も融けてしまう。これが「メルトダウン」だ。原発はメルトダウンを防ぐため、2つのブレーキを持っている。
>ひとつが「制御棒」で、中性子を吸収する働きをする。この制御棒を燃料棒の中に突っ込めば、中性子が吸収されて数が減って核分裂を抑えられる。もうひとつのブレーキは「冷却水」だ。核燃料は核分裂によってどんどん熱を持ってくるから、冷却水はこれを冷やす働きをする。
>東日本大震災(2011年3月11日)で起きた東京電力福島第一原子力発電所の例で、説明しよう。地震発生とほぼ同時に運転中の原子炉には制御棒が自動的に挿入され、原子炉は停止した。ふたつのブレーキのうちのひとつは、有効に作動したわけだ。
>しかし、もうひとつのブレーキである冷却水はそうならなかった。原発に電力を供給していた送電線の鉄塔が倒壊し、発電所内部の電力の供給が完全に停止した。すると予備のディーゼル発電機が電力を供給し始め、ここまでは一応想定どおりであった。
>しかし地震発生の41分後に巨大な津波が原発を襲い、地下のディーゼル発電機を水没させてしまった。予備の電源を失ったことから冷却水循環系のポンプが停止し、非常用炉心冷却装置(ECCS)も動かせなくなってしまった。
>冷却水の供給を受けられなくなった炉心部分は温度が上昇し、水が蒸発して燃料棒がむき出しになった。燃料棒のジルコニウム合金は高温になると水蒸気を分解して水素を作り出す。これが原子炉建屋内に水素が溜まり、水素爆発が起こって建屋を吹き飛ばし、放射性物質を撒き散らした。
>やがて燃料棒が高温で融け始め、圧力容器自体も融け、溶融した核燃料がどろどろの状態になって格納容器の床に落下。一部の核燃料は格納容器にも穴をあけ、一部は格納容器の外にまで広がっていった。
>福島第一原発の例でもわかるように、結局のところブレーキをかけ続けなければ暴走するのが原発の特異性だ。火力や風力、太陽光など、他にこのような発電システムはほとんど見当たらない。
更に高レベル放射性廃棄物をどうするか問題、何千年も安全に保管することを考えなければならない
国土が広い国なら自国内に保管場所を用意できるだろうが狭い国土の日本では一体どこに保管するというのだ