拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 日本『悟』学のススメ

2021年12月16日 | 観自在

  世界的ベストセラー『ホモサピエンス全史』の著者、ハラリ氏がYoutubeで若者たちに提言していた。

  1〜2040年の世の中や雇用の動向など誰も予測不可能である。

  2〜いま学校で何を学んでも40歳になったら通用しない。

  3〜『精神の健康と感情知能を高めること』・・・私にできる最適な助言

  4〜これからの時代に必要なのは、心のバランスとレジリエンス(弾力性)である。

 

  要約するとこうなり、これだけ読むと若者の未来は非常に厳しい。

  人類はテクノロジーの大変革の津波に襲われ、将来を見通すことができない歴史的に稀な時期に直面しているからだ。

  戦時中に生きた私たちの先輩たちが終戦を迎え、一面焼野原から出発したことを想像すると、それよりは少しましかとも思うが…どうだろう?

 

  Youtubeは、他にも名だたる知識人の提言を見せてくれている。

  ドイツの若き哲学者のマルクス・ガブリエル(41歳)は『倫理資本主義』を提言し、増えた富は倫理観に基づき再分配することで、企業活動も

  持続可能となり、道徳的に優れた完璧な社会的制度を構築できる。具体的には会社に税理士がいるように『倫理チーム』がいてアドバイザー

  の役割を果たし、会社の事業を注視する・・・。そういった社会変革には若者たちがもっと投票に行かなければならない・・・。

 

  アメリカのマイケル・サンデル教授(政治哲学者68歳)は近著に『実力も運のうち〜能力主義は正義か?』があり、

  『いまの社会の能力主義は、不平等の正当化である』・・・と指摘し、学歴社会を批判。

  貧富の差が深刻になって大勢の労働者が無視され、過小評価されている中、何より必要なのは社会的な結束と連帯の源である

  『労働の尊厳』という概念が政治の中心にならなければならないと主張し、能力主義で傲慢になるのではなく

  『運の役割(育った環境など)』を認め『謙虚さ』を持つべきであると提言。

  人は社会が相互扶助で成り立っていることをもっと認識することで、新しい政治が起きてくる・・・。

 

  フランス人のジャック・アタリ教授(思想家・経済学者78歳)〜ヨーロッパの知性…といわれている。

  『パンデミックという深刻な危機に直面した今こそ『他者のために生きる』という人間の本質に立ち返らねばならない。

  協力は競争よりも価値があり、人類は一つであることを理解すべきである。』と、『利他主義』への転換こそ人類サバイバルの鍵。

 

  こういった人々の主張を観たとき、つまるところそれは『人間の慈悲心の覚醒』にあるようだ。

  それを考えた時、私的にはあらゆるイデオロギーを排する『禅』、それすら臭いと言うなら、日本(語)に日常的に存在している

  『悟』を示す『象徴』に意識を働かせ、人間性の最奥にある『悟』を覚醒させることを人々は真剣に考えるところに

  来ているのではないかと思う。『悟』の先にあるのは『慈悲心』であるからだ。 仏教は『慈悲と智慧』であるから。

  『悟』に取り巻かれている環境、それが日本であることを、

  まず日本人自身が認識を新たにし、世界に発信することが望まれているのだと思う。

          



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