拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 スイスのドン・キホーテ

2012年05月13日 | 映華(えいが)
  今年の1月8日のブログに「ブリューゲル動く絵」の映画の話をした。 http://blog.goo.ne.jp/syaraku-sai_5/e/86afd1fa141fe83662ce0517968df243

  その監督(Lech Majewski)が「Bruegel suite」ブリューゲル続編というタイトルのヴィデオ作品を作り パリ、東京
  ニューヨーク、ベニスなど世界各国で発表していたのを たまたまベニスにいた我らの友人アランが見て感動。

  そのヴィデオ作品を彼がディレクターしているESTREE(エストレ)というローザンヌの郊外(車で20分)の
  ギャラリーに持ってこれないだろうか・・・と思案。すぐに監督に会い 熱心に交渉したところ
  「一度そのギャラリーに行ってみましょう・・・」となり その結果 4月下旬か一ヶ月の展示が決まった。

           
       右の建物地上階がアランが経営するカフェ・レストラン そして車が止まっている奥に ギャラリーが!

  眠ったとは云え この映画を見た数少ない人間であるボク、そしてブリューゲルファンであるボクは
  ニコルの姉がボクの誕生日に何か妙案がないか?と尋ねてきたので すかさずその展示鑑賞と
  同会場にあるアランが店主しているレストランで夕食・・・という虫のいい妙案を提案。

  ボクの誕生日の昨日夕方 この展示(地上階にプラズマ・スクリーンを7台、二階に9台配した)ヴィデオを見て
  正直ぶったまげた。 ルーブルやN.Yのモダンアートミュージアムで展示したものと同じ物をこのような
  ど田舎のちっぽけなギャラリーで行われている・・・という事実に!

       
       ブリューゲルの絵「風車小屋と十字架」を前にして 熱演解説をしている アランは・・・
       (残念ながら写真では白く飛んで見えないが)その風車に立ち向かう ドン・キホーテ そのものに見えた。

  アランの熱意とご馳走に、そしてボクの誕生日に集まってくれた家族と友人に感謝して帰宅したのが真夜中。
  
  何時かわからない暗闇に ブリューゲルのこの絵の謎が 解けた気がして ふと眼が覚めた。
 
  画面中央の右手に高く聳える岩山にある風車小屋は「創造」を象徴し 
  画面右手にそびえ立つ車輪の刑(拷問・晒し刑)の柱は 破壊(不条理)を象徴しているのではないか?・・・と。
  その間で庶民が踊ったり、遊んだりしているその横でイエスが磔用の柱を担ぎ、マリアが悲しんでいるのだ。

  今日は「ブリューゲルの動く絵」のヴィデオを何度も何度も見たので 映画よりは
  ブリューゲルの真意が観えてきたような気がした。 これも今日還暦の天からの 贈り物であったのであろうか。

        アランのギャラリー: http://www.estree.ch/
  
  
  


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