数日前、ロシア軍によるウクライナ侵攻のニュースで映し出された、キーフ(キエフ)近郊の破壊され尽くした街並みの
映像を観た私以前の私の心はその色のない暗い風景に強い衝撃を受けた。
私はモノクロ写真を専門にやってきた写真家であるし、子供の頃は白黒映画、白黒テレビを観て育った世代であるから
モノトーンの映像は誰よりも知っているつもりであったが、それでもこの戦争によって破壊された街の風景のカラー映像による
『モノトーンの世界』に心底恐怖を覚え、仏教で習い覚えた言葉『無明』の世界とはこういうもの…であるか、と感じた。
『無明』とは辞書によると、『仏語。存在の根底にある根本的な無知をいう。この概念は形而上学的な世界の性質、とりわけ世界が
無常および無我であることの教義についての無知を指す。』・・・とあるが、ようするに『悟り』のない世界を言っている。
『無明』で明かりが無いのだから『色』がない暗闇…とは解っていたが、実風景がこれほど『無明』であることに衝撃を受けたのだ。
この色紙は足立老師に頂いたもので、相方が頂いた短冊も含めると3枚ぐらい持っているが
頂いた当時は、もっと禅的なカッコいい禅語の色紙を貰いたい…とちょっと不満であった。
この老師の飾らない、なんでも無い当たり前のような表現の真意を、今更ながらに気付く不肖の弟子の図
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