日々是好日(膵臓癌と向き合う日々)

膵臓癌になって思ったことや感じたこと、その関連の情報を書いてゆきたいと思います。

14歳の君へ―どう考えどう生きるか

2010-07-27 05:49:42 | お勧めの書籍

 この病気に成って約1年半が経過し、今年の4月にホスピスに入院しました。それまで、自分の経験で娘に伝えたいことをノートにしたためてきました。そして、6月始めに体調が一時悪化したのちは、幸福論や仏教の本を読んでいますが、まだ、それらの内容は消化不足でなかなか娘に伝えられるように書けません。7月の娘の誕生日に腕時計と一緒にアランの幸福論を贈りましたが、少し難しいし長いかなと思っていた中で出会ったのが、池田昌子さん著による「14歳の君へ―どう考えどう生きるか 」です。私が娘に書き残して考えてほしいと漠然と思っていた多くのことが非常に解りやすく書かれています。(正直、”宇宙”の後半部分の記述等、わたしもまだ一部理解不足のところもありますが、全体としては問題にならなかった。)

この手の本は、大人向けに書かれた少し難解なものはあるのですが、なかなかそれらのことを中学生の娘にもわかるように、かつ娘に薦めて読み終えてもらえるように書かれたものはなかなか見つかりませんでした。高度なことを難しい言葉でもてあそんで解らなくすることは簡単ですが、それを簡単な言葉で明快な形で伝えることは非常に難しい。しかし、この作品は、非常に簡明な言葉で、例をいれながら明快に池田さんが14歳の少年に対して、”どう考えどう生きるか”について伝えたかったことが書かれています。

池田さんはこの本を14歳の少年を対象にして書かれていますが、内容はーどう考えどう生きるかにーついて悩んでいる全ての年代の人に対して有用な本だと思います。私自身が、中学生の頃、いや、なにかしら生活につかれ疑問に陥っていた時期や、遅くとも会社、社会の中で悩み方向を誤っていく前に、ヒルティ、アランの幸福論や原始仏典の本と同様に、読んでおいたらなと思った本です。

なお、池田さんはこの本が発行された3ヵ月後の2007年2月23日、腎臓ガンのため46歳の若さで亡くなられました。没後、夫の伊藤實を理事長としてNPO法人「わたくし、つまりnobody」が設立され、(池田晶子記念)わたくし、つまりnobody賞が創設されました。
今日、彼女の著作のほとんどは、絶版されずにゆっくりと版が重ね続けてられているそうで、この本を読むとその理由が解る気がします。
ウィキペディア 池田昌子さんの記述から引用
 

14歳の君へ―どう考えどう生きるか

最新の画像もっと見る