sweet キャンディキャンディ

伝説のマンガ・アニメ「キャンディキャンディ」についてブログ主が満足するまで語りつくすためのブログ。海外二次小説の翻訳も。

水仙の咲く頃 第11章-2 |キャンディキャンディFinalStory二次小説

2012年03月29日 | 水仙の咲く頃
キャンディキャンディFinalStoryファンフィクション:水仙の咲く頃
By Josephine Hymes/ブログ主 訳


早朝の、まだ外が暗いうちの静まり返った寝室でキャンディは目を覚ました。隣で寝ている夫はお気に入りのうつ伏せの体勢で、モルフェウス(訳者注*ギリシャ神話の眠りの神)の腕の中で深く眠っていた。昨夜は一晩中眠りにつくまで、マーロウ夫人から渡された包みのことを思い出さないようにしていたけれど、こうして目が覚めた今、その中身を知りたい衝動に猛烈に駆られていた。キャンディは出来るだけ静かにベッドから起き上がると、シルクのローブを羽織ってから寝室を出て扉を閉めた。

包みは台所の食料庫の中に置いておくようロベルトに指示を出しておいたので、キャンディは包みをそこで見つけた。

キッチンナイフの助けを借りながら、素早い手つきで茶色の包装紙を開いてその中身が現れた時、キャンディは、信じられない思いで目を見開いた。それは時間の経過と共に色あせたピンク色の封筒の30通以上もの手紙の束だった。その手紙の束の上にはより最近書かれたものと思われる真っ白い封筒が置いてあり、その封筒にはキャンディの名前が旧姓で記されていた。

大理石のキッチン台の上にそのピンク色の封筒を手で広げながら、キャンディの驚きは指数関数的に増大した。ランプの照明に照らされて浮かび上がってきた文字は、自分の筆跡だったのだ。

「これは……わたしがテリィに出した手紙!」 キャンディは動揺していた。「……ずっと……ずっと前に、わたしがシカゴからテリィに出した手紙……。封が開けられてもいないなんて! テリィは読んでいないんだわ!」 キャンディはショックを受けて、口ごもりながら声にした。

このことをどう解釈すればいいのか理解に苦しんだキャンディは、スザナ本人からの説明がそこには書いてあるのだろうと推測して、白い封筒を手に掴んだ。それから台所スツールに腰掛けて、その白い封筒の手紙の中身を読み始めた――

1922年10月24日


キャンディス・ホワイト・アードレーさま

この手紙は、わたしがあなたに宛てて書く2通目の手紙です。そして、これが最後の手紙になるでしょう。あなたがこの手紙を読んでいる時には、わたしはすでに別の世界の住人になっているはずです。わたしは、そこがここよりも良い場所であることを願わずにはいられません。この世界で経験した肉体的な苦しみはあまりにも大きくて、わたしはただ疲れ切って、気持ちが沈んでいくばかりでしたから……。

この手紙があなたの手元に届けられる時には、きっとテリュースがあなたの隣にいることでしょう。わたしがこれを書いている今この瞬間でさえも、この同じ部屋でぼんやりと本を読みながら、彼が心の中であなたと一緒にいることが、わたしにはわかっています。テリィがわたしの元に戻って来て婚約してから、この6年の間ずっと同じでした。彼の言葉と存在はわたしと共にあるけれど、彼の心は、インディアナのあなたのいる場所に留まったままなのです。

わたしを憐れに思わないで、キャンディスさん。今ではテリィの冷淡な態度にも慣れました。でも、始めの頃はこんな風ではなかったのです。あなたへの手紙に書いたように、以前はわたしも、彼の心がいつかはわたしに向けられるという希望を持っていました。けれどもその希望は、すべて落胆に変わってしまいました。もしわたしの命を脅かしているこの恐ろしい病がなくなって、あなたと離れている年月がもっと長くなれば、テリィもいつかはわたしを愛するようになる日が来るだろうと言うことができたらどんなにいいでしょう……。でも、間もなく創造主の元へ旅立つことになった今、わたしはこれ以上、自分自身を偽ることはできません。わたしと彼がこれから何十年も生活を共にして、一緒に年をとったとしても、今と同じ状態が続くことがわたしにははっきりとわかっています。テリィは頑固なまでにあなたを愛し続けるでしょう……おそらく以前よりもっと強く――なぜなら、彼のあなたへの愛は、日を追うごとに深くなっているのですから……。

でもね、キャンディスさん……テリィがわたしのことを、わたしの望むように愛せないからといって、わたしが彼に腹を立てているとは思わないで。それどころか、いくら哀れみの精神からだったとしても、彼がわたしと一緒にいてくれる善意の気持ちに、わたしは感謝しているのです。わたしのこんな痛ましい彼に対する情熱は、あなたの中に軽蔑心を抱かせたでしょうか? あなたに何と思われようが、わたしは一向に構いません。テリィがわたしに投げかけてくれたほんの少しの愛情の欠片で、わたしは十分幸せだったのです。

これから書くことをしっかり読んでくださいね、キャンディスさん。そしてその後で、わたしのことをどうとでも判断してください。わたしは、例えそれが世間への表向きのことであって真実ではなかったとしても、《テリィはわたしのものなのだ》と思うと天国にいるような気分でした。わたしは栄光の絶頂を垣間見たけれど、わたしの最大の罪はそこにあるのです――それは、わたしが幸せだった間テリィが不幸だったこと……そしてわたしは、彼の苦しみにちゃんと気付いていたこと……。自分に正直になって正しい言い方をするならば、それは自分勝手な愛情でした。わたしは、そうすることが彼をとても苦しめるとわかっていても、あなたから彼を引き離すことにためらいはありませんでした。わたしにあなたの強さや無私の心があって、彼を自由にしてあげることが出来ればよかったけれど、残念ながら、わたしはあなたのように勇敢な行いをする人間には生まれついていないのです、キャンディスさん。

だからわたしは、テリィをあなたの元へ行かせるのが一番良いことだと時には思うことがあったとしても、結局は、いつでも彼を繋ぎ止めてしまったのでした。初めからそうでした――ストラスフォード劇団の事務所を訪ねて来たテリィの姿を初めて見た時から、わたしは一生彼のそばにいるのだと心に決めたのです。わたしの決心は揺るぎなく、そのためなら嘘をつくことも、騙すことも、どんな作り話をでっちあげることもためらいませんでした。テリィに送られたあなたの手紙を盗んだことは、わたしが行ったたくさんの行為の内の一つに過ぎません。――そのことを思い出すと、今では恥ずかしさで顔が熱くなります。

説明が必要ですね――その昔、わたしがロミオとジュリエットのオーディションの知らせを持って、当時テリィが住んでいたアパートに行った時の事でした。わたしがアパートの階段を上っていると、管理人さんからテリィに届いた手紙を預けられたのです。あなたからの手紙でした。わたしは、あなたとテリィが手紙のやり取りをしていることを知って、嫉妬で狂いそうになりました。それから数週間の間、わたしはその手紙を手元に置いたまま、それを粉々に破いてしまうべきか、それともテリィに返すべきか悩みました。

少なくともその時は、意図は間違っていたとしても、わたしは正しい行いをすることにしました。テリィにあなたからの手紙を返した時、わたしは彼に愛していると告白して、あなたとの付き合いを止めてほしいと訴えました。わたしは自惚れていましたから、わたしの美貌と情熱があれば、彼の心を簡単にあなたからわたしに振り向かせられると信じていました。結局はバカを演じただけだったのに……。

そんなわたしに、テリィは冷ややかな情けを持って対応しました。テリィはいつもの彼らしく紳士的な態度でわたしの愛の告白を丁重に退けてから、まるで大切な宝物であるかのようにあなたからの手紙を受け取りました。わたしは泣きながらその場を立ち去ったけれど、テリィは止めようともしなかった。わたしは激しい屈辱を感じていました。そしてその時、わたしはどんな犠牲を払ってでも、あなたから彼を奪い取ることを自分に誓ったのです。

この出来事の後から、わたしは彼のアパートの管理人を引き込んで、あなたから送られてくる手紙を横取りするようになりました。全部の手紙を盗ってしまうと疑われてしまうから、少しは彼に届くようにして……。でも、あなたからの手紙がほとんど届かなくなっても、テリィのあなたへの思いが薄らぐことはなかった……。わたしはなす術を無くしていました。

そんな時に、あの恵みの事故が起きたのです。あなたからテリィを勝ち取ることができた恵みの出来事が……。認めてしまうのは情けないけれど、わたしはあの事故のことを、ずっとこんな風に思ってきたのです。あの夜、あの病院で、あなたがわたしの病室に別れの挨拶をしに来た時、あなたがテリィをわたしの元に置いて行こうとしていることが、わたしにはまるで嘘のようでした。それはわたしにとって、夢以上の出来事でした。

あの時、あなたはわたしにテリィのことを頼んでいきました。死への準備を整えながら、わたしはあなたに告白しなければなりません――わたしはその約束を守れなかった、と。テリィはずっと幸せではなかった。何年もの間わたしが恐れていたのは、いつの日かあなたがわたしとテリィの前に現れて、わたしが自らの言葉に忠実でなかったことを非難するのではないかということでした。もしあなたがそうしていたら、わたしには返す言葉もなかったし、それ以上に、テリィをわたしの元に留めておく力などありませんでした。わたしにははっきり分かっています――テリィは、彼の廉恥心からわたしに縛られていたけれど、もしあなたにそのつもりがあったなら、あなたはただ指をパチンと鳴らすだけで、彼をあなたの足元にひざまずかせることができたのです。でも、あなたは現れなかった……この長い年月の間、ただの一度も……。

あなたに既に告白したように、わたしは自分のしたことを誇らしく思っているわけではありません――もしこのことを知ったなら、たいていの人はわたしを強く非難することでしょう。でも、わたしはただ自分の弱さをよくわかっていて、彼なしで生きる強さを持っていなかっただけなのです。

とは言え、わたしのテリィに対する愛着から、わたしがあなた方二人に間違ったことをしてしまったことは自覚しています。もしも劇の脚本を書く時のようにこの物語を書き換えられるのだとしたら、わたしは筋書きの大部分を変更することでしょう。第一幕からやり直して、スザナ・マーロウを、薄幸な恋人たちの邪魔などせずに、無私の精神で舞台後方へと消えていく、悲劇のヒロインに仕立てることでしょう。でも現実の世界でわたしが下した決断は、わたしをこの悲しい物語の敵役にしてしまいました。

わたしの命はもう尽きようとしています。そのことに不満はありません。わたしは、それで良いのだと思っています――なぜならわたしの存在は、テリィの人生を破滅させただけなのですから……。わたしが逝ってしまったら、彼はあなたの元へ飛んでいくでしょう。わたしにはそれが分かっています――わたしは、あなたがまだ独身だということを調べました。あなたが独身で居続けているのは、あなたがまだ彼のことを愛しているからなのでしょうか……? わたしはそうであることを心から願っています――テリィはそれだけの思いに値する人ですから。

テリィとあなたが結婚したら、あなたに直ぐに会いに行くよう母に頼んでおきます。わたしの犯したすべての過ちに対してはほんの申し訳程度かもしれないけれど、せめてもの償いの気持ちとして、わたしが盗んだ手紙をお返しします。

キャンディスさん、わたしの告白は以上です。あなたがわたしに示してくれた親切に感謝すると共に、あなたに許しを請うことが、この手紙を書き終える前にわたしが最後にしなければならないことです。信じてください――最後の息を吐いた時、わたしがあなたの名を祝福したことを。

かしこ 
スザナ・マーロウ 


スザナの屈折した手紙を読み終えた時、キャンディの目に涙が溢れて頬を伝った。キャンディは、かつて一度も経験したことがないような複雑な感情の渦の中で、心の動揺を抑えることができなかった。昔に抱いたスザナ・マーロウの印象は、頭の中からゆっくりと消えて行った。テリィがスザナとの生活の様子を断片的に明らかにして以来、キャンディのスザナに対する見解は大きく変化していたけれど、スザナ自身の告白の手紙でその心の内を知ることは、理解の限度を超えていた。キャンディの中で、これまで持っていた人間の本質に対する信頼が、もろくも崩れていきそうだった。

キャンディは、自尊心と自立心が完全に欠如しているスザナのことを気の毒に感じたが、自分がテリィに送った手紙を盗んだ厚かましさに対しては猛烈に腹を立てていた。さらに、スザナがぬけぬけとテリィの苦しみに気付いていたことを告白したことが、キャンディを激しく怒らせた。スザナはテリィを苦しみから解放することが出来たにも関わらず、哀れみを示さなかったのだ。しかしながら、おそらくこの手紙の中でキャンディの気持ちを最も激しく動揺させたのは、もし自分がテリィの前に現れていたとしたら何が起き得たのかに関する、スザナの確信を持った言葉だった――

『もしあなたにそのつもりがあったなら、あなたはただ指をパチンと鳴らすだけで、彼をあなたの足元にひざまずかせることができたのです』

この言葉の重みが、これまで考えても見なかったある現実へとキャンディの目を開かせた――それは、自分も知らぬ間に、スザナと同じ罪を犯していたという現実。――テリィの苦しみを終わらせることが自分にも出来たのに、わたしはそれをしなかったのだ……。この新たな認識に戸惑って、キャンディは手に顔を埋めて激しく泣きじゃくった。そして、そのようなキャンディの姿を、テリィは見つけたのだった。

「キャンディ、何があった?」 テリィは慌てて駆け寄ってキャンディを抱きしめた。「どうした、キャンディ? 何があったかおれに話すんだ」

キャンディは状況を説明したかったけれど、口から漏れるのはすすり泣きばかりだった。心配が増してきたテリィが部屋の中を見渡すと、開封された茶色い包装紙と、ピンク色の封筒の手紙の束が、キッチン台の上に広げられているのが目に留まった。

「これは?」 テリィが問い掛けると、キャンディは振り返ってその方向を見た。

キャンディは泣きながら内心でため息をついた。過去のことでテリィの心を乱したくなかったので、この件については何も言わずにおこうと思っていたのだ。しかし残念ながら、今となっては秘密にしておくことなど不可能だった。唯一の正しい対応策は、真実を話すことだとキャンディは考えた。

「この包みは、昨夜舞台が終わった後に、わたしがボックス席から出た時に渡されたものなの」 キャンディは、涙で枯れた声で話し始めた。

テリィの不安は募っていたが、何も言わずにキャンディに話を続けさせた。

「まったく予想もしなかった人から渡されたの」

「予想もしなかった人って?」 テリィはせっかちに話を促した。

「……マーロウさん」 キャンディは、テリィの反応を予期しながら答えた。

「あのくそったれが!」 罵倒せずにはいられずに、テリィは声をあげた。

「わたしに手渡してほしいとスザナから頼まれた物だと言ったわ」 テリィの顔が一瞬青ざめ、その後怒りで真っ赤に染まるのを見ながらキャンディは説明した。

「なんて浅ましい女なんだ」 テリィは信じられないというように頭を左右に振りながら、苦々しく笑った。「最後の最後まで壮大なドラマを演じなければ気が済まないとはな」

「もういいのよ、テリィ……そんなに怒らないで。そんな風に気に病む必要はないことだから」 キャンディは、テリィの急激な怒りをなだめようとして言った。

「でも……きみをこんなに泣かせたじゃないか……」 その手でキャンディの涙を拭いながらテリィは言い張った。

「わたしなら大丈夫よ、テリィ。包みの中身を見て驚いちゃっただけなの。あなたも見たでしょう?」 キッチン台の方に振り返ってキャンディは聞いた。

「一体何なんだい、これは?」 キャンディがいつも使っているピンク色の封筒に気がついたテリィは、驚きを隠せずに大きな声で聞いた。

「あなた宛ての手紙よ、テリィ」 キャンディは説明した。「あなたが受け取ることのなかった手紙なの」

「でも……こんなにたくさんの手紙……まさか、あり得ない!」 テリィは封がされたままの手紙を一通一通手に取って、確かにキャンディの筆跡で書かれた自分の名前とかつての住所を指でなぞりながら、消印の日付を見て激しく言った。「おれに届かなかった手紙……きみはこんなにたくさん書いてくれたのか……キャンディ!」

「そうなの……前にも話したことがあったわよね。あなたに出した多くの手紙が一体どこへ紛れ込んでしまったのかと思っていたけど……スザナが持っていたのね。スザナが残した死後の手紙の中で、そのことについて説明してくれたわ……それから、謝罪の言葉も……」 キッチン台の上のスザナの手紙を指さして、キャンディは口をつぐんだ。

白い便箋に書かれたスザナの手紙を見て、テリィの表情に暗雲が立ちこめた。スザナの偏執的な性格についてはよくわかっていたので、キャンディと自分が遠距離恋愛をしていた当初から、自分たちがスザナの策略の犠牲者だったことをテリィは理解した。

普段のテリィであれば、スザナのこのような汚い手口に対して怒りでカッとなってしまうところだが、キャンディの激しく落ち込んだ様子を目にして、今回ばかりは気持ちを鎮めて妻の悲しみを慰めることにした。

テリィはスザナの手紙を手に取ると、その不快な手紙を無言で粉々に破いてゴミ箱に捨ててから、キャンディの手紙をまとめて片手で持った。そしてもう一方の手でキャンディを裸の胸に抱き寄せて、そのおでこにキスをした。

「この手紙は明日読むから」 唇をキャンディのおでこにつけたまま、テリィは囁いた。「ひとまずおれとベッドに戻ろう、ハニー。あともう少しきみと一緒に寝たいからさ。いいだろ?」

キャンディは黙って頷いた。テリィに肩を抱かれて寝室へと戻りながら、キャンディは、心を蝕む暗い想いを消し去ろうと懸命に努めていた。



『リチャード三世』の初演の日から一週間もすると、キャンディとテリィは快適な日常のサイクルの中で日々を過ごした。キャンディは、週に二日は赤十字で看護婦のボランティア活動をした。病院では偽名を使わなければならず、記者を避けるために家から病院までは必ずロベルトに付き添ってもらう必要があることが厄介ではあったけれど、有名人の妻として、多少の犠牲は仕方ないと割り切っていた。ボランティアの仕事がない日の夜は、夫と一緒に劇場に出かけた。劇場では、時にはボックス席から舞台をもう一度観劇することもあったし、舞台裏で控えていることもあった。テリィの同僚たちは、控えめで邪魔にならないどころか、むしろ世話好きなキャンディの存在に慣れてきていた。団員たちの多くが心密かに――どうしたらこんなに感じのよい魅力的な女性が、テリュース・グレアムのような男を好きになれるのだろう……と首をひねった。それでも団員全員が、テリュース・グレアムの気分を和ませて親しみやすくしてくれるキャンディの存在を有難く思っていた。

朝はテリィはたいてい遅くまで寝ていたが、キャンディはその点では夫と行動を共にできなかった。孤児院での長年に渡る子どもたちとの生活から、朝早く起きる習慣が身に付いていたのだ。そういう訳で、ボランティアの仕事がない日の朝は、キャンディはミセス・オマリーと一緒に時間を過ごした。ミセス・オマリーもキャンディといるのが楽しい様子で、二人の会話は自然に弾んだ。

そんなある日の朝、二人一緒に台所仕事をしながら、ミセス・オマリーはこれまで聞きたくてうずうずしていた質問をキャンディにぶつけた。

「奥様……」 ミセス・オマリーは質問を開始した。「マーロウ夫人とその娘さんのことはご存じですか?」

「ええ、知っているわよ。でもどうしてそんなことを聞くの?」 スライスしていたニンジンを脇に置いてキャンディは問い掛けた。

「わたしとロベルトが、奥様のいないところでこんな話をしていたことは許してくださらなければなりませんよ。グレアム様の舞台の初演の夜に、マーロウ夫人が現れたとロベルトから聞いたのですよ。わたしもロベルトも、あの夫人が一体何を奥様に言いに来たのかとても興味が湧きましてね。マーロウ夫人と奥様はお知り合いではないと思っていたものですからね」

キャンディは一呼吸置いて、この家政婦に説明する言葉を慎重に選んだ。

「そうねえ……確かに以前会ったことはあったけど……」 キャンディは、出来るだけ軽い調子に聞こえるように説明し始めた。「実際は、多少の面識があるくらいなの。スザナさんとは数回話したことがあるだけだし、マーロウ夫人に至っては、以前に一度会ったことがあるだけなのよ」

ミセス・オマリーはここで一旦会話を止めた。長年生きてきた知恵をたよりに、この家政婦はグレアム夫妻のことに関して多くのことを理解しつつあった。新聞の記事には、グレアム夫妻は学生の頃からの知り合いだということが書いてあったし、ミスター・グレアムは、どう見ても愛しているようには見えない婚約者と何年も暮らした後、その婚約者が亡くなってから2年後に、相思相愛の妻を連れて公演旅行から戻ってきた。それに加えて、かつての婚約者と今の妻がお互いを知っていたとなれば、世間からは念入りに隠された三角関係があったと推測するのは容易かった。

「マーロウ夫人が何かの包みを奥様に渡していたと、ロベルトが言ってました」 ミセス・マーロウは再び質問を続けた。

「ええ……えっと……それには手紙が入っていたのよ……スザナさんがわたし宛に書いた死後の手紙だったの」

「そういうことでしたら、奥様、あの娘さんが書いたことなど何一つ信じてはいけませんよ」

「どうしてそんなことを言うの?」 キャンディは、ミセス・オマリーの確信に満ちた物言いを不思議に思って聞いた。

「奥様、わたしはあのマーロウ母娘と何年か一緒に暮らしたんですよ。ミス・マーロウに特別な手伝いが必要だからということで、住み込みで雇われたんです。だからあの娘さんのやり方はすっかり心得ていますよ、ええ。虚栄心のかたまりのような娘さんでしたからね……それにあの母親ときたら!」 軽蔑するように眉をひそめながら、ミセス・オマリーは語気を強めて言った。

「二人のことを嫌っていたような口ぶりね」 キャンディは、この話題の中で品位を損なわぬよう最善の注意を払いながら、それとなく聞いた。

「あの二人を好きになんてなれませんよ」 ミセス・オマリーはため息まじりに言った。「こんなことを言っていいのか分かりませんけどね、マーロウ夫人はグレアム様の財産に異常な関心を持っていたと思いますよ。マーロウの母娘はたいそう贅沢な暮らしをさせてもらっていたんですから、本来ならグレアム様に平身低頭感謝すべきところを、マーロウ夫人ときたら、グレアム様があの二人のために買った豪華な家でもまだ物足りないと言わんばかりに、いつだって口うるさくもっともっととねだっていたんです。あのタウンハウスは、このアパートより格段に広くて素敵な家でした。あのがみがみ女にグレアム様が利用されるのを見ているのは本当に辛いものでしたよ。グレアム様は良い方ですからね。わたしがこれまでお仕えした中で一番の御主人様です」

「そうだったの……」 キャンディはほとんど何も言うことができなかったが、ミセス・オマリーは勢い批判を続けた。

「それにですよ、ミス・マーロウときたら大人の女性の皮を被った我儘な小娘でしたよ。グレアム様にはすっかり熱をあげていましたけれどね、わたしが見たところ、グレアム様の方では歯牙にもかけない様子でしたよ。わたしはずっと不思議に思っていたんです――どうしてグレアム様のようなお方がミス・マーロウと婚約までしているのかとね。わたしが下した結論は、グレアム様はミス・マーロウを気の毒に思っておいでだったんですよ――ほら、あの事故がありましたからね。それに、グレアム様は結局ミス・マーロウと結婚なさいませんでしたから、ミス・マーロウは言ってみればただのゲストだったんですよ。なのに、あの娘さんはまるでグレアム様の妻気取りでわたしをこき使って、自分の気に召さないと怒り出すんです。でもそうかと思えば、ミス・マーロウはグレアム様のためにお料理もしなければ、わたしがシャツにアイロンをしっかりかけたのか確認もせずに、妻らしいことは何一つしないんですから。ロベルトとわたしは、あの母娘に関しては嫌な思い出がたくさんあるんですよ。グレアム様のことが好きだったから、わたしらは何とか辞めずにいたんです」

ミセス・オマリーの話を聞きながら、内心でマーロウ母娘とそして自分自身に対する怒りが高まるのを感じながらも、キャンディはその感情を上手に隠した。

「それは大変だったのね、オマリーさん……でも、わたしの夫に対して示してくれた忠誠心に感謝します」 キャンディは、この不愉快な話題を終わらせようとして言った。

「ありがとうございます、奥様」 ミセス・オマリーは頷いて答えたが、まだ言うべきことがあるというように話を続けた。「グレアム様からタウンハウスをマーロウ夫人に譲って引っ越しをすると告げられた時、ロベルトとわたしはあの雌ドラゴンとあの家に残るのを拒否したんです。グレアム様はわたしらに引き続き仕事を与えて下さって、しかも、週末や夜は働かなくてもいいと言って下さって、わたしはとても恵まれていると思っていたんです。でも、グレアム様が電話で結婚したことを知らせて来た時は、正直わたしは不安だったんですよ」

「その気持ちはよく理解できると思うわ」 キャンディは、この人の良い女性に同情して、もの悲しい笑顔を浮かべて言った。

「でも奥様にお会いして、わたしは信じられないような思いでした。新聞には、奥様は大富豪の令嬢だと書いてありましたけど、全くそうは見えませんでしたよ……わたしが言いたいのは、奥様はツンツンしたところのないレディーだということです。奥様は素晴らしいご主人様ですし、グレアム様にとっても本当に良い妻でいらっしゃいます。ですからわたしは、あの小娘が書いたことが奥様の気分を害するのが嫌なんですよ」

「本当にどうもありがとう、オマリーさん。その気持ちに感謝するわ。手紙のことは心配しないで……大したことは何も書いてなかったのよ。さあ、急ぎましょう……シチューが間に合わなくなるわ」 キャンディは努めて明るい笑顔を作って言った。言うべきことは言ったと判断したミセス・オマリーは、それ以上は何も言わずにキャンディの言葉に従った。

それからキャンディはシチューの野菜を切る作業に戻り、ミセス・オマリーは台所を出て掃除を始めた。キャンディは、ミセス・オマリーの言葉を頭から払いのけようと懸命に努力したけれど、落ち着かない気持ちが膨らむばかりだった。テリィがスザナと過ごした生活の実態を知れば知るほど、キャンディは、何故テリィは自分が彼の元を去ったこと恨みに思わなかったのか、理解できなくなっていた。





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もも様 (ブログ主)
2012-04-14 13:28:17
ちゃんと送信されましたよ。

あの当時の少女マンガには名作は多かったですけれど、キャンディキャンディが放っていた輝きはちょっと抜きんでていたように思います。

何でしょうねぇ…もも様のいうようにストーリーがしっかりしていたからというのもあるでしょうし、キャラクターそれぞれの魅力、作画の力…そういったすべてが結集してここまで中毒性のあるマンガになったのだろうなぁ…とブログ主は思っています。

こうして30年を経てまた楽しませてもらえるだけのパワーのある作品があることに感謝ですね。
返信する
送信失敗したようです (もも)
2012-04-14 02:48:59
何度もすみません。また途中で切れちゃったみたいで…続きがあったんです

読むのが辛い場末の劇場シーン…9巻107頁のキャンディのセリフ、頭を抱えて嘆いているテリィ…小学生だった私には深くは理解できなかったけれど、ある程度大人になってからはこの頁は本当に読むのが辛いです…

こんな大人な内容の物語がよく「なかよし」に載ってたもんだと驚くばかりです。でも、当時子供だった読者達が大人になってもこんなにときめくことができるのは、やっぱりストーリー自体が芯の通ったしっかりしたものだからなんですよね、多分。

キャンディキャンディ、FS、そしてこちらの作品に出会えて本当に嬉しいです。


ちゃんと送信できますように。
読んでいただきありがとうございました。


返信する
遅ればせながら (もも)
2012-04-13 19:37:01
こっちのコメント欄増えてるのも気が付きませんでした~

私も漫画の中で、一番好きなのはシカゴの再会シーンなんです。キャンディ見た時のテリィの目だけアップになるコマ(右頁一番下の目が少し丸くなるあれです(^_^)) もう本当になんとも言えません。

数年置きに思い出したように読み返しましたが、自分が成長する中で読む度に新しい印象と感動があった漫画は他になかったように思います。 子供の頃は病院での別れのシーンがとにかく悲しかったけれど、大人になってからは場末の劇場シーンほど読んで辛いものはなかった(>_<)
9巻107頁のキャンディのセリフ、頭抱えて嘆いているテリィ…小学生の私には理解できなかったけれど、ある程度大人になってからはこの頁が一番辛いです…
こんな大人な内容の物語がよく「なかよし」に載ってたもんだと驚くばかりです。

返信する
次の頁を更新しましたよ~ (ブログ主)
2012-04-12 14:02:21
予想外にスムーズに翻訳が進んだので、次頁を先ほど更新しました。

なつみ様

>FSのスザナの手紙だけでは、以前との違いが読み取れなかったんですが、アニーの手紙と合わせることで、原作者さんの意図が、表れてる気がしてきました。

「水仙…」のアニーはFSのこの手紙にだいぶ沿って描かれていますよね。
原作者さんの意図としては、ブログ主はエレノアさんがハムレットの招待状をキャンディに送ったことでも読めると思います。
エレノアさんはテリィとスザナの生活を近くで見ていて、キャンディに二人の前に登場してほしかったのではないでしょうか? テリィとスザナが幸せに暮らしていたのであれば、何年も経ってそのような招待状を送るはずがないと思うのですね。だから「ぼくは何も変わっていない」なのですよね

>そして、漫画では、サマースクールでは、おでこへの優しいキス

こっこのシーンは、テリィ好きな人は何度か爆死しているはずです

海外のキャンディファンがフォトショップでおでこへのキスを唇へのキスにしてしまったgif画像がブログ主のパソコンの中に存在しております

ほのかママ様

>実は私もテリィとキャンディの別れがつらくて、あの辺は読めずに、いつも飛ばしてました

しかしキャンディキャンディは本当に罪作りですね~。ちいちゃん様もマンガを読み返せなかったとおっしゃってましたが、子どもたちの心をこんなにも痛めていたなんて。

>あの場面は最高ですね!

同感です。マンガ史上に残る名シーンだと思います。

>語れば語りつくせませんね。

「水仙…」も終わりに近づいてきました。どうぞ思う存分、心行くまで語って行ってくださいませ
返信する
Unknown (ほのかママ)
2012-04-12 12:02:47
皆さんのコメントを読んでいたら、私も原作漫画をすぐさま読み返しました。
実は私もテリィとキャンディの別れがつらくて、あの辺は読めずに、いつも飛ばしてました。ロックスタウンの頃ももちろん、前半のキャンディがラガン家でいじめられてアンソニーが亡くなる所も読めず・・・結局、ほとんど原作は辛くて読めないところばかりでしたが、私も一番好きなシーンは、白衣を着たキャンディがデッキから見えるテリィに手を振るあのシーンです!
あの場面は最高ですね!
なので、あの最初のピッツバーグでのキスは、かなり萌えました。すぐにあの原作のことが思い浮かびました。
辛くて読めなかった原作が、今はこのファンフィクションのおかげで、読めるようになりました。辛い場面も「いいの、後で、ちゃ~んと二人は結ばれるんだから」と今は思えるので、ほんとにこの物語を書いてくださった方と、ブログ主様に感謝感謝です。

ロックスタウンのロン毛のテリィ、いいですよね~。美しすぎる・・。年齢重ねて、またさらにダンディなんでしょうね。
語れば語りつくせませんね。
返信する
便乗して (なつみ)
2012-04-12 07:10:01
てぃえんてぃえん様

私からも漫画ゲット、おめでとうございます。

また漫画を思い出してしまいました。

汽車でのテリィ、ロックスタウンでのテリィ、表情の変化で、見事に伝えていますよね。流石と言わざるを得ません。
できれば、あの絵で、2人が幸せになるところを見たかった。

メイフェスでの一連の流れ、テリィから目が離せません。 そして、結んでくれた白いタイ、、こんなに長く持っていることになるとは、ですねぇ。

そして、漫画では、サマースクールでは、おでこへの優しいキス
あの辺のテリィの表情の変化も好きですね~

私の当時の夢想では、、

なにかのきっかけで、母からロックスタウンでの話をテリィが聞いて、いてもたってもいられなくなり、

スザナが手を離してくれる、、
というパターンだったのですが、、
無情にも、続編はなかったけれど。

FSのスザナの手紙だけでは、以前との違いが読み取れなかったんですが、アニーの手紙と合わせることで、原作者さんの意図が、表れてる気がしてきました。

そして水仙の、、では、アニーが協力してくれますものね。

あと少しで終わってしまうのは寂しいけれど、2人が幸せになるところが見られて、うれしいです。
返信する
てぃえんてぃえん様 (ブログ主)
2012-04-11 22:51:31
原作マンガゲットおめでとうございます。

前にも他の読者様がコメントされていましたが、アニメを見た後にマンガの絵を見ると、そのクオリティの違いにびっくりですよね。

汽車のシーンのテリィ表情の移り変わりは本当にエクセレント・ジョブ!だとブログ主もマンガを読むたびに感嘆しております。

それからロックスタウンの長髪テリィ…アル中状態なのにほんとセクスィーすぎますね。

スザナに関しては、FSのスザナが原作者さんの中での最終的なスザナ像なのだと思います。

次のページは明日の多分夜になると思いますが更新できそうですので、楽しみにしていて下さいませ。
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ひかる様 (ブログ主)
2012-04-11 22:39:51
初コメントありがとうございます。
よく当ブログに辿り着いて下さいました。

コメントが長いのは全然気にしないでください。この物語の進行と共に、昔からの読者様のキャンディ熱もどんどん熱くなって、皆さんのコメントがどんどん長くなっておりまして、そのことをブログ主は心より喜んでおりますので。

ブログ主が満足するまでキャンディキャンディについて語り尽くすためのブログですが、みなさんにも満足するまで語っていただければ幸いでございます

>スザナはこの手紙の中でも、しっかり自分という名の人生の主人公を演じている。

この手紙のスザナにはこの言葉通りだと思います。だからこそのテリィの「最後の最後まで壮大なドラマを演じなければ気が済まないとはな」が鋭くグサッと刺さるのですね~。

ひかる様のスザナは悲しい生き方をする女性だと言うご意見、きっと多くのキャンディファンの共感するところだと思います。日本のファンは優しいのでその悲しい生きざまに共感できてしまうのですよねぇ・・・きっと。
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超長くてスミマセン・・・ (てぃえんてぃえん)
2012-04-11 17:10:52
 日本からの荷物と一緒に原作漫画を送ってもらいかなりウシシな今日この頃・・・。あまりに嬉しいのでこの気持ちを皆さんに共有して頂きたく、コメントです。

 原作読んでの感想・・・アニメに比べてキャンディもテリィも気持ちを胸にしまい込む傾向にありますね~。アニメなら口に出していた気持ちを胸の中だけに留めておくんです。スザナはアニメより勝気な感じにその表情が描かれています。アーチーのキャンディに対する執着も少し濃く描かれています。

 キスシーン(キャッ)なんですけど、アニメはサマースクールの終りの頃の出来事だったのが、漫画だとメイフェスの時だったんですね。それも例の平手打ちの後にはそのままテリィはアンソニーを忘れさせるべくキャンディを馬に乗せた。なんて濃いメイフェスの1日だったんだ・・・。

 アニメ、漫画共にとても好きなシーンが、テリィの劇団がシカゴで1晩だけの公演を終え、すれ違いで会えないまま絶望の表情で汽車に乗り込んだテリィの視界に白衣のキャンディが映るシーンです。アニメも実写を思わせるようにとても素晴らしく描かれていたけれど、漫画のテリィの絶望→驚き→凝視→2人の喜び・・の繊細な表情の移り変わりは見事です。白黒で描かれた漫画の世界がどうしてここまで豊かな表情を生み出すのだろうと感嘆。これも作画家さんの画力ゆえ、アニメにはここまでの柔らかみと生命感はこれから先も出ないんじゃないかと思います。

 あとはアニメに無かったシーンで忘れられないのがやはり、ロックスタウンでの落ちぶれたテリィ・・・。キャンディが信じられない気持ちで舞台を見つめていると、変わり果てたテリィが登場します。漫画ではページを捲るとそのテリィの姿が現れるようになっていて、思わずその姿に目が釘付けになってしまいました。キャンディの記憶の中のテリィがとてもハンサムで美しく描かれているのがまた落ちぶれてしまったテリィと対照的です。その後、そこを黙って立ちさるキャンディもブロ-ドウェイに帰ろうと決心するテリィも痛々しくて・・・。「このままではキャンディもスザナも不幸にしている」って、NYに帰るけど、ああ・・やっぱりキャンディの幸せのためにスザナを幸せにしなきゃと思ったんですね、テリィは・・・と改めて確認しました。

 ここで少しスザナ論です。アニメ・漫画とも同じように描かれていたんですが昔から納得できずにいる1シーンがあります。ヤコブ病院でスザナがキャンディの手をとりあなた達の邪魔はしたくなかったけどやっぱりテリィなくては生きていけないのよと告げるシーンです。そもそもなんで病室にキャンディを呼んだんだ?命を助けてくれたお礼とか言うんじゃないの??「いいえ、言わせて!私も彼を愛しているけど今回の事で目が覚めたわ、テリィはあなたと一緒になるべきなのよ!」なんて言葉が続くのを期待して読んでいたら「あれれ?!とんだ方向転換」と、30年間最も納得できないシーン。

 片足を失ったばかりだから仕方ないのか?多分そう、仕方ない部分もある。でも、その後何年も縛り付けていたとなると、やはり↓↓↓弱すぎるといわざるおえないでしょう・・・。

 FSで、アニーの手紙が登場しますよね。スザナをかなり批判しています。そしてスザナの手紙の冷たい存在感・・・原作者さんもスザナという女性の甘さ、弱さをFSで露呈させたんだと思います。

 もし、自分が遠距離恋愛中に手紙を盗まれる等邪魔されたら本当は相手の顔も見たくありませんよ、キャンディは本当に優しい・・・。

 漫画で人の目を盗んでこっそり泣いているキャンディが3度も描かれていて胸が潰れそうになります。「水仙・・・」での幸せな2人に改めて祝福を送りたいです。
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はじめまして☆ (ひかる)
2012-04-10 22:30:31
ブログ主様、はじめまして。
私はひかると申します。
私の大好きなキャンディキャンディに「finalstory」などの小説が出ていたことを、最近知りました。
そして、ネットでいろいろ検索しているうちに、
こちらの二次小説に辿りついたのです。
気が付けば、何時間もパソコンの画面に釘づけになたまま、ブログ主様の記事を読んでいたました。

今回はスザナについて反響がたくさんありますね。
私は高校生の時に本編を読み返した時、スザナという女性はなんて悲しい生き方をする女性なのだろう・・と哀れに思いました。
右足を切断してからは特に、好きとか嫌いというよりは、存在が痛々しいという感じで・・><

数か月前、偶然立ち寄っ書店で見掛けたFS下巻。
思わず立ち読みしてしまい、心の準備もできぬまま知ってしまった”スザナ・マーロウの死”
スザナは生きていて、心の底から幸せだったのだろうかと、悲しくなりました。
そしてまたキャンディにハマりました(笑)

今回の”最後の手紙”スザナらしい表現をなされているなと感心致しました。
そして、スザナはこの手紙の中でも、しっかり自分という名の人生の主人公を演じている。
瞼を閉じればそれはまるで舞台の様で、スポットライトが当てられた彼女が、美しく、優雅に、薄暗い客席に1人佇むキャンディを相手に独白しているじゃありませんか。
なんとドラマチックな手紙でしょう。
”指をバチンと”の件では、キャンディだけではなく愛の欠片を与えてくれたテリュースさえも侮辱しているような印象を受けました。
そういうところに、スザナの哀しい人生を感じるのです。
読者がスザナをどう捉えるかは、本当に”あのひと”をどう解釈するかと同じくらい考えを巡らせますね。同感です!

それにしても、出会ったばかりのこちらのサイト。
小説はあと残すところ4回ですって?!
楽しみにしておりますが、残念な気持ちもします。

はじめてのコメントなのに、長々とすみません ^^;









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ちいちゃん様 (ブログ主)
2012-04-03 23:24:02
>私は30年前にテリィとキャンディの別れから漫画本を読みませんでした。

それはちいちゃん様…すごいです。本当に悲しかったんですねぇ。そんな想いにブログ主は感動してしまいました

>でもFSとこの素晴らしいフィクションのおかげで、救われました。

本当によかったです。求めよ!さらば与えられん!
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なつみ様 (ブログ主)
2012-04-03 23:15:49
コメントありがとうございます。

なつみ様が持っていたスザナ像やこうあってほしかったという気持ちは、多くの日本のキャンディファン(特にテリィとキャンディのハッピーエンドを切望していたファンですね)が持っていたものに近いんだと思います…たぶん…。

先にも書きましたが、ブログ主が思うのは、スザナという人間の複雑さに読者もキャンディもテリィも振り回されてきたんだなぁということですね。

他の読者の方も、必要であればこのコメント欄にスザナに対する思いを残していっていただいても構いません。この際、長年のモヤモヤをすっきりさせて下さいませ
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プログ主様に感謝! (ちいちゃん)
2012-04-03 23:06:27
プログ主様、こんばんは!
今回はファン一人一人が、いろんな感想を持ったと思います。
みんな誰にも負けない位にキャンディキャンディを大切にしてますから。
私は30年前にテリィとキャンディの別れから漫画本を読みませんでした。
でもFSとこの素晴らしいフィクションのおかげで、救われました。
プログ主様が苦労して翻訳してくださるおかげです。
とても感謝しています。
お仕事が忙しくなり大変だと思いますが、楽しみにしています。どうかお体に気をつけて頑張って下さい。
あと3回とは寂しいですが、大切に読ませて頂きます。
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複雑ですね (なつみ)
2012-04-03 22:15:46
最初に、テリィから、スザナは利己的な人間だった、と告白があったときに、漫画や原作では、スザナはそこまで酷い人ではなかったのでは?と思っていました。

漫画でスザナから告白されたとき、テリィは「君のことは決して嫌いじゃない。でも(俺はキャンディが、、)」と、独白していたと思うので。

私は、スザナが死ぬなんて都合よすぎるから、理想としては、プライドの高いスザナが、ハンディキャップを受容したころに、いつまでも他の人を思っている人なんて、こっちから願い下げよ、と解放してくれないかとずっと思っていました。
でもFSで、スザナが死に。
FSのスザナの手紙は、ちょっと演技っぽくも感じましたし、ずるい?とも思いました。

もともと、責任とって結婚する、という考え自体、日本的?なんでしょうか。

本当に愛していたのなら、2人が離れていても愛し合っているであろうことをしりつつ、繋ぎ止めていられるだろうか。
やっぱり我が儘で利己的と言わざるを得ないのか。

手紙は、懺悔の手紙であってほしかったですね。

いままでごめんなさい。

あなたにお返しします。

テリィを幸せにしてあげてください。と。

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もう一回補足です (ブログ主)
2012-04-03 19:01:30
読者の方から、まだモヤモヤが残っているといういくつかフィードバックをいただきました。

おそらく実際にいただいたフィードバックの向こう側には、もっと多くの読者様のモヤモヤがまだ残っているのではないかと思い、もう一度コメント欄に補足を残しておくことにしました。

皆さんがモヤモヤした気持ちになるのは、それは当然だとブログ主は思っています。キャンディキャンディは、30年という長い年月に渡ってファンに大切にされてきた物語ですからね。そして、この「水仙…」を楽しみに読んでいただいているのも、その思いがあるからですし、この物語が原作を大切に書かれているからこそ、評価して頂けているのだろうと思っています。

だから、あまりに西洋的な行動や思想が入り込んでいる描写に対して「???」「それは違う!」という反応が起きるのも当然のことだと思います。

ブログ主も、この「水仙…」は素晴らしいファンフィクだと思っていますし、ジョセフィンに大きな賛辞を送っていますが、たまに「これは…うーん」となって、翻訳の手が止まってしまう時が実際にあるのは確かです。まぁそんな時はジョセフィンに敬意を表しつつ、出来る時は意味を変えずにマイルドな言葉に翻訳して「えいっ」と更新するわけです。

そして、スザナの扱いはこれはもう本当に難しいですよね。あのひとの解釈の次くらいに見解が分かれる部分だと思います。

ジョセフィンのスザナに関する考えは一貫していて、テリィやロバートハサウェイやその奥さんなどの登場人物の視点を通して機会あるごと表現されています。そして今回スザナからの手紙が登場し、その後ミセス・オマリーがキャンディに生活の実態を聞かせるという展開となりました。

ブログ主がこのファンフィクを訳そうと思い立った経緯は、物語が素晴らしということもあったのですが、西洋人が登場人物たちを表現する時に生じるちょっとした違和感に面白さを感じたというのもあります。

実際、このファンフィクでのスザナの扱いに関しては、海外フォーラムの読者の中には戸惑いの声は一切なく、「よく言ってくれた、よく書いてくれた」という評価がほとんどだったのです。

日本人ではなかなか思いつかない、もしくは書けないキャンディの物語を、日本のキャンディキャンディファン方々にもシェアしたいと思ったのですね。

ですので、ぜひリラックスして、このお話をあともう少し楽しんでいただけたら嬉しく思います。

あと3回で終わりです。

3月中に終わらせる予定だったのが少し伸びてしまいました。

4月に入って少し忙しくなってきたので、最後は少しゆっくりめの更新になるかもしれません。

どうぞ楽しみにお待ちください。
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ほのかママ様 (ブログ主)
2012-03-31 23:44:26
いつもコメントありがとうございます。

確かにスザナのお父さんの存在がないですよね、病院では確かお母さんとロバート・ハサウェイとテリィが手術を見守っていたような…。

ところで、スザナがキャンディの手紙を隠し持っていた設定に関して、FSと若干違う点があるので、そちらも一応補足しておきますね。

スザナがキャンディの手紙を盗んでいたという設定は同じなのですが、FSでは10年前にキャンディがNYに行った時にはその事実が既に判明していることになっています。

キャンディは、ホテルで追い返されたり、手紙を隠されたことの文句を言ってやろうと思って病院へ向かったとFSには書いてあるので…。

この部分は、FSがファンの手で仲間内で英語やスペイン語に訳された段階で表現が曖昧になっていたらしく、正確な情報が伝わっていなかったようです。

FSとの整合性の点で気になった方へのお知らせでした。
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Unknown (ほのかママ)
2012-03-31 22:36:57
一気に読ませていただきました。
私もスザナは、父親はいないと思いました。
怪我をして足を切断しなければならないとなったときに、もし父親がいれば、たとえどこか遠くに仕事で行っていたとしても、娘の生命にかかわるような事態ならすぐさま戻ってきて、娘が庇ったテリィを母親以上に非難するはずだと思ったからです。マーロー婦人は、今で言う、ステージママ?的な母親だったのではないでしょうか。100年ほど前の当時では現代のようなステージママがいたかは分かりませんが・・・。

スザナの性格などについて、日本と西洋との正確の捉え方は確かに文化の違いもなり、違うというのは解りますね。

それにしても、キャンディの手紙を隠し持っていたとは・・・。でも、捨てずに開封して読みもせずに持っていたのはどうしてでしょうか。それが気になります。やはり、罪の意識から、いつかは返そうと思っていたんでしょうかね?
それとも中身を読むのが怖かったのかしら?

スザナの行為を許せない気持ちと、何をどうやっても報われないスザナの愛を考えると,
女性としては少し同情の気持ちもあったりと、複雑な思いです。
「私の美貌と情熱があれば。。」というのは、テリィには全く通用しなかったですね・・。
テリィにとってはキャンディしかいませんからね。
何はともあれ、キャンディとテリィが再び出会い、結ばれたことはホントにうれしいです。それが救われますね。
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もも様 (ブログ主)
2012-03-31 22:18:45
理由はブログ主にもよくわからなのですけれど、もも様の言うように、スザナの母がテリィに詰め寄るイメージが大きすぎて、父親の存在が感じられないということがあるのかもしれませんね。

それから、例えばタイタニック(いつも例に出して恐縮です…同じ時代の設定なものですからつい…)では、良家の子女であるローズが、貧乏青年のジャックに「あなたみたいに自由になれたらわたしも女優やダンサーになりたい」と語るシーンがありますが、当時の時代背景として、裕福な家庭の女子が女優をやるイメージが西洋の読者には持ちにくいのかもしれません…単なる憶測にすぎませんが…。
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Unknown (もも)
2012-03-31 18:22:31
コメント連投してすみません…

母子家庭…私も不思議だったんです。

確か「テリュース、マーロウ家に住み着く」って見出しで新聞ありましたよね?大きなお屋敷の庭でお茶してるところを隠し撮りしたようなのが載ってるのが…

なので、“父親が実業家か何かをしている裕福な家庭のお嬢様”だとずっと思ってました。

父親が登場しないのと、スザナ母の「娘の面倒一生見ろ」=「頼れるはずの父親不在」というイメージになったんでしょうか…?
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もも様 (ブログ主)
2012-03-31 17:25:03
はい、かなり深い話になってきましたが、このファンフィクのスザナに対する厳しい視点に少し嫌な思いをしている読者様がいるかもしれないので、背景を説明させてもらいました。

日本人の優しい視点というのもそれはそれでとても素敵な部分であるとも思うのです。どの文化にも素晴らしい部分があるけれど、行き過ぎた個人主義や行き過ぎた甘えは時にゆがみを生じさせますね。
この場合のスザナは行き過ぎた甘えだと思います。

それから、一応キャンディキャンディはそもそもの舞台がキリスト教修道女が運営する孤児院で、キャンディ自身が道徳の見本のようなキャラなので、海外のファンはそのイメージで物語を読んでいるというのがあると思います。

長々とした説明にお付き合いいただいて、ありがとうございました。

ところで…海外のファンフィクで共通しているのが、マーロウ母娘がなぜかたいてい母子家庭の描写なのです。確かにマンガには父親の姿は出てこなかったけど…父親はいるものだとブログ主は思っていたのですよ。でも姿が出てこない=いないという解釈をほとんどの海外ファンが持っているのは面白いなと感じました。
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Unknown (もも)
2012-03-31 16:07:00
なかなか難しい話になってまいりましたが、「うんうんそうだよね」と納得しながら読んでおります。

親による子供の自立の妨げや、「自己責任」というものを全く無視している子育て…日本ではよ~く見る光景です。そう考えるとスザナの母親ってとっても日本人ぽいですよね。西洋の思想を土台としてる人達からは受け入れらるはずないんだなと納得できました。スザナにも手厳しいけれど、スザナ母にはさらに手厳しいのかもしれませんね。
ブログ主様、興味深いお話がいろいろと聞けてとても面白かったです。
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てぃえんてぃえん様 (ブログ主)
2012-03-31 13:29:53
そうですね、西洋における慈善精神にとても通じる部分だと思います。

ブログ主の周りにも、養子を育てている家庭がありましたが、持てる者は持たざる者に与えることが義務であり、そのような行為を通して自尊心が育まれると考えられています。

弱者は与えられた機会を最大限に利用して独立し、今度は与える側に育っていくことが理想として考えられている。

自分の境遇や不遇を言い訳に他者を犠牲にすることは究極的に最悪の行為だと捉えられている社会ですね。

日本人はその点もう少し緩い(優しい)視点を持っていると思いますが、甘やかしすぎて自立を促してあげられらないという部分もありますね。

どちらにせよ、バランスが大切なのでしょう。
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結論 (てぃえんてぃえん)
2012-03-31 12:45:13
 ブログ主様のスザナ論補足の前にコメントしてしまい内容に時差が出てしまいました。

 西洋的(キリスト教的)精神によるスザナの見解、凄く納得です。自尊心自立心が求められる社会では例え片足を失うような自己犠牲があったとしても、甘えは許されないのですね。

 それって、孤児を引き取って育てたりを心から喜んでするようなことと繋がるのでしょうね・・・なんて、話が反れましたが、日本人が見習うべき点かもしれません。

 そんな中ではスザナの行為が悪とされるのは自然だと思いました。
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てぃえんてぃえん様 (ブログ主)
2012-03-31 12:43:10
>若くかわいらしい様子からこれは善か悪か・・・と迷いますが、年増女が同じ事をしたら魔女扱いされるでしょう・・・

笑笑笑
難しい解釈をいろいろこねくり回してみても、この一文に真理が表されてしまいましたよ!!すごいです、てぃえんてぃえん様
返信する
Unknown (てぃえんてぃえん)
2012-03-31 12:17:25
そうそう、確かに>その封筒の周りだけはひんやりしている・・・とありましたね。ブログ主様の>スザナという存在そのものの温度感を表現している、という表現、ぴったりだと思います。
 
 スザナは良くも悪くもこの話の中でものすごく人間くささを放った人なのかもしれませんね。心の葛藤をあからさまに表現してしまう。若くかわいらしい様子からこれは善か悪か・・・と迷いますが、年増女が同じ事をしたら魔女扱いされるでしょう・・・。

 ほんとに、女優さんなのでどこまでが演技なのでしょうか・・・私も振り回されて30年、ここで結論が出そうです。
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スザナ論補足 (ブログ主)
2012-03-31 11:47:25
もも様

>ここまで振り幅のあるスザナという人の胸の内の著し方が秀逸で、素晴らしいです。

同感です。生活の中で、作者自身が常日頃からよりよい生き方とは何か…を考えているからこそここまで思い切って書けたのだと思います。

---------
前のコメントのスザナ論に少し補足します

いつもコメントを下さる皆さんも困惑してしまった今回のスザナの告白ですが、やはり作者が西洋人ということで、西洋的(キリスト教的)精神が盛り込まれていると思うのですね。

日本の読者にはわりとすんなりと受け入れられていたテリィがスザナを選んだ気持ちの過程は、西洋の読者にはほとんど病的な自己犠牲に映っていたようにブログ主は海外ファンのいろいろな意見を見ていて感じるようになりました。

スザナが自分を犠牲にしてテリィを助けたのは素晴らしい行為だけれども、その自己犠牲を盾にテリィに犠牲を強いることは、人の道(神の道)に反するということです。

スザナは確かに足を失った…けれどそれを理由にテリィを繋ぎ止めておくことは、自立心の欠如、弱さの表れということになるのですね。そして、そういう人がいることで、周囲の人間も巻き込まれ不幸の連鎖が起きるのだと。

日本人よりも自立心や自尊心の確立を小さい頃から意識の中に叩き込まれて育つ西洋人ならでは視点というか…。

足を失い、女優人生を失った弱者であるスザナでも、自分の良心に従えば、テリィを自由にすることが最善の行為だと知っていたはずであり、それをしなかったのはやはり利己的な精神ゆえだということですね。

キャンディとテリィが常に自分の良心に従って最善のことをしようとしている二人ですから、それだけスザナは悪者になってしまうのです。

このファンフィクでのスザナの扱いに納得がいかない方もいるかもれませんが、一つの解釈・視点として受け止めていただけたら幸いです。
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Unknown (もも)
2012-03-31 01:58:11
>その封筒の周りだけはひんやりしている…

あぁ、そういえば…と思い出しました。思い出させていただき感謝です。

今回のスザナの手紙は、思わず唸ってしまう程納得してしまいました。ここまで振り幅のあるスザナという人の胸の内の著し方が秀逸で、素晴らしいです。

「愛情の欠片」この言葉が一番胸に悲しく響きました…

でも、同僚達の「なんでグレアムのような男を好きになる?」の所は思わず笑いました。周りにいる人間から見れば魔可不思議…いえ劇団の七不思議に入ってても不思議じゃないかも…


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みなさまコメントありがとうございます (ブログ主)
2012-03-31 00:22:57
もも様、ちいちゃん様、ほみかお様、ナオ様
いつも大切に読んでいただいて、コメントを残していただいてありがとうございます。

今回は、みなさん混乱したり複雑な心境になったり困惑したりしたみたいですね。
ブログ主が思うのは、それこそがスザナという人なのではないか、ということです。

良い人なのか悪い人なのか分からない、利他的な人なのか利己的な人なのか分からない…
読者だけでなく、キャンディもテリィもそんなスザナに振り回されて、10年という年月を犠牲にしてしまったのですよ。

結局スザナは良い人ではなかったとブログ主は思っているので、ジョセフィンの解釈には共感してます。
テリィは一緒に暮らしてそのことに早く気付いた、キャンディはスザナが死んでから知った…長かったですね。

>キャンディも「誰かを好きになると綺麗な気持ちのままではいられない」みたいなことを書いてるし

キャンディはそう言ってますが、そう思っても人を不幸にするような行動には絶対に移さないキャンディと、移してしまうスザナには、天と地ほどの差がありますね。

原作者さんのスザナ像は、この一文で知ることができるのではないかとブログ主は思います
「宝石箱の中でその封筒の周りだけはひんやりとしている」

スザナが死んでしまったことを象徴するだけでなく、スザナという存在そのものの温度感を表現しているのではないでしょうか。

ブログ主のスザナ論でした
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複雑すぎて (ナオ)
2012-03-30 21:12:38
ブログ主様更新ありがとうございます。
スザナからの手紙・・・手紙を盗んだ事は悪い事だと認め謝罪していますが、二人を引き裂いた事には謝罪をしている様には思えません。『あなたはただ指をパチンと・・・』あなたも悪いのよ って事??
恵みの事故って何? テリィが手紙を読むかも知れないとは思わなかったの? 本当に愛してたの?
スザナの複雑な性格は理解に苦しみます
スザナから開放されたテリィ、キャンデイとう~んと幸せになってほしいです。
次回も楽しみに待っております。 
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何ともいえない… (ほみかお)
2012-03-30 19:05:19
手紙だったのですね。
テリィ宛の手紙を盗ってたなんて…!! 私も腹が立ちました。でもキャンディは腹を立てながらも そういう状況にしたのは自分だと…キャンディらしいですね。素晴らしい心の持ち主だと思います。
スザナは謝りたかったんでしょうか。自分の我が儘ゆえに2人を傷つけ苦しめた事を…。
キャンディが号泣したのも解るし、オマリー夫人が色々話す事に相づちをうてず複雑な気持ちになるのも、うなづける。
私も何とも言えません。
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テリィが可哀相 (ちいちゃん)
2012-03-30 18:30:13
プログ主様、こんにちは! 更新ありがとうございます。今回は何と言っていいのか落ち込んでしまいました。
キャンディもテリィも別れた後、ボロボロになりました。でもキャンディにはアルバートさん達がいたからなんとか仕事も出来ました。一方テリィはキャンディを失って魂の抜け殻になって仕事も失います。
あの時テリィにとってどんなにキャンディが必要だったのか考えると辛いです。スザナの手紙を読んで、テリィがどんな思いで彼女と暮らしていたのかがわかって、キャンディはテリィを置いてきた事を後悔してますね。彼を救いに行かなかった事も。
でもテリィはスザナに責任を果してキャンディの所に戻って来たんです。二人で過去を乗り越えて、未来に生きてほしいです。
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Unknown (もも)
2012-03-30 14:26:40
更新ありがとうございます。

哀しい…スザナの手紙、壮絶でした。
「あなたはただの一度も現れなかった」って…「お前が言うな!」と思いつつキャンディとテリィが可哀想すぎる…

私の中でもスザナの立ち位置はいまいち決まらないんです。“性格の良い人”ではないにしろ、性悪な人、哀れな人、一途な人…いったいどれなんだろうって…全部当てはまるとも言えますが。 やはり女優ならではなんでしょうか。

漫画やFSでテリィが「幸せにしなければ」と思い最後まで療養生活を支えたからには、そんなに性格悪くなかったのかぁと考えたり…

その一方で、FSの中のスザナからの手紙は「本当に素直な気持ちで書いてる?」みたいに思ってしまう意地悪い自分がいるんです。
キャンディも「誰かを好きになると綺麗な気持ちのままではいられない」みたいなことを書いてるし、「ということは“シカゴ公演で嘘ついた”“手紙隠した”の他にも本当はもっとやらかしてたのでは?」などと、どんどん意地悪目線になってしまう…

人によって意見が分かれるのでしょうが、やはり「嫌な女」という意見が多いのでしょうか?
ブログ主様、その他の皆様方はどう思われてますか?
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てぃえんてぃえん様 (ブログ主)
2012-03-30 09:36:48
いつもコメントありがとうございます

スザナのことをキャンディはまだ理解できていないようにブログ主は思います。今は混乱の中にいるキャンディなのであります…というか、そんな身勝手な思いは理解したくない…という感じでしょうか。

ブログ主は、このファンフィクのスザナのことを突き放して解釈している視点が実はとても好きです。いろいろ言い訳をしてみたところで、結局は自分勝手な女の人だったわけで…。

FSでもスザナの扱いはだいぶ変わって、原作者さんとしてもスザナを突き放していたように感じました。

それが正解だとブログ主も思うのでありました。

この辺は、ファンの間でもいろいろ感じ方が違うかもしれませんね。
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今回も楽しく読ませていただきました。 (てぃえんてぃえん)
2012-03-30 01:37:01
包みの中身はピストルか?!と思った後、思い直してテリィに宛てたキャンディからの手紙かと予想していました。あったり~(笑)
 
 キャンディが手紙を読み終えて号泣しているところ、私まで号泣してしまいました。スザナの女心がきっと優しいキャンディには理解できるはずだけど、すんなり理解するには愛するテリィが払った犠牲があまりに大きくて、そうさせてしまった過去の自分が歯がゆくて・・・。辛いですね。

 スザナが死を目の前にして何故この様な手紙を残したのか、懺悔なのでしょうか。それとも死してもプライドを保ちたかったのでしょうか・・・。次回にわかるかな。
 
 それにしても、ジョゼフィンさんは見事に人物を捕らえてますね。スザナの手紙を読んでいる間、これがファンフィクだと言うことを完全に忘れてしまいました。ズザナならこんな手紙を書きそうです。

 次回も楽しみにしていますと共に最終回が近づくのが悲しいです。
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