ルルの日記調に書いて状況説明したルルお誕生日話です。
なりきりチックにもなっているので、嫌な方はスルーしてやってください。
ナナリーが今日一日俺に起きたことが知りたいと言っていたから、簡単だがメモもかねて日記にも書いておこうと思う。
こういうことは書いておきたくないが、ナナリーの願いなんだから、仕方がない。
始めは嫌だと思っていたが、全体を通すととても祝福されて素敵な日だったとは思う。
今日は朝早くスザクが家に迎えに来たと思うと、突然世界でも有名な巨大テーマパークに行こうと誘われた。
確かに今日は平日だが学校の都合で休みになっているから誘うのは問題がない。
けれど、当日は流石に止めてくれないだろうか。
それでも人の話を聞かないのがスザクだ。
仕方無しに俺が折れるしかないのだ。
誘われた場所は、場所は千葉にあるはずなのになぜか固有名称が東京ディ○ニーランドだ。
テーマパークの名前や駅の名前、アトラクションの名前を書くと版権問題などのこともあるから、少し気になるところは○を入れて書いておこうと思う。
さて、遊びに行くのには事前から綿密に計画をたてたいところだが、スザクと言う人物は昔からそういうことをまったくしない。
そのためスザクの突飛な行動はいつものことだと理解出来るが、男同士で遊園地に出かけるのもどうかと思うところである。
しかしそのことを伝えてもスザクはまったく気にした様子がなく俺に大馬鹿なありえない一言を言ってくれた。
「女装していけば良いじゃないか」と。
その後にも、「似合うから大丈夫」、「君の女装は世界一だよ」など、まったくフォローにさえなっていない褒め言葉の数々を俺に突きつけてくる。
枢木スザクとの関係は一応世間一般的な言葉で言うと「幼馴染』でそして『恋人』だ。
けれど、この発言の数々を言われて恋人をやめてやろうかと俺は心底思った。
怒りに震えた手でスザクを殴りつけてやろうかと思っていた矢先、俺の世界で一番愛する弟と妹が可愛らしい足音を立てて玄関にやってくるじゃないか!
弟のロロに、妹のナナリーは目に入れても痛くないほどに愛している弟と妹だ。
二人もきっと俺の味方になってくれるだろう期待して、微笑みかければそうはいかなかった。
けれど陰から一部始終をこっそり見ていたらしいロロたちは、仲良く手を繋いで俺の傍に来ると、女装の手伝いをすると笑顔で申し出てくれたのだ。
愛らしい笑顔を向けられてそう言われれば、断れる兄がいるだろうか。
世界中を探してもきっといないだろう。
あまりに輝かしい可愛い笑顔だったために、その眩しさにクラクラしてしまったところだ。
さて、スザクは俺と幼馴染だが、それはロロとナナリーに関しても言えることだ。
ロロたちも昔からスザクを兄のように慕い、俺とスザクが付き合い始めた頃もとても祝福してくれた。
そのため、俺とスザクのデートにもとても協力的なんだろう、きっと。
女装なんて死んでも嫌だったが、心優しい世界一可愛い弟たちの協力を断るわけにもいかない。
そのため心はスザクへの恨み言を唱えながらも、表面上はロロたちに有難うと満面の笑みで返すしかなかった。
そして出かけることになり、見事にロロとナナリーの手に寄って女装させられてしまったが、服装の表記はやめておく。
ナナリーは俺が着ている服をちゃんと見ていたし、俺も自分の着ていた服を思い出したくもない。
それにしても、どうしてスザクは用意周到に女物の服を持ってきていたんだ。
あいつは始めから俺に女装させるつもりだったのか?
男に女装をさせてどうするんだ?
本当にあいつの考えていることは理解不可能だ。
電車に揺られること一時間。
無事に舞○駅に到着した。
電車の中でスザクにいかがわしい嫌なことをされかかったが、思い出したくもないし、移動中のことは省略しても問題ないだろうから、そこは省略しておく。
駅から少し歩いてディ○ニーランドの入り口に来ると、フリーパスを買って入園する。
いくらスザクに誘われて連れてこられたとは言え、フリーパスは自分で買うのが当たり前だと思っていたが、スザクがパス代を出してくれた。
パス代を払うと言う俺に、スザクは頑なにいらないとだけ返してパス代を受け取らない。
何でも、今日はおめでたい日だから奢ると、告げられた。
だからそのお祝いだとも。
この時俺は特に意識することなく、ただ頷くだけだった。
スザクのおめでたい日だから俺を誘ってここで遊びたかったのかと。
スザクはいつも突然おかしなことをすることもあるから、自分のおめでたいことに俺を連れまわしても今に決まったことじゃない。
スザクが頑固なのはいつものことだから、きっとパス代は受け取らないだろうと仕方なしに俺から折れてやった。
ずっと寒い中入り口あたりで動かないのも寒くて仕方ないからだ。
電車でパス代分は別の何かで返そうと決めて、俺はため息混じりにスザクの手を引くと地図を片手に園内を回ることにした。
乗った乗り物に関しては、すべて書いても良いが長くなりそうなため、流石にナナリーが読むのも大変だろうと思うから、主なものだけを書いておこう。
もしナナリーが改めて聞いてくれたら答えられるものは答えようと思う。
一番初めに向かった先はスペー○マウンテン。
スザクが一番に行きたいと言ったところだ。
平日のためにそれほど並ぶことなくすぐに入ることが出来た。
以前、日曜日にここに来た時は2時間待ちなどは当たり前だったから、休日と平日の違いをまざまざと見せ付けられたようだった。
まあそれでもすぐに乗れたことを素直に喜ぶべきだろう。
初めはそう思っていたが、感謝するべきではなかった。
今回初めてスペー○マウンテンに乗ったのだが、あれは乗り物と呼ぶべきものではない。
あれは絶叫マシーンなどのそんな遊ぶための乗り物の代名詞は似合わない。
暗闇であんなに早いスピードで走る乗り物なんて、事故にあったらどうするんだ!
あれはもうすでに乗り物ではなく凶器だと俺は思っている。
いや、だからと言って、凶器と言っていても別にスペー○マウンテンが怖いと言うわけではない。
ただの乗り物なのだからな。
けれどものロロやナナリーたちのためにあれは凶器だから乗るなと教えないといけないのだ。
あくまでも兄としての主観で、別に怖かったとけして思っていない。
確かに降りた直後は早さなどに平衡感覚がなくなり倒れかけた。
それでも怖がっていたわけでもない。
スザクが俺に、涙目になっている、可愛いとしつこいほど連呼していたが、怖くて涙目になどなっていない。
けしてなっていない。
だが、スザク!!
嘘の発言はまだ許してやるが、ふらふらする俺を姫抱っこで外で連れて行くとはどういうことだ!!
確かに少し歩くのに不自由していたが、肩を貸すくらいで良いだろう!
可愛い可愛い連呼して、外に姫抱っこで連れ出された俺はみんなににやにやされて見られていたんだぞ!
人前でくらいは恥じらいを持て!!!
はっ、つい日記でも我を忘れかけてしまったが、とりあえずスペー○マウンテンにはロロやナナリーを乗せないようにしよう。
次はバ○・ライトイヤーの○ストロブラスターだ。
これは乗り物に乗りながら標的を光線銃で撃っていくガンシューティングのようなものだ。
以前ディズ○ーランドに来た時に、バ○に乗る時があるかもしれないと標的の各点数がいくつか下調べはしていた。
乗り物もそんなに速く動かないし、シューティングは体力をそんなに使うものではない。
ロロが喜びそうな宇宙空間を漂うような不思議な空間なためにその楽しさから撃ちそこねそうになるかもしれないが、俺にそれはない。
ナナリーが嬉しがりそうな標的は可愛いものもあるために、それに密かに胸をほんの少しだけときめかせてうっかり撃ちそこねそうな雰囲気だが、もちろんそれもない。
…スザクには俺の様子を見て、ニヤニヤ笑いながら言いたそうだったが、それは見ないふりをした。
どうせ俺が可愛いとか可愛いとか可愛いとか、あいつはそんなどうしようもない馬鹿なことばかり考えているんだ。
ちなみに、○ズは以前もかなり良い点数を稼げたから、今回もそれなりいってスザクにだって勝てるはず、だった。
スザクへの○ペースマウンテンでの屈辱を返せるはずだった。
スザクは俺にひれ伏すはずだったんだ!
見てスザク、俺の勝ちだ!、と言えるはずだったのに。
それなのに、バ○が終わった後のスザクの点数は俺を抜き、さらにMAXの点数にまでなっていたのだ。
こいつには常識と言うものがないのか!?
スザクも○ズは初めてと言っていたのに…。
そうだ、こいつに常識は通じないんだった。
聞くところによると、スザクはすべての標的を撃ったあげくに点数が高そうなのを直感的に判断して繰り返しそれを撃っていたらしい。
これが、天然の力なのか!?
天然、恐るべし…。
夕食はハート型のハンバーグが出ると言うレストランに連れていかれた。
スザクがレストラン前でエスコートしたいと言い出して、うやうやしく膝をつきそうになったために、慌てて頭に手刀を入れて止めたために事なきを得た。
いくら夕飯=ディナーと言う図式が頭に浮かんだとしても、これはないだろう…。
二人きりの時は構わないが、外でそういう雰囲気は困る…。
恥ずかしくて赤くなった顔をスザクは外なのにどう責任を取ってくれるんだ。
そして二人で入り、ウェイトレスに中に案内されて席につく。
俺が席につくと、すぐ隣に座れるタイプの席があればスザクは必ず隣に座るから、今回もちゃっかり隣に座ってきて、腰にまで手を回してくる始末だ。
いくら角の席で周りからは見づらいとは言え、どこのバカップルだ。
スザクがごねるから仕方なくいちゃつくのを許しているだけで、俺は家の中ならともかくけして外でやりたいわけじゃない。
席につくとメニューをスザクが取り、開くから反射的にいつもの癖でつい二人で見てしまう。
いつだってスザクはメニューは二つあっても仲良く二人で見たいと言うんだ。
だから仕方なく二人で両側から見ることにな本当にどこのバカップルだ。
注文を終えてしばらくスザクと他愛ない話をして相づちをうっているとしばらくして頼んだものがやってくる。俺のメニューは、スザクが勝手に頼んだハート型のハンバーグの上に同じくハート型のチーズが乗せてあるものとライス、コーンスープにサラダ。
ハンバーグはなくても充分足りる量だったが、スザクが食べろ食べろと言うからしょうがない。
だが肉を食べない俺に、だから痩せすぎだなんて言うのは余計なお世話だ!
確かにシャーリーよりも腰が細いと、嫌がらせに俺の腰を計った会長にも言われたが、別に俺は通常だ。
話がずれたが、スザクは俺と同じメニューにホールケーキを頼んだ。
流石にワンホールのケーキを一人で食べるのは、スザクでも食べ過ぎじゃないだろうか。
そう思って注意をしてもスザクは特別な日だからと優しげに笑うばかりだ。
デザートは食後にと言うことで、ひとまず運ばれてきたハンバーグを真っ二つにフォークで切っているとスザクが涙目で、酷い!と、言い出した。
僕たちの愛を真っ二つにするなんて!と、訳のわからないことを言うから容赦なく細切れりにしてやった。
ハンバーグが俺たちの愛なはずがないし、愛だったとしてもフォークで切れるはずがないだろう。
フォークで切れてしまうくらいに俺の想いが弱いはずがないだろ、馬鹿が!!
その後ハンバーグなども食べ終わり、一息をついているとケーキが運ばれてくる。
生クリームのケーキはホイップクリームや苺にキウイなどカラフルな果物で飾られていて、19本のロウソクと、チョコレートのプレートに誕生日おめでとうと言うメッセージが書いて乗せてあった。
この時、ケーキを目にした俺は何が起きたのかよくわからずに、呆けるしかなかった。
忙しさにかまけてケーキが出てくるまで俺はこの日が自分の誕生日だと言うことをすっかり忘れていたからだ。スザクは俺の様子にくすくすと笑い、やっぱりねと、俺を見つめたまま言葉をこぼす。
スザクは俺が自分の誕生日をすっかり忘れていることを理解していたそうだ。
そのためにスザクは俺を祝おうと計画し、ナナリーとロロにも協力を頼んで俺を○ィズニーランドに連れてきたと言うのだ。
不覚にも目頭が熱くなってしまったが、それは秘密だ。
スザクにはばれてしまっているかもしれないが、絶対に秘密にしたい。
そうして誕生日ケーキのロウソクを消し、スザクのハッピーバースデーの歌と拍手に祝われて。
普段なら公共の場での歌は許さないが、この日は特別だからスザクの歌は許してやった。
俺は自分の誕生日は特別だとは思わないが、スザクが俺の誕生日は特別だと言ったから特別に許してやったんだ。
帰りはお土産屋によって、ナナリーとロロや生徒会のみんなにお土産を買った。
チョコクランチやクッキー、飴など、みんなが喜ぶようなものばかりだ。
それに付け加えて、ナナリーとロロにはお揃いの手触りの良いふかふかのぬいぐるみだ。
自分のお土産は買うつもりはなかったけれど…ストラップコーナーで立ち止まるスザクによって買うことになった。
スザクに手を引かれて立ち止まった俺が見たものはペアストラップ。
しかもストラップは、○ッキーと○ニーが仲良くキスをしているものだ。
ストラップまでイチャイチャする○ッキーと○ニーのバカップルに恥ずかしさを感じ、ペアストラップを買おうとする俺たちも同様に思えてしまった。
い、いや、俺たちのことはどうでも良いが。
ペアなんて恥ずかしいけれど、今日の記念にとスザクが一緒に使いたがるから、特別だ。
たまには譲歩くらいしてやる。
だって、スザクがとても嬉しそうに携帯にストラップをつけつたいたのがいけないんだからな。
別に浮かれ過ぎていたから、買ったストラップをすぐに携帯につけたなんてことはないんだからな。
そして、次の日のことも付け加えて書いておく。
次の日に、どうして会長が平日の12月5日を休日にしたかと聞いて見ると、俺の誕生日を祝うためだったと聞いた。
俺が誕生日を絶対に忘れているだろうと考えた会長は、わざわざスザクと計画までたてて、休みにしてくれたそうだ。
何だか、どうしてここまで俺に周りが甘いのかわからないが、そこは感謝しておきたいと思う。
会長にリヴァル、シャーリーにカレンにニーナ、ロロにナナリーに、そしてスザクと生徒会メンバーみんなで俺の誕生日会を6日に開催してくれて。
俺はこんなに良い仲間に恵まれているんだ、と再確認出来た出来事たちだった。
みんな、有難う。
なりきりチックにもなっているので、嫌な方はスルーしてやってください。
ナナリーが今日一日俺に起きたことが知りたいと言っていたから、簡単だがメモもかねて日記にも書いておこうと思う。
こういうことは書いておきたくないが、ナナリーの願いなんだから、仕方がない。
始めは嫌だと思っていたが、全体を通すととても祝福されて素敵な日だったとは思う。
今日は朝早くスザクが家に迎えに来たと思うと、突然世界でも有名な巨大テーマパークに行こうと誘われた。
確かに今日は平日だが学校の都合で休みになっているから誘うのは問題がない。
けれど、当日は流石に止めてくれないだろうか。
それでも人の話を聞かないのがスザクだ。
仕方無しに俺が折れるしかないのだ。
誘われた場所は、場所は千葉にあるはずなのになぜか固有名称が東京ディ○ニーランドだ。
テーマパークの名前や駅の名前、アトラクションの名前を書くと版権問題などのこともあるから、少し気になるところは○を入れて書いておこうと思う。
さて、遊びに行くのには事前から綿密に計画をたてたいところだが、スザクと言う人物は昔からそういうことをまったくしない。
そのためスザクの突飛な行動はいつものことだと理解出来るが、男同士で遊園地に出かけるのもどうかと思うところである。
しかしそのことを伝えてもスザクはまったく気にした様子がなく俺に大馬鹿なありえない一言を言ってくれた。
「女装していけば良いじゃないか」と。
その後にも、「似合うから大丈夫」、「君の女装は世界一だよ」など、まったくフォローにさえなっていない褒め言葉の数々を俺に突きつけてくる。
枢木スザクとの関係は一応世間一般的な言葉で言うと「幼馴染』でそして『恋人』だ。
けれど、この発言の数々を言われて恋人をやめてやろうかと俺は心底思った。
怒りに震えた手でスザクを殴りつけてやろうかと思っていた矢先、俺の世界で一番愛する弟と妹が可愛らしい足音を立てて玄関にやってくるじゃないか!
弟のロロに、妹のナナリーは目に入れても痛くないほどに愛している弟と妹だ。
二人もきっと俺の味方になってくれるだろう期待して、微笑みかければそうはいかなかった。
けれど陰から一部始終をこっそり見ていたらしいロロたちは、仲良く手を繋いで俺の傍に来ると、女装の手伝いをすると笑顔で申し出てくれたのだ。
愛らしい笑顔を向けられてそう言われれば、断れる兄がいるだろうか。
世界中を探してもきっといないだろう。
あまりに輝かしい可愛い笑顔だったために、その眩しさにクラクラしてしまったところだ。
さて、スザクは俺と幼馴染だが、それはロロとナナリーに関しても言えることだ。
ロロたちも昔からスザクを兄のように慕い、俺とスザクが付き合い始めた頃もとても祝福してくれた。
そのため、俺とスザクのデートにもとても協力的なんだろう、きっと。
女装なんて死んでも嫌だったが、心優しい世界一可愛い弟たちの協力を断るわけにもいかない。
そのため心はスザクへの恨み言を唱えながらも、表面上はロロたちに有難うと満面の笑みで返すしかなかった。
そして出かけることになり、見事にロロとナナリーの手に寄って女装させられてしまったが、服装の表記はやめておく。
ナナリーは俺が着ている服をちゃんと見ていたし、俺も自分の着ていた服を思い出したくもない。
それにしても、どうしてスザクは用意周到に女物の服を持ってきていたんだ。
あいつは始めから俺に女装させるつもりだったのか?
男に女装をさせてどうするんだ?
本当にあいつの考えていることは理解不可能だ。
電車に揺られること一時間。
無事に舞○駅に到着した。
電車の中でスザクにいかがわしい嫌なことをされかかったが、思い出したくもないし、移動中のことは省略しても問題ないだろうから、そこは省略しておく。
駅から少し歩いてディ○ニーランドの入り口に来ると、フリーパスを買って入園する。
いくらスザクに誘われて連れてこられたとは言え、フリーパスは自分で買うのが当たり前だと思っていたが、スザクがパス代を出してくれた。
パス代を払うと言う俺に、スザクは頑なにいらないとだけ返してパス代を受け取らない。
何でも、今日はおめでたい日だから奢ると、告げられた。
だからそのお祝いだとも。
この時俺は特に意識することなく、ただ頷くだけだった。
スザクのおめでたい日だから俺を誘ってここで遊びたかったのかと。
スザクはいつも突然おかしなことをすることもあるから、自分のおめでたいことに俺を連れまわしても今に決まったことじゃない。
スザクが頑固なのはいつものことだから、きっとパス代は受け取らないだろうと仕方なしに俺から折れてやった。
ずっと寒い中入り口あたりで動かないのも寒くて仕方ないからだ。
電車でパス代分は別の何かで返そうと決めて、俺はため息混じりにスザクの手を引くと地図を片手に園内を回ることにした。
乗った乗り物に関しては、すべて書いても良いが長くなりそうなため、流石にナナリーが読むのも大変だろうと思うから、主なものだけを書いておこう。
もしナナリーが改めて聞いてくれたら答えられるものは答えようと思う。
一番初めに向かった先はスペー○マウンテン。
スザクが一番に行きたいと言ったところだ。
平日のためにそれほど並ぶことなくすぐに入ることが出来た。
以前、日曜日にここに来た時は2時間待ちなどは当たり前だったから、休日と平日の違いをまざまざと見せ付けられたようだった。
まあそれでもすぐに乗れたことを素直に喜ぶべきだろう。
初めはそう思っていたが、感謝するべきではなかった。
今回初めてスペー○マウンテンに乗ったのだが、あれは乗り物と呼ぶべきものではない。
あれは絶叫マシーンなどのそんな遊ぶための乗り物の代名詞は似合わない。
暗闇であんなに早いスピードで走る乗り物なんて、事故にあったらどうするんだ!
あれはもうすでに乗り物ではなく凶器だと俺は思っている。
いや、だからと言って、凶器と言っていても別にスペー○マウンテンが怖いと言うわけではない。
ただの乗り物なのだからな。
けれどものロロやナナリーたちのためにあれは凶器だから乗るなと教えないといけないのだ。
あくまでも兄としての主観で、別に怖かったとけして思っていない。
確かに降りた直後は早さなどに平衡感覚がなくなり倒れかけた。
それでも怖がっていたわけでもない。
スザクが俺に、涙目になっている、可愛いとしつこいほど連呼していたが、怖くて涙目になどなっていない。
けしてなっていない。
だが、スザク!!
嘘の発言はまだ許してやるが、ふらふらする俺を姫抱っこで外で連れて行くとはどういうことだ!!
確かに少し歩くのに不自由していたが、肩を貸すくらいで良いだろう!
可愛い可愛い連呼して、外に姫抱っこで連れ出された俺はみんなににやにやされて見られていたんだぞ!
人前でくらいは恥じらいを持て!!!
はっ、つい日記でも我を忘れかけてしまったが、とりあえずスペー○マウンテンにはロロやナナリーを乗せないようにしよう。
次はバ○・ライトイヤーの○ストロブラスターだ。
これは乗り物に乗りながら標的を光線銃で撃っていくガンシューティングのようなものだ。
以前ディズ○ーランドに来た時に、バ○に乗る時があるかもしれないと標的の各点数がいくつか下調べはしていた。
乗り物もそんなに速く動かないし、シューティングは体力をそんなに使うものではない。
ロロが喜びそうな宇宙空間を漂うような不思議な空間なためにその楽しさから撃ちそこねそうになるかもしれないが、俺にそれはない。
ナナリーが嬉しがりそうな標的は可愛いものもあるために、それに密かに胸をほんの少しだけときめかせてうっかり撃ちそこねそうな雰囲気だが、もちろんそれもない。
…スザクには俺の様子を見て、ニヤニヤ笑いながら言いたそうだったが、それは見ないふりをした。
どうせ俺が可愛いとか可愛いとか可愛いとか、あいつはそんなどうしようもない馬鹿なことばかり考えているんだ。
ちなみに、○ズは以前もかなり良い点数を稼げたから、今回もそれなりいってスザクにだって勝てるはず、だった。
スザクへの○ペースマウンテンでの屈辱を返せるはずだった。
スザクは俺にひれ伏すはずだったんだ!
見てスザク、俺の勝ちだ!、と言えるはずだったのに。
それなのに、バ○が終わった後のスザクの点数は俺を抜き、さらにMAXの点数にまでなっていたのだ。
こいつには常識と言うものがないのか!?
スザクも○ズは初めてと言っていたのに…。
そうだ、こいつに常識は通じないんだった。
聞くところによると、スザクはすべての標的を撃ったあげくに点数が高そうなのを直感的に判断して繰り返しそれを撃っていたらしい。
これが、天然の力なのか!?
天然、恐るべし…。
夕食はハート型のハンバーグが出ると言うレストランに連れていかれた。
スザクがレストラン前でエスコートしたいと言い出して、うやうやしく膝をつきそうになったために、慌てて頭に手刀を入れて止めたために事なきを得た。
いくら夕飯=ディナーと言う図式が頭に浮かんだとしても、これはないだろう…。
二人きりの時は構わないが、外でそういう雰囲気は困る…。
恥ずかしくて赤くなった顔をスザクは外なのにどう責任を取ってくれるんだ。
そして二人で入り、ウェイトレスに中に案内されて席につく。
俺が席につくと、すぐ隣に座れるタイプの席があればスザクは必ず隣に座るから、今回もちゃっかり隣に座ってきて、腰にまで手を回してくる始末だ。
いくら角の席で周りからは見づらいとは言え、どこのバカップルだ。
スザクがごねるから仕方なくいちゃつくのを許しているだけで、俺は家の中ならともかくけして外でやりたいわけじゃない。
席につくとメニューをスザクが取り、開くから反射的にいつもの癖でつい二人で見てしまう。
いつだってスザクはメニューは二つあっても仲良く二人で見たいと言うんだ。
だから仕方なく二人で両側から見ることにな本当にどこのバカップルだ。
注文を終えてしばらくスザクと他愛ない話をして相づちをうっているとしばらくして頼んだものがやってくる。俺のメニューは、スザクが勝手に頼んだハート型のハンバーグの上に同じくハート型のチーズが乗せてあるものとライス、コーンスープにサラダ。
ハンバーグはなくても充分足りる量だったが、スザクが食べろ食べろと言うからしょうがない。
だが肉を食べない俺に、だから痩せすぎだなんて言うのは余計なお世話だ!
確かにシャーリーよりも腰が細いと、嫌がらせに俺の腰を計った会長にも言われたが、別に俺は通常だ。
話がずれたが、スザクは俺と同じメニューにホールケーキを頼んだ。
流石にワンホールのケーキを一人で食べるのは、スザクでも食べ過ぎじゃないだろうか。
そう思って注意をしてもスザクは特別な日だからと優しげに笑うばかりだ。
デザートは食後にと言うことで、ひとまず運ばれてきたハンバーグを真っ二つにフォークで切っているとスザクが涙目で、酷い!と、言い出した。
僕たちの愛を真っ二つにするなんて!と、訳のわからないことを言うから容赦なく細切れりにしてやった。
ハンバーグが俺たちの愛なはずがないし、愛だったとしてもフォークで切れるはずがないだろう。
フォークで切れてしまうくらいに俺の想いが弱いはずがないだろ、馬鹿が!!
その後ハンバーグなども食べ終わり、一息をついているとケーキが運ばれてくる。
生クリームのケーキはホイップクリームや苺にキウイなどカラフルな果物で飾られていて、19本のロウソクと、チョコレートのプレートに誕生日おめでとうと言うメッセージが書いて乗せてあった。
この時、ケーキを目にした俺は何が起きたのかよくわからずに、呆けるしかなかった。
忙しさにかまけてケーキが出てくるまで俺はこの日が自分の誕生日だと言うことをすっかり忘れていたからだ。スザクは俺の様子にくすくすと笑い、やっぱりねと、俺を見つめたまま言葉をこぼす。
スザクは俺が自分の誕生日をすっかり忘れていることを理解していたそうだ。
そのためにスザクは俺を祝おうと計画し、ナナリーとロロにも協力を頼んで俺を○ィズニーランドに連れてきたと言うのだ。
不覚にも目頭が熱くなってしまったが、それは秘密だ。
スザクにはばれてしまっているかもしれないが、絶対に秘密にしたい。
そうして誕生日ケーキのロウソクを消し、スザクのハッピーバースデーの歌と拍手に祝われて。
普段なら公共の場での歌は許さないが、この日は特別だからスザクの歌は許してやった。
俺は自分の誕生日は特別だとは思わないが、スザクが俺の誕生日は特別だと言ったから特別に許してやったんだ。
帰りはお土産屋によって、ナナリーとロロや生徒会のみんなにお土産を買った。
チョコクランチやクッキー、飴など、みんなが喜ぶようなものばかりだ。
それに付け加えて、ナナリーとロロにはお揃いの手触りの良いふかふかのぬいぐるみだ。
自分のお土産は買うつもりはなかったけれど…ストラップコーナーで立ち止まるスザクによって買うことになった。
スザクに手を引かれて立ち止まった俺が見たものはペアストラップ。
しかもストラップは、○ッキーと○ニーが仲良くキスをしているものだ。
ストラップまでイチャイチャする○ッキーと○ニーのバカップルに恥ずかしさを感じ、ペアストラップを買おうとする俺たちも同様に思えてしまった。
い、いや、俺たちのことはどうでも良いが。
ペアなんて恥ずかしいけれど、今日の記念にとスザクが一緒に使いたがるから、特別だ。
たまには譲歩くらいしてやる。
だって、スザクがとても嬉しそうに携帯にストラップをつけつたいたのがいけないんだからな。
別に浮かれ過ぎていたから、買ったストラップをすぐに携帯につけたなんてことはないんだからな。
そして、次の日のことも付け加えて書いておく。
次の日に、どうして会長が平日の12月5日を休日にしたかと聞いて見ると、俺の誕生日を祝うためだったと聞いた。
俺が誕生日を絶対に忘れているだろうと考えた会長は、わざわざスザクと計画までたてて、休みにしてくれたそうだ。
何だか、どうしてここまで俺に周りが甘いのかわからないが、そこは感謝しておきたいと思う。
会長にリヴァル、シャーリーにカレンにニーナ、ロロにナナリーに、そしてスザクと生徒会メンバーみんなで俺の誕生日会を6日に開催してくれて。
俺はこんなに良い仲間に恵まれているんだ、と再確認出来た出来事たちだった。
みんな、有難う。