三木正夫 好きです須坂! がんばろう!

信州須坂から徒然なるままに様々なことを書き記してまいります。

須坂の米子瀑布群 なぜたくさん滝ある?

2017年07月26日 | Weblog
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信濃毎日新聞2017(平成29)年7月22日(土)
 須坂市にある米子大瀑布の不動滝と権現滝にやってきました。「瀑布」とは滝のこと。滝のすぐ下まで行くと、水しぶきがとっても気持ちいいです。

 不動滝と権現滝の落差はそれぞれ約80メートルあり、2本だけでも見応え十分ですが、たくさん雨が降った後は展望台から80メートル級の滝が5本も見わたせるすごいところなのです。雨が降った後でなくても不動滝、権現滝の周辺には10本を超えるたくさんの滝があり、米子瀑布群と呼ばれます。米子瀑布群は昨年10月、国の名勝(文化財)に指定されました。県内では六つ目で、滝の指定は初めてです。

 たくさんの滝がある理由が山のひみつに関係しているのです。

 これらの滝は、四阿山にあります。四阿山は約80万年前から約45万年前にかけて、噴火をくり返してできた大きな成層火山です。成層火山とは、何回も噴火をくり返して溶岩や火山灰などが何層も重なって成長した火山です。その証拠に四阿山を北西側の長野市からながめると、その中腹にしま模様を見ることができます。

 四阿山のような成層火山には、浸食されやすいやわらかい部分(火山灰などからできた地層)と浸食されにくいかたい部分(溶岩)があるので、水の働きによってやわらかい部分が浸食される一方、かたい部分は浸食に耐えて断崖絶壁をつくりやすいのです。この断崖絶壁を水が流れ落ちれば滝になるというわけです。不動滝と権現滝がかかる断崖絶壁も、米子溶岩と呼ばれる厚さ100メートル以上ある分厚い溶岩でできています。

 さてここで不動滝と権現滝の下流に目を移してみましょう。滝の下流を流れる米子川の東側の尾根には、米子奇妙溶岩と呼ばれる溶岩が尾根をつくっています。カリウム―アルゴン年代測定法という、溶岩が今からどのくらい前に噴火したものなのかを調べる方法があります。この方法で調べると、米子奇妙溶岩は今から約45万年前に噴火してできたということが分かりました。溶岩は固まる前はマグマ(液体)ですから、低いところを流れます。つまり、45万年前は米子奇妙溶岩の流れた場所は谷だったはずです。それが現在では米子川の川底から高さ400メートルもある大きな尾根になっていることを考えると、米子川は45万年間で、深さにして400メートルも大地を浸食したことになります。

 同じように、いま不動滝と権現滝がある米子溶岩もこの川の激しい浸食にさらされ、それに耐えて、幅1キロ以上にわたって高さ100メートルもの断崖絶壁をつくり上げました。そして、そこに水が流れ落ちて不動滝や権現滝ができたのです。

<データ 四阿山>

所在地 長野県須坂市・上田市、群馬県嬬恋村

山の年齢 約80万年前から約45万年前にかけて活動

校歌に歌っている学校 長野市、上田市、須坂市の10校(県立歴史館調べ)

山のでき方 噴火(火山)

米子大瀑布への行き方 須坂市の市街地から米子大瀑布駐車場まで車で約40分。そこから滝が見えるところまでは、一部急坂のある登山道を約30分歩きます。

オススメ 気持ちの良い滝をめぐって汗をかいたら、日帰り温泉「湯っ蔵んど」で汗を流し、須坂市の名物「みそすき丼」でおなかを満たす。ぜいたくな休日の過ごし方。

 

 
 
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