鉄人 須藤 將のホームページ

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「水素ロータリーがル・マンを制覇する日」その70

2009-10-01 08:38:32 | 車・バイク
由香里は、広島に帰ると、夫の杉浦から素晴らしいプレゼントを受けた。排気管への水噴射のエンジンが仕上がって、しかも690hp/9000rpmを確保していた。
松本からも、ミッションの対策としてクロムモリブデン鋼の歯車にレーザービームによる歯面の焼入れ処理を施した部品が研究所から出来上がってきたと報告を受けた。
他の対策も年内にできあがってきた。
早速、太田の下でこれらを組み込んだマツダ797が完成した。
美祢テストコースで、各種のテストが行われた。

年が明けて、2009年1月、由香里は美祢試験場で24時間耐久テストと本番の練習を行なうために、本番の体制作りを行なうことになった。

そうした時期、四国から父親の紹介と言って武智勉が訪ねてきた。勉の父はRX-3でスカGと渡り合ったその人であった。
片山の孫、従野の息子の進もやってきた。
日本人ドライバーとして片山、武智、従野が揃い、寺田洋次郎がコーチを勤めることになった。大橋(真)の下に駆けつけてくれたアメリカ人ドライバーの、マンデビルJr、ダウニングJr、ボーレンJrを正式に起用することにした。
ロジャー・マンデビルが、アメリカ人ドライバーのコーチをしたいという申し出が大橋(真)にあり、由香里は喜んで受け入れた。
日本人チームのピットクルーは、ALMS第9戦プチルマン1000milesに参加したマツダスピードのメンバーとし、アメリカ人チームのピットクルーは大橋(真)の下に駆けつけてくれたマツダスピード・アメリカのメンバーとした。
由香里は、トヨタに行った沢村美雪から、トヨタチームのF1ドライバーのことを聞いていた。今回はジャキー、イクスはいない。大橋(真)では、F1ドライバーを使いこなすことは難しいと思い、大橋(真)を慕うアメリカ人ドライバーを起用することにした。
マツダ独自のマネージメントシステムを支えるエンジニアグループも横浜技術研究所からマネージャーとして平野に出向してもらい、本社の情報システム本部からメンバーを募集した。応募した人の中から、厳選してマネージメントシステム・クルーを結成した。
ル・マンの参戦体制が整ってきた。
美祢試験場のピットに、水素ガス燃料補給設備をACOの基準にしたがって設置した。
大橋(真)もアメリカから帰国し、美祢試験場に全員が集合した。

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