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【鉄人】電気自動車の将来と未来のクルマ社会を占う《前編》その2

2009-09-30 07:24:14 | 車・バイク




三菱のエンジニアの話によると、i-MiEVは1回の充電で160km走行できるというが、実用走行では100km前後と考えるのが現実的だろう。また電気自動車は「ほぼ半分が電池代」と言われ、i-MiEVの場合は電池代が200万円以上もする。さらに、総電力量16kWhのバッテリー重量が約230kgもあり、この重量物を常に搭載して走行することも大きな問題だ。それに加え、電池の寿命やリサイクルの問題もある。

つまり電気自動車は、個人ユーザーが日常的に使う用途をガソリン車と同じように満たすには、走行可能距離やコスト、重量、リサイクルなど、まだまだ多くの問題を抱えている。

こうした電気自動車の欠点、つまり走行距離や重量などを改善しようというのが、ハイブリッド車が考案された目的の一つだ。重たい電池を大量に搭載せずに、走行に必要な電気をエンジンで発電しながら走行すれば、電気自動車の走行距離の短さを克服できるという考え方だった。

このようにエンジンを発電機の動力として使い、駆動力はモーターだけが担当する方式を「シリーズ(直列)」ハイブリッド方式という。動力がエンジン→発電機→モーターと直列に伝わるためだ。

しかし、「プリウス」を始めとするトヨタのハイブリッド車の考え方は、これとは異なる。「エンジン」「モーター」「発電機」の3要素を用いて、トータルでエネルギー効率を高める。ガソリン車と電気自動車の優位点をうまく組み合わせて、高い燃費性能の実現を目指している。



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