「水素ロータリーがル・マンを制覇する日」その９３

6時間が経過した時点で、トップがアウディ1号車、2位プジョー5号車、3位アウディ2号車、4位マツダ7号車、5位マツダ8号車、6位BMW 10号車、7位プジョー4号車、8位トヨタ12号車、9位トヨタ１1号車、10位ホンダ13号車であった。
今度は、アウディ1号車の右リア・ホイールベアリングに異常が生じ、ピットインして交換した。48分のピットストップで18位まで大きく順位を落とした。
アウディ3号車は、右リア・ホイールベアリングを交換して、ピットアウトしたが、右リア・ホイールベアリングに異常がCVジョイントにダメージを与えており、途中で走行不能になりリタイアした。

7時間が経過した時点で、トップがプジョー5号車、2位アウディ2号車、3位マツダ7号車、4位マツダ8号車、5位プジョー4号車、6位BMW 10号車、7位トヨタ12号車、8位トヨタ１1号車、9位ポルシェ33号車、10位ホンダ13号車であった。
サルテ・サーキットに夜が訪れた。
これからは、スプリントレースのような走りではなく、淡々とした走りで朝をむかえるのである。単調ではあるが、朝を迎えるのは容易なことではない。

夜の帳が下りると、観客たちは寝袋にくるまりながらチーズをかじり、ワインやマティーニを楽しんでいた。
サーカスのテントや大道芸人、ワゴンサービスにも人の波は果てしなく続いていた。
歴代の優勝車のレプリカが展示してある博物館もある。
遊園地の観覧車で空から夜のル・マンを観戦する人たち。
そこには、もう一つのル・マンが出現していた。

マツダ7号車とマツダ8号車が9スティントを走行して相次いでピットインしてきた。
予定のタイヤとカーボンディスクの交換である。
10分で作業を完了し、マツダ7号車とマツダ8号車はピットアウトしてしていった。
他チームも同様にタイヤ交換のタイミングであった。
マツダ8号車がプジョー4号車の直前に入ったが、第1シケインでプジョー4号車の先行を許した。

そうした一連のピット作業が落ち着いた8時間経過時点で、トップがプジョー5号車、2位アウディ2号車、3位マツダ7号車、4位プジョー4号車、5位マツダ8号車、6位BMW 10号車、7位トヨタ12号車、8位トヨタ１1号車、9位ポルシェ33号車、10位ホンダ13号車であった。