鉄人 須藤 將のホームページ

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「水素ロータリーがル・マンを制覇する日」その2

2009-07-22 13:26:54 | 車・バイク
西田は、ロータリーエンジン実験の古参で、主のような人で、子供のような年齢の杉浦を呼びつけると「わりゃー、なにやっとるんかのー、ガッタンガッタンして回らんのんじゃー」と怒鳴った。「あしたまでに、対策を考えてきんさい」と厳しく言った。
そこで、杉浦はローターの側面にいろんなコーティング剤を埋めてデッドボリュームをなくしたものを手作業で作って、翌日持っていった。
西田は、すぐにそのローターを組み込んで回してくれた。今度はどうにか回ったが、西田は渋い顔をして、「よくやったがまだダメじゃのー」、「オイルをできるだけ燃やさんようにOリングの外側にまたリングが付けられんかのー」と。
杉浦は、デッドボリュームをなくし、Oリングの外側にまたリングが付ける図面を書いて田島リーダーに見せた。田島リーダーは、すぐに試作できるようにコネで手配してくれた。
専用列車(ロータリーエンジン四十七士が開発していたとき、最優先で試作をやってくれていたときの呼称)はまだ生きていた。
出来上がってきた試作エンジンは、西田の手でテストされ、ものになりそうだということで、本格的なサイド排気の開発を行うことになった。1993年の春である。

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