鉄人 須藤 將のホームページ

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RX7物語その25

2009-08-14 06:24:11 | 車・バイク
1983年5月、P747(FC)プロジェクト1ヶ月の凍結である。
デザインは固まり、主要機構の設計と基礎開発が丁度終わったところであった。

重量がアメリカのエミッションランク2.875lbオーバーする事態が生じたのである。
1ヶ月間プロジェクトを凍結して、軽量化することになった。
内山主査は、プロジェクトメンバー全員を集め、メンバー一人が1グラム軽減する「グラム作戦」を宣言した。

試作車が、デザインセンターの展示場にバラバラに分解され展示され、プロジェクトメンバー全員が蟻のようにそれらに群がり、削り落とす贅肉探しを開始した。
エンジングループは、外装品で4.1kg、本体が1.3 kgの軽量化。フロントサスペンションはアルミにすることで2 kg軽くなったがコストが30%アップした。フロント・ハブを軽合金にすると3.32kg軽くなるがコストが70%アップする。
軽量化ショッピングリストを作り、採用する軽量化とコストのバランスをとった。軽量化の原資はコストダウンだが、販売と話をして販売価格を少し上方修正してもらい、軽量化の資源を稼ぎ出した。
その資源は、スポーツカーの命である走りの味に重点的に配分し、ばね下重量を軽減した。

「グラム作戦」活動の結果、合計で43 kgの重量が軽減され、アメリカのエミッション・ランクに15 kgの余裕ができた。
この活動は、FCの走りの味に大いに貢献した。

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