鉄人 須藤 將のホームページ

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RX7物語その48

2009-09-09 06:16:10 | 車・バイク
世界第一級の運動性能のスポーツカーを支えるハンドリング性能のコンセプトは、人とクルマが一体となって走る喜びを増幅するマン・マシーンインターフェイス、ドライバーの意のままに操ることのできるシャープなレスポンス、あらゆる走りにおける高いリニアリティの実現である。
このコンセプトを実現するサスペンションの基本形式を前後ダブルウィシュボーンとすることは、担当の貴島は疑いもなく心に決めていた。

この前後サスペンションの基本形式をダブルウィシュボーンとする貴島の案に対し、小早川主査は強力な支持を与え、世界第一級の運動性能を付与すべきFDとしては理想的なサスペンション形式となった。
しかし、ダブルウィシュボーンとすることで、路面から受ける力を処理するリンク接続点のブッシュの数が増加することによるフリクションがシャープなレスポンスやリニアリティに対する悪影響をいかに排除するかが課題であった。
これに対し、貴島はレーシングカーやラリーカーを開発した経験から、フリクションの少ないピロボールを市販車に採用したいという想いを常々持っていた。そして、このチャンスを逃すと、貴島が直接開発するサスペンションに採用できるチャンスは二度と巡って来ないのではないかという考えから、コストアップというマイナス面も考慮した上で思い切って採用すべきと判断して、小早川主査に申し出てその承認を取り付けた。
ピロボールブッシュとすべりブッシュを採用した結果、サスペンション剛性が高くなり、サスペンションストロークの動きがスムースになると同時にアライメント変化が素直になり、シャープなレスポンスやリニアリティを実現できた。
また、バネ下重量低減による路面追従性向上や車両総重量の軽減も重要な課題で、前後のサスペンションアームとリンクをアルミ製とした。

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