鉄人 須藤 將のホームページ

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「水素ロータリーがル・マンを制覇する日」その71

2009-10-02 10:28:07 | 車・バイク
2009年2月、24時間耐久テストの開始である。
片山が、日米のドライバーに、ドライビングのポイントを伝えた。コーチの寺田洋次郎とロジャー・マンデビルがロータリーエンジンの特性を熟知しているので、実走行の指導は彼らに任せた。
1号車は、日本人ドライバーの片山、武智、従野、2号車はアメリカ人ドライバーのマンデビルJr、ダウニングJr、ボーレンJrとした。
習熟走行に最初の1日を当て、走行した。水素ロータリーエンジンは、基本的にガソリンのロータリーエンジンと同じ特性であることから、ドライバーの習熟は早かった。
2日目の3時に24時間耐久テストのスタートが切られた。
スティントの間隔は1時間弱とした。
最初の3スティントは、様子を見るために8,500rpm で走行した。異常も無く走行したので、9,000rpmに上げた。
9,000rpmは、500 rpmのアップだが、8,500rpmとは異なった様相を示し始めた。
各部の熱負荷が急激に上昇し始めた。
タービンの温度がかなり上昇して、近くにあるCVジョイントも熱を持ち始めた。
急遽、ピットインのタイミングで断熱材をタービンとCVジョイントの間に設置した。
それで、CVジョイントの温度上昇は止まったが、イエローカード状態である。
美祢試験場は、ブレーキを多用するコースなので、6スティントで、カーボン・ディスクの交換を行なった(ル・マンでは、8~9スティントで交換の予定)。
12スティントを超えるあたりから、トランスミッションのベアリングが熱を持ち始めた。
18スティントを過ぎた時点で、1号車のテレメーターデータに早期着火の傾向が生じた。
ピットインの指示で入ってきた車両をチェックしたら、インタークーラーのネットにタイヤチップなどのごみが付着しており冷却性能が低下していた。
ネットを交換してピットアウト。

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