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データロガーによるコーススラローム走行の分析(その3)

2008年01月04日 | 上級テクニック
 ということで、データロガーの計測値をコースレイアウト図の上に表現することができました。
 次に、これを見て何をどのように評価するべきかという側面について考えて見ましょう。

 あれこれ考えるにつけ、「なんと雑駁なライディングをしているのだろう」という反省でいっぱいになってしまいます。ここはあくまで、モニタリングの一環として居直りながら書いてみましょう。

1)すぐに目に付くのは最初の直パイで、フロント、リアともにブレーキを使っていないということでしょう。これは単純に言うとブレーキを使うほどのスピードに乗れていないということになります。理由は単純で、青1300から、ウォームアップ2周で赤白1300に乗り換えたために、エンブレの強さとドンつきに対してスロットルワークが十分にできていなくて、結果としてスピードがあがっていないということになります。
 そうは言いながらも、判断が難しいこともあります。後日の安全運転大会のときに750で直パイと八の字の種目がありました。そのときでもリアブレーキは使っていたのですが、フロントは使っていませんでした。今の私の直パイスラの走り方のコンセプトは、なるべくアクセルは大きく開けないように、かつブレーキを使わないようにして速度の変化を小さく抑えたまま、つまり高いギアで走っているイメージで、走ることを目指しています。赤白1300ではエンブレが強いので、その分逆算してスロットルを開けているという見方もできます。

2)次に、「何もしていない箇所」が気になります。上の直パイの区間でもスロットルを開けている区間と区間の間が、何もしていない状態、つまりスロットル全閉で、そのまま先に進んでいる(すべての場合において、旋回はしているのですが)状態になっています。同じことが、もっと長い時間にわたって起こっているのが、図の薄い灰色の細い線(ベースライン)だけで描かれている部分です。⑧と⑨、⑨と⑩、⑩と⑪、あと大きいのは⑰と⑱の間でしょうか。ここは、スロットルをコントロールすることもなく、ブレーキを使うこともなく、ただマシンのエンジンブレーキ任せで走っているわけです。もちろん、それがコーナーの「走るべき走り方」とマッチしている限りはよいのですが、できればそういうノーコントロールの時間を減らしていきたいのです。そういう意味で「何もしていない箇所」をもっと減らしていきたいものです。

3)全体を通じて、もっとアクセル開度を高めたいものです。それは例えばまっすぐに加速するセクションで45%のアクセル開度を55%くらいにしたいとか、バイクを倒して旋回しながらも20%くらいの開度で回っているものを25%くらいまで開けて行きたいといった具合です。コーナーの入り口でエンジンブレーキが効いて失速する。その回転が落ちた状態からパーシャルに開けていくということを考えると失速しているほど開けることが難しくなります。ですから、結果として回転を落とさないで速いスピードで回れば、そこからパーシャルに持っていくこともやさしくなるわけです。そうなれば計測結果としてもアクセル開度が全体的に高くなったはずです。

4)最後に「テクニックとも言えるが、誤魔化しているとも言える」というセクションです。⑨、⑪、⑭、⑰、22などが、アクセルを開けながらもリアブレーキを使ったりして旋回中にコントロールをしています。そうやってスピードとエンジン回転をコントロールするというのは非常に大切なテクニックなのですが、その前後に青1300に乗っている状態から比べると、自分の中では「誤魔化している」という気分にもなってしまうところなのです。あくまで主観的で相対的な問題なのですが、もしも車両の特性としてスロットルコントロールが容易であればここはブレーキの小細工が無くてもスロットルコントロールだけで回りきれるだろうという思いがあります。実際、パーフェクトにそれができるかどうかは、最後は微妙なコース設定の細部に依存するのですが、ある程度はそれができていたなという風に感じています。ところが、赤白1300モニター車両に乗ると、思い通りにスロットルの加減ができなくて、「結局ブレーキで調整してしまった」という結末になっているわけです。
 ですから自分をポジティブに評価しようという観点からは、「ドンつきのひどい旧型1300に乗って、たった2周のウォームアップの後で、それを上手にリアブレーキでコントロールしているのだから大したものだ」ということになりますし、ネガティブに考えると、「普段はスロットルコントロールが易しい車両に乗っていたからそこそこに回れたけど、旧型になったとたんにこの始末だ」とも考えられます。

 ということで、「しょうもなく雑駁だなあ」と、「結構がんばったじゃない」という両極的な評価が自分の中でも錯綜する分析結果なのでありました。

 まあ、全体としては、短いけれどもアクセルを単純に開けることができない「細かくはないけど、チマチマした操縦が求められる」コースだったということが、よくわかります。



 ところで、皆様、「開けまして」おめでとうございます。
 今年もお付き合いのほど、よろしくお願いします。



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