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(07/06/01)

夜のピクニック

2006年10月01日 | 丁稚 定吉の映画日記
わてが丁稚の定吉だす。
9月30日公開の「夜のピクニック」を観て来ました。
ファンタジー映画としてパーフェクトでした。
誰でも映画を見ている間は18歳に戻れます」
このコピーは嘘ではありませんでした。
この手の映画を見るたびに、「青春の時間が大切だ~」なんて青春の当事者が言うかよ、と嘲笑していましたが、あの頃、口には出さなくてもそんなようなことを思ってたのを思い出しましたよ。
ただ、逆に思い出したくないことも思い出してしまうかもしれません。その危険のある人には強くお薦めはしませんが、でもいいことのほうが少なくても1つでも高校の頃にいいことがあったなら観て欲しい作品です。その1つが戻って来ます。
この映画は見事ではありますが、言うならば枯れた善良な大人が理想とする爽やかな高校生像を描ききった点が見事なのであって、善良ではない人、あるいは大人ではない人が観ても面白くないかもしれません。
もう少し言うならば、リアリティとしての性欲を持ち合わせていない高校生の姿を、リアリティとしての性欲を失ってしまった大人が美談として求める、そのために存在する作品ですから、その世界と相容れない人が少なからずいるだろうことは容易に想像が出来ますし、それはやむを得ないでしょう。
また、リアリティという点でやや難はあるのですが、あれ以上を求めたらドキュメンタリーしかありません。実際にそれなりの距離を歩かせて撮影してもいいとも思いましたが、疲労感がこの作品の持つまったり感を損うんじゃないかとも思います。
トボトボ行列が続く様はいい味でした。リアリティとしてはこれで十分です。
ストーリーはなきも同然です。1日中歩く遠足、その間に近づこうとする一度も口を聞いた事がない腹違いの兄妹、それを恋と勘違いして応援する友人、そして朝にゴール。
上映中、いろんな思いとリンクする時間を過ごす、そんな雰囲気を味わうための映画です。

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