
♪ 歌うお父さん ♪
きょうはちょっとした事件がありました。
もとい、事故です。
朝から、竹筒のシジュウカラ夫婦の様子がなんだか変。
巣の竹の縁にとまって、しきりと中を見ている。
首を傾げて覗き込んだりして。
エサは運んできても、ヒナのフンをくわえて運び出さない。
どうも変なので、父に助けを求めると、脚立を持ってきてくれた。
登って、覗いてみると、真っ暗。
底が抜けてる!
1番上の節は20センチくらいの位置で、そこに巣があると思っていたのに
なにもなくて、真っ暗でなにも見えない。
懐中電灯を持ってきて照らしてみると、80センチほど下に4羽のヒナが見えた。
もうじゅうぶん育ったヒナがもぞもぞしてる。
やっぱり、きのう巣立った3羽の兄弟だ。
上を向いて、まばたきするのが見えた。
あんな下にいるー!
1番上の節で巣をつくって子育てをしているうちに、
7羽のヒナが育って体重が重たくなって、
巣立ちで、最初のヒナたちが踏ん張って飛び出したりして衝撃をくわえたために
竹の節が落ちてしまったのだろうという結論に至った。
この竹はもう数年前からそこに立っていて、もともとかなり朽ちていたはず。
きっと重さと衝撃で底(節)が抜けてしまったのだ。
いまヒナのいる節は上から80センチくらいの位置。
直径15センチ弱の筒で、羽ばたく広さはないし、80センチもジャンプできないはず。
このままではヒナは出られない。
私「おとーさんどーしよう!」
父「……ちょっと上あたりを切って、出してやるか?」
私「チェーンソーの音でびっくりしちゃうよ!」
父「前はトリモチがあったけどなぁ」 (←? あったんですかトリモチが?)
私「トングみたいなので掴めないかな?」
父「あんなに長いトングはない」
私「ロープ垂らしたら、つかまってくれないかな? ためしに垂らしてみようか」
父「鳥がロープにどうやってつかまるんだ」
私「…くちばし」
父「…無理だろう」
私「足は?枝につかまるじゃん」
父「どうかなぁ? ヒナだからなぁ」
私「ワラをも掴むかもしれないじゃない」
あーでもないこーでもないと救助策を検討していると、
なんだか消防隊員の気分になってくる。
(熱き消防士たちのレスキューアクション『シカゴ・ファイア』好きの桐花です)
それで結局、
垂直に立ててある竹を倒して横にすれば、歩いて出られるだろうということに。
父とふたりで固定を外して、竹を倒して、水平よりちょっと上向きで固定した。
環境が変わって親鳥がどう出るかわからず、とりあえずかなり離れて見守ることに。
状況はしばらく動かないと思っていた。
でもほんの5分くらいで、ヒナが飛び出した。
わたしは親鳥の方を見ていて、その視界の端に竹筒を飛び出す影が見えて、
え!うそ!とそっちに視界を巡らせる。
すぐに、筒の先にモゾッと動く気配があって、次のヒナが顔を見せ、外を覗いた。
顔を動かして、こっちを見る。
すごく離れていたんだけど、わたしを見た。
それからぱっと飛び出した。

すぐに今度は2羽いっしょに顔を出して、きょろきょろして、一緒に飛び出した。
あっという間!
いままで狭苦しくて出口もなかったのに、
歩けることが分かって、
光に向かって80センチよちよち歩いて、出てきたんだ。
自力で。ほんの数分で。
そしてほとんどためらいなく飛び出していった。
すごいなぁ。
生命力と勇気に感動して、ちょっと泣いてしまいました。

もっといろいろ書きたいことがあったけれど
すでにこんなに長くなってしまった(し、事実の羅列に終始しがち…)
またにしたいと思いますす^^
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