なんの変哲もない
水底(みなそこ)の石に、心惹かれる。
それはクラゲへの憧れに少し似ている。
クラゲとかプランクトンとか
水底の石とか貝とか。
波打ちぎわの、
さわさわと消えていく泡とか。
そういうものに、わたしはなりたい。
...あれ?
「そういうものに. わたしは. なりたい. 」
って、なんだっけ。
えーと、中也でしたっけ?
いや……宮沢賢治、ですね。
水辺が好きです。
風と光と、せせらぎと。
水底の石と、
草木の緑。
虫や花。
鳥。
これってなんの花?
ツリフネソウの一種かな?
虫や
一寸法師や
おやゆび姫の、
舟
ひとつ摘んで
水に浮かべてみたくなる。
ふいに
笹舟をつくって
川に流した記憶がよみがえってきた。
いくつも作って
水に浮かべては、行方を見守った。
時間を忘れて
熱中した。
子どもの頃も遊んだけど、
思い出したのは
わりと大人になってからの記憶。
ゆく河の流れを何にたとえてもたとえきれない水底(みなそこ)の石
__俵万智
いま気づいたけど
足の汚れ方が子供じみている。
水のなかをざぶざぶ歩いてきたあとの足。
ここ関東も
そろそろ梅雨が、明けるでしょうか。
・