人名由来の駅名

浅野　あさの　（JR東日本）鶴見線。神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目。
　浅野財閥の創設者で鶴見臨港鉄道の設立者の浅野総一郎（1848～1930）に因む。

安善　あんぜん　横浜市鶴見区安善町一丁目。（JR東日本）鶴見線。
当地の開発に尽力した明治・大正期の実業家安田善次郎（やすだ・ぜんじろう，1838～1921）に由来。
東大の安田講堂は氏の寄付により建設された。

池田　いけだ　（JR北海道）根室本線。北海道中川郡池田町字東一条。
　池田仲博が開設した池田農場内に明治37年（1904）に設置されたことに因む。なお，町名は大正15年（1926）7月，池田駅の名をとった。駅名から自治体名が誕生したケースは極めて少ないようである。

池田園　いけだえん　北海道亀田郡七飯町軍川。（JR北海道）函館本線（通称：砂原支線）。
池田醇(あつし)がこの付近一帯を大沼公園に付随して公園化することを計画したことから，その功績を称え，命名された。

石狩月形　いしかりつきがた　（JR北海道）札沼線（学園都市線）。北海道樺戸郡月形町月形。
明治14年（1881），明治政府が北海道に初めて設置した樺(かば)戸(と)集(しゅう)治(じ)監(かん)典獄（刑務所長）として赴任し，当地の開発に尽力した月形 潔（1846～1894）に因む。集治監とは重罪人を収容した監獄。

石狩沼田　いしかりぬまた　北海道雨竜郡沼田町北1条3丁目。（JR北海道）留萌本線。
　　明治27年（1894）入植して開拓の基礎を作った沼田喜三郎に因む。

大和田　おおわだ　北海道留萌市大和田3丁目。（JR北海道）留萌本線。
　大和田炭砿の所有者大和田荘七（1857～1947）の寄付により，石炭運搬を目的に開設された。

大川　おかわ　神奈川県川崎市川崎区大川町。（JR東日本）鶴見線（大川支線）。
「日本の製紙王」と呼ばれた大川平三郎（1860～1936）に因む。

辛島町（電停）　からしまちょう　熊本市交通局（熊本市電）。熊本市中央区新市街7-1地先（直ぐ近くが辛島町）。辛島町（電停）の西に西辛島町（電停）（同区辛島町）がある。当時の熊本市長・辛島格（1854～1913）が市街地を分断していた練兵場の移転に，尽力したことに由来。

吉備真備 きびのまきび 井(い)原(ばら)鉄道 井原線。岡山県倉敷市真備(まび)町箭(や)田(た)別府後。
奈良時代の政治家で，遣唐使として唐に19年滞在した吉備真備（693,4,5?～775）の父祖の生誕地に由来。全国に二つしかない歴史上の人物のフルネームを使用した駅。他の一つは同県美作市今岡にある智頭(ちず)急行 智頭線の宮本武蔵駅。なお，人名と駅名は「まきび」であるが，町名は「まび」。

河野原円心　こうのはらえんしん　智頭急行智頭線。兵庫県赤穂郡上(かみ)郡(ごおり)町河野原。
駅名は所在地の河野原と白旗城を居城とした南北朝時代の武将・赤松則村（円心，1277～1350）に由来。河野原は千(ち)種(くさ)川の右岸の川原に因むと思われる。当地には円心の三男則祐が建立した宝林寺がある。智頭急行は当駅と宮本武蔵駅の2つの人名駅がある珍しい路線である。

鹿討　しかうち　北海道空知郡中富良野町中富良野。（JR北海道）富良野線。
札幌農学校（北海道大学の前身）の土地の払い下げを受けて農場を開いた同校出身の農学士・鹿討豊太郎に由来。

治良門橋　じろえんばし　東武鉄道桐生線。群馬県太田市成塚町。
江戸時代に天笠治良右衛門（あまがさじろえもん）が新田堀用水に石橋を架けたことから，その橋を治良門橋と呼ぶようになったことに由来するという。

鈴木町　すずきちょう　京浜急行電鉄大師線。神奈川県川崎市川崎区鈴木町。
鈴木商店（味の素の前身）の創業者，鈴木三郎助（1868～1931）に因む。

泰澄の里　たいちょうのさと　福井鉄道福武線。　福井市浅水町。
奈良期の僧・泰澄（682～767）がこの地で出生したと伝えられる。

鶴見小野　つるみおの　（JR東日本）鶴見線。神奈川県横浜市鶴見区小野町。
江戸末期～明治初期，地主の小野氏がこの一帯の新田開発を行ったことに因むという。「鶴見」を冠したのは，中央本線や湖西線の小野駅と区別するため。

武蔵白石　むさししらいし（JR東日本）鶴見線。神奈川県川崎市川崎区白石町。
日本鋼管の創業者・白石元(もと)治(じ)郎(ろう)（1867～1945）に因む。すでに東北本線や函館本線などに白石駅があったことから，「武蔵」を冠した。

永山　ながやま　北海道旭川市永山1条19丁目。（JR北海道）宗谷本線。
北海道の開拓に貢献した薩摩藩出身の永山武四郎（1837～1904）に因む。

仁木　にき　（JR北海道）函館本線。北海道余市郡仁木町北町1丁目。
明治12年（1879）現在の徳島県吉野川市から仁木竹(たけ)吉(よし)ら117戸・480人が集団で入植したことに因む。

藤山　ふじやま　（JR北海道）留萌本線。北海道留萌市藤山町。
藤山要吉（1851～1938）は小樽を根拠地に海運事業を始め，各地の漁場や農場経営，採掘業など，多角的な事業展開を行った。この地で農場を開拓したことに因む。

西和田　にしわだ　北海道根室市西和田。（JR北海道）根室本線（花咲線）。
　この地は，明治19年（1886）に屯田兵第二大隊長・和田正苗の率いる福井県・石川県・新潟県・山形県・鳥取県の士族220戸が開拓に入ったことから，和田村と呼ばれた。村内の東部を「東和田」，西部を「西和田」と称し，当駅が「西和田」に所在することに由来。

東犀川三四郎 ひがしさいがわさんしろう 平成筑豊鉄道 田川線。福岡県京都郡みやこ町犀川続(ぞく)命(みょう)院(いん)。
駅名は，夏目漱石の小説『三四郎』の三四郎の出身地が京都郡という設定であったことから命名されたという。

方谷　ほうこく（JR西日本）伯備線。岡山県高梁市中井町西方(にしがた)。
幕末・明治初期の儒学者で備中松山藩の財政改革に尽力した山田方谷（1805～77）の生誕地に因む。