辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

大きいほうといっしょに叫ぶのだ

2008年03月11日 | 
なんだかうっちゃっておいて読んでいない本を引っ張り出して読む。
ディケンズのピクウィック・クラブなどその代表格なり。
とくに筋というものはないので、この本は細部を楽しむものなるべし。

「スラムキー万歳!」選挙民はどなった。
「スラムキー万歳!」帽子をぬいで、ピクウィック氏は応じた。
「フィギンズはだめだ!」群衆はうなった。
「もちろん、だめだ!」ピクウィック氏は叫んだ。
(中略)
「スラムキーってだれです?」タップマン氏はささやいた。
「知らんね」同じ調子でピクウィック氏は答えた。「しっ。なにもたずねないように。こうした場合、群衆がしているとおりにやっていれば、まちがいないのだ」
「だが、群衆がふたつあった場合には、どうします?」スノッドグラース氏がたずねた。
「大きいほうといっしょに叫ぶのだ」ピクウィック氏は答えた。

(ちくま文庫版、p.291)

※ このあと[どんなにたくさんの本でも、これ以上のことは言われなかったろう。]と地の文が続くけど、原文は Volumes could not have said more. だよ。

ピクウィック・クラブ〈上〉
チャールズ ディケンズ
筑摩書房

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