辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

平面世界

2005年11月27日 | 
つい本を買ってしまう。たとえ面白くても洋書なんぞは教科書にでもなっていない限り読みきったためしがない。不思議なことにどんな薄い本でも、最後まで読みきりはしないのだ。あまり自慢になることではない。

そのうち最後まで読もうと思っているものに Flatland という本がある。平面世界の住民が自分の世界を紹介する話である。この世界の住民は、幾何学的な形をしている。円形が貴く、鋭い頂点をもつ三角形が賤しいという階級社会である。

女性はみな鋭い頂角を持っている。そして、その鋭い頂角に刺されると刺された相手が死ぬ可能性もある。悪いことに、鋭い頂角をもつ三角形は、その頂角の側、あるいは、その反対側から見ると、ほとんど点にしか見えない。したがって、気づかずに追突する恐れがある。そのため、女性は体を左右にふりながら歩くことが義務づけられている地方もある。

住民の形状はおおむね遺伝によるので、鋭い頂角を持った三角形親から、正三角形の子どもは生まれない。しかし、たまにそれが起こると、その子どもは親もとから引きはなされて育てられるのである。

とまあ風刺的な内容で、こうしたものは私の好むところであるのだ。

いろいろな版が出ているが、下にはりつけたのはたまたま私が持っている版である。

Flatland: A Romance Of Many Dimensions (Princeton Science Library)

Princeton Univ Pr

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