辞書引く日々

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『中国の大盗賊・完全版』(高島俊男、講談社現代新書、2004)

2005年09月05日 | 
この本の内容を勝手に三つの部分に分けると、

(1) 中国の盗賊とはいかなるものぞ (序章)
(2) 中国史上の大盗賊の例 (第1章~第4章)
(3) 毛沢東は大盗賊なり (第5章)

ということになる。

(1) は、盗と偸がどうちがうかとか、中国での兵のイメージは伝統的にどんなものか、などの一般的なことが啓蒙的なタッチで書いてある。

(2) は、例であるから、忙しい向きは飛ばしてよんでも差し支えなし。

(3) は、著者がいちばん書きたかったことらしい。そして、これがこの本のタイトルに「完全版」というのがついている理由でもある。つまり、以前この本は (3) の部分を大幅にカットして出版されたことがあり、今回それを復活したうえで出版し直したということである。

なお、毛沢東が盗賊であるといっても、それは (1) の部分で定義した「盗賊」であるから、(1) を先に読まざるべからざるなり(読まなくてはいけない)。

また、(3) には、高校の世界史でも勉強する北伐とか長征とかいうあたりが、簡潔かつ面白く(水滸伝風とでも言おうか)書いてあるので、このあたりの歴史は何度読んでも頭に入らないという向きには、とっかかりとして好適かもしれぬ。

中国の大盗賊・完全版

講談社

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