辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

「状」って本当に手紙のことなのか

2005年09月06日 | 言葉
年賀状とか書状とか言うものだから、「状」というのは手紙のことかと思っていたが、よく考えてみれば、「状態」「形状」「名状」などというのがある。こっちは手紙とは関係ない。

そもそも「状」って何だということが気になる。岩波国語辞典第二版を引いてみると、「状」という字の項目に、すがたや形、事のなりゆきというような意味のほかに「書き付け。手紙。」とある。しかし、なんで形が手紙になるのかわからぬ。

手近な漢和辞典(『漢辞海』、三省堂)を引いてみると、「状」のどこにも手紙なんて意味は載っていない。いよいよ、怪しい。

大言海で「書状」というのを引いてみる。例によって怪しく楽しい語源解説がある。「居家必用」という本(料理本らしいんだけど、なんで?)の注釈が紹介してあって、状というのはかたちのことであり、情を筆墨によってかたちにするのじゃ、というようなことが書いてある。

ようするに、キモチにたいしてカタチということで、「状」が手紙を表すことになったと言いたいらしい。これに従うと、年賀状とか書状とかいうのに状を使うのはなにやら奥ゆかしく感じられる。ぎゃくに「果たし状」とか「状差し」というのは、なにやらギャグっぽく響いてくる。

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