月誕生前に激しい衝突か=原始地球と別の惑星―米大学
時事通信 4月9日(木)2時5分配信
約45億年前に原始の地球に火星サイズの惑星が衝突し、飛散した破片が集まって月が誕生した際、激しい衝突で破片の物質の混合がかなり進んだ可能性があると、米メリーランド大の研究チームが8日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
この「巨大衝突説」は、これまでの月探査機による観測や、米アポロ宇宙船が採取した月の石の分析などから最も有力と考えられている。ただ、原始の地球と火星サイズの惑星を構成する物質はかなり違っていたはずなのに、地球と月の物質がよく似ているのはなぜかという疑問があった。
研究チームがタングステンの同位体に注目して分析した結果、衝突時とその後の過程の2段階に分けると、都合よく説明できると分かった。
まず激しい衝突により破片の物質が徹底的に混合してほぼ均一となり、月が誕生するとともに地球を覆った。次に周囲の宇宙空間を漂う物質が月や地球に降り積もったが、量が違ったため、同じではないが似ている状態になったという。
最終更新:4月9日(木)10時19分