4月24日にロンドン、フラムのチャリング・クロス病院で生まれた3羽のハヤブサは、その後順調に成長を続けています。ハヤブサの巣箱があるのが病院の屋上なので、「チャリング・クロス病院で生まれた」となりますが、なんかまるでお母さんハヤブサが入院して、助産婦さん立会いの下に生まれたみたいデスね。ちなみに生まれた時に書いたウェブ・エントリーはここ、ハヤブサのライブ・ウェブカムのリンクはこちらです。
実はチャーリーが産んだ卵は、もともと4個あったそうです。ところが慣れない男親のトムが、一個踏み潰して割ってしまったとか…。お父さん、ダメじゃん~。
私、ヒナが生まれて以来、毎日時間があればウェブカムをチェックしているんですが、こうして観察していると、自然の世界でも、「家を守るのは母、食い扶持を稼いでくる(エサ取ってくる)のは父」っていう役割分担になっているんだな~、と思います。まぁその構図は、人間の世界では崩れつつありますが。あー、しかし、母のちゃーりいは、子育てと狩りの手腕は抜群ですが、あんまし家の掃除とかはしないようですね。
母親のチャーリーには母性本能があるので、ヒナがある程度成長するまでずっと巣箱を離れず、自分の胸と羽根の羽毛をふわわわーっと膨らませてヒナ達に覆い被さり、ヒナを守りつつを暖めてやるんですが、時々トムと育児交代で外に「羽根を伸ばしに」出かけます。…で、子守をしなくてはならないお父さんのトム、ヒナと対面して「えっとー、これ、自分の子なんだ? これどうしたらいいんだっけ?」と、しばし悩む姿。そして、羽毛をふわわーっと膨らませる、などという、きめ細かい世話は思いつかないようで、「これでいいんだっけ? よくわかんないナ」と、ただヒナに乗っかってるだけ。男親って、どこもこんなもの?
一番前の子が随分小さいですが、この子、生まれて二日目か三日目がすごく寒い日で、体の代謝スイッチが入らなかったらしく、一日中地面にぺったりと突っ伏したきりで、ほとんど動かず何も食べなかったんです。見ていた人たちはみんな「あー、この子、もうダメだー」と思っていたんじゃないかな。私も、「ああ、こうやって淘汰されていっちゃうんだなー。まぁ、3羽目なんて元々保険みたいなモノなんだろうけど、自然界は厳しいなあ」、と、残念に思いながら見ていました。
ところが次の日、気温が上昇し、それと共に立ち上がりましたよー、この子。前日死にかかっていたとは思えないくらいの勢いの良さでエサをねだる姿に、心底ホッとしました。実は私自身、生まれた時に仮死状態で息が止まっていたという話で、動物だったら絶対に淘汰されていたに違いない状態だったので、このチビっ子にすごく感情移入してしまう。しかし一日エサを食べ損ねると、後の成長にこれだけ差がついてしまうんですね。
ハヤブサは、生まれて6週間で巣立つ準備が整うのだそうです。一ヶ月半で成人式ですよ。はやっ。なので、毎日目に見えるほどのスピードで成長していきます。この写真では、ヒナ達羽根を畳んでいるので、ぷわぷわの産毛しか見えないけれど、内側にはもうかなり大人の羽根も生えてきています。
生後25日目には、記録の為に3羽とも足輪がはめられました。性別は3羽ともオスとの見方が強いようですが、まだはっきりとはわからないそうです。一番小さいのはメスなのでは? との見方もあり。鳥って、性別が分かりにくいみたいですね。お母さんのチャーリーも、名前からするとひょっとして最初は男の子と思われていたのかも。
ヒナの足は大人並に成長し、しかもまだ飛べないということで、生後3週間目を過ぎた頃くらいが足輪を付けるには一番適しているとか。それにしてもイキナリ人がやってきて、体重を量るために逆さ吊りにされたり足にワケの分からない鬱陶しいものを嵌められたり、生まれて25日目にして大変なトラウマなんじゃなかと思う。
男親のトムの名誉の為に言っておきますが、彼、子守りは苦手かも知れないけれど、ハンターとしての腕はしっかりしています。毎日きちんと定期的にエサを獲ってきて、3羽ともしっかり成長しているんだから、お父さん、エライ!
…と、ここまでが現在の成長具合です。巣立つ頃に、また記事を書きたいと思っています。
ハヤブサの写真をもっと見たい人は、FabPeregrines' Photostreamをクリックして頂くと、他にも写真が沢山あります
おまけ

ハヤブサを見てると邪魔しにくるバブルズ。ヒナのやかましい声が気に入らないらしい。
バブルズ「かあさん、ボクのご飯を忘れてますよ」
ワタシ:「…いや、ちゃんと朝あげました。」

ハヤブサを見てると邪魔しにくるバブルズ。ヒナのやかましい声が気に入らないらしい。
バブルズ「かあさん、ボクのご飯を忘れてますよ」
ワタシ:「…いや、ちゃんと朝あげました。」
ワタクシの支離滅裂な英語でのツイートご覧になられていたのですね。お恥ずかしい...
末っ子ちゃんの起死回生のドラマには感動しました。
3羽そろって無事に大人になってほしいものですね。
どうしてくれるの(うそうそ。感謝)。
3羽とも元気に育ってますねー。
さすがハヤブサ、ちっこいのに人間を威嚇している姿が可愛い。
もうみんな巣箱の外を出歩いちゃって、カメラの視界から消えることも多いですね。
両親はせっせと餌運び。子育ては大変だなー。
最近鳴き声も大音量になってきて、バブルズにはうるさいのかもね。
私、朝寝坊なもので、朝イチの餌やりの場面は見逃すのですが、mayuhanakomonoさんのFeeding now! のTweetの時間をみて、次の餌が来る時間を推定しています。貴重な情報源になっています。
末っ子のチビは、ひょっとして朝寝坊で、寒さに弱いだけだったのかも?! とも思ったり。でも生き残って着々と成長していて、良かったなぁ、と思います。
他にも野鳥のウエブカムは色々あるみたいで、
私はこれ以上中毒を増やすまい!と
めちゃ我慢・自制している状態です。
大きくなれば、餌の量も増えるし、親は本当に大変。でもチャーリーは頼りになるおっかさんですね。それにしても餌が来た時の最近のヒナの音量はすごい。