ロンドン ボヘミアン通信

趣味と好奇心の趣くままの、気ままなロンドン生活日記

ロンドンのハヤブサ

2013年04月09日 21時36分03秒 | ロンドンのハヤブサ



今年もハヤブサ・ウォッチングの季節がやってまいりました。ロンドンのチャリング・クロス・ホスピタルに巣をかける(というか、人間が用意した巣に住んでいる)チャーリー(メス)とトム(オス)の間に、卵が四個産まれております。四つとも孵化するかなー。何羽が無事に巣立つかなー。というワケで、これから2ヶ月~3ヶ月は、今年もハヤブサ・ライブ・ウェブカムをちょくちょくチェックすることになりそうです。



整然と並ぶ、四つの卵とお父さんのトム
トム、去年は卵を踏んづけて一個割ってしまいましたが、
今年は割るなよ~。


トムとチャーリー
ハヤブサはメスの方が体が大きいので、多分左がチャーリー。


美人ハヤブサ、チャーリーのカメラ目線

今日は卵が産まれて既に23日目らしいです。ハヤブサの卵は29日~33日くらいで孵るということなので、ヒナが殻を破って出てくるのは、あと1週間くらい。来週の今頃、私はライブ・ウェブカムの映像に張り付いていることでしょう。

ちなみにこちら、とこちらは、去年の子育ての様子。


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ドン・キホーテ/ミハイロフスキー・バレエ

2013年04月08日 02時22分01秒 | バレエ・ダンス


ちょっと研ナオコ似?

三月末に、ロンドン公演中のミハイロフスキー・バレエのドン・キホーテを観に行きました。同好の志の集まるMeetUpのグループで出ていたチケットを買ってみたら、主役のキトリは話題のナタリア・オシポワでした。

Don Quixote
音楽:Ludwig Minkus
振り付け:Marius Petipa
キャスト
ドン・キホーテ:Marat Shemiunov
サンチョ・パンサ: Alexey Kuznetsov
キトリ:Natalia Osipova
バジル:Ivan Vasiliev

オシポワがすごいよ、という話は前々から聞いていて、YouTubeで色々検索してチェックして見てたけれど、どれを見ても大雑把で、筋力で力任せに踊ってる感じでぜんっぜん好きなタイプの踊りをする人では無いなぁ、という認識でした。でもまぁ、話題の人だし見ておいて損は無いか、みたいな感じで観に行きました。

そしたらこの人、やっぱり凄かったです。激烈な存在感でした。舞台に飛び出してきた時、瞬時にしてその場の雰囲気が変わったっていうか、彼女から溢れ出る巨大な生命力が大波のようにどっばぁーーーんっと客席に向かって押し寄せて来る感じっていうか。出てきた瞬間、「あ、このヒトは違うわ」って思いました。「違う」って、尋常じゃぁ無いとか、フツーじゃないとか、そういう意味で。こういう、その人自身の持つエネルギーの特徴って、やっぱり映像では伝わって来ませんねえ。たった一人の人間が舞台に立つだけで、これだけのエネルギーを生み出す力があるのって、ほんと、ちょっと有り得ないわー。一体どうなってんの? って感じ。

キトリという役柄自体が情熱的なスペイン娘という設定なので、彼女に良く合っていました。...ていうか、なんかこのヒト、ワッショイ系であまりにも威勢が良いので、魚市場でねじり鉢巻をして「よう旦那っ。今日はサバが新鮮だよっ」とか大声を張り上げているキトリが勝手に頭の中に浮かんでしまった。またはハッピを羽織って火消しの纏(まとい)を持ってワッショイしてるところとか...。ブルドーザーとか、ダンプカー、という言葉とか...。あのあの、私バレエを観にきたんだから、頼むわ、脳みそ、勝手に暴走しないでちょーだい。



彼女のパートナーのワシリーエフも、力いっぱい強力な踊りをする人なので、この二人がパ・ドゥ・ドゥーを踊ってる時っていうのはもう圧倒的。ぐいぐい押してくる力にこっち側でも知らない間にリキ入ってしまう。二人がソデに引っ込んで、脇役の(普通の)バレリーナが3人とか4人とかで踊り始めると、何か肩の力が抜けてほーーーっとしました。

いつもは双眼鏡で舞台を見ている時間が長いのですが、彼女の場合、やっぱり指先とか腕使いとかが荒いので、そういうのはアップで見てもしゃーないなー、って感じで、今回は双眼鏡を使わず、引きで舞台全体を鑑賞していました。しかし彼女、舞台を斜めに横切って飛ぶグラン・ジュッテの時は、毎回舞台が足らなくって落ちるんじゃないかとハラハラしたわ。

最終幕でグラン・パ・ドゥ・ドゥーが終わり、幕が下りたあとのカーテン・コールでの観客の熱狂振り、すごかったです。通常は感情をあまりあらわさないと言われるイギリス人でも、こんなに熱狂するのか、って感じで。なんか、舞台に向かって「ネエちゃん、これ取っといてくれー」なんて、50ポンド札のおひねりとか、飛ぶんでねぇの? ってくらい湧きに湧いていました(いや、もちろん花は飛ぶけど、おひねりは飛びません)。

...なんだか褒めているんだかけなしているんだか、さっぱり分かりませんが、まぁ彼女は「別モノ」って事で、一見の価値あり。しかしオシポワとワシリーエフ、元々ボリショイのダンサーだったのが、決まりきった役ばっかり踊るのが嫌でミハイロフスキー・バレエに移ったという話ですが、ジゼルとか白鳥とか、繊細さを要求される役柄を、いったいオシポワがどう踊り分けるのか、ちょっと怖いもの見たさ的に、見てみたい気がする。

ちなみに下は、ボリショイ・デビューした時のオシポワのキトリ、ダイジェスト版。





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不思議の国のアリス‐ロイヤル・バレエ

2013年04月06日 01時24分32秒 | バレエ・ダンス


先々週、バレエづいていて、一週間に3つも立て続けに観に行ってしまった。行かない時は半年以上行かないんだけれど、たまにこうして集中的に見る事もあります。で、最初に見たのがロイヤル・バレエのAlice`s Adventures in Wonderland/「不思議の国のアリス」。

振り付け:クリストファー・ウィールドン
音楽:ジョビー・タルボット

<キャスト>
アリス:ベアトリス・スティクス・ブルネル
ジャック/ハートのジャック:ルパート・ペンファーザー
ルイス・キャロル/白兎:ブライアン・マロニー
母/ハートのクィーン:Itziar Mendizabal(名前...読めん...)
父/ハートのキング:ギャリー・エイヴィス
マジシャン/気違い帽子屋:ドナルド・トム
牧師/三月うさぎ:リカルド・セルベラ


このバレエはまだ3年くらい前に作られた新しいバレエ。これが初めて上演された時は、久々の全幕モノの新バレエとあってバレエファンの期待も高く、鳴り物入りで紹介されていました。その時は見逃してしまったのだけれど、その後、BBCで2度放送されて、そのつど毎回観ていました。テレビで見た時の感想は、「うーーん、ちょっと長いなぁー。途中で飽きるー。」って感じでしたが(実際、途中で画面を止めて、2回か3回に分けて見てた)、でもまぁ、バレエファンとしては、一回くらいナマの舞台を見といてもいいか、って感じでチケットを買いました。



チェシャ猫とアリス

実際の舞台、実はそれ程期待していなかったんです...が、結論を言うと...めっちゃ好きでしたーーーっ。ものすごく良かったー。ブラボーーっ。多分これ、再び上演されるとしたら、毎回イースターの頃になるんじゃないかと思うけど、クリスマスは「くるみ割り人形」、イースターは「アリス」で、季節感を盛り上げるバレエとしてリピートけってーい!! ってくらい好きでした。

多分、テレビで2回も観てたのが舞台を楽しむ上でかなり役に立ってたんじゃないかと思います。大体の筋と流れは分かっているし、音楽にも耳がある程度慣れて馴染みがあるし。その上で、テレビの画面では伝わらない、または画面に入りきらない部分が鑑賞できて、臨場感をたっぷり味わえました。あとはこれ、初演の時は二幕だったのが、主役のアリスが舞台に立ちっ放しで大変なので、休む時間を取るために、インターバルを余分に入れて三幕にしたという話も聞きましたが、それも良かったかも。

舞台装置や演出が、微妙にシュールなのもすごくツボでした。ウサギの穴に落ちちゃって、次元のひずみに入り込んじゃった、非現実の世界に行っちゃったっーて感じがすごくよく伝わってくる感じで。アリスが穴に落ちて行く時、私も一緒に違う世界に落ちてく感じがしたし。おかげでこの2時間、私もすっかり別の次元に行っちゃってましたよ(影響されやすい人)。



登場人物は一杯出てくるし、場面転換も多いので、それがイヤだという人もいるようだけれど、私にはそれが良かったです。音楽も大好きでした。オモチャ箱をひっくり返したように楽しくって、遊園地に行ってメリーゴーランドに乗ってるみたいな雰囲気で。きゃっきゃっ。これ、一緒に観に行った人たちは、「子供も楽しめるよね」って、みんなが口を揃えて言ってたけど、私、ひょっとするとそーいう精神年齢なのかも知れません...。

これ、アリス役は舞台に出っ放し、そしてほとんどの場で踊るシーンがあるので、体力があって怪我をしない人でないと務まらない。そうすると若いダンサーにしかムリよね、って事になってしまう。で、まぁ、アリスについては私としては誰が踊ってもまぁそんなに差は無いかなー、って感じで誰でもいーんですが、ハートのクィーンについては、次回は是非、この人のを見たい!という人が居ます。それはゼナイダ・ヤノウスキー。テレビでしか観ていないけど、彼女のハートの女王、サイコーです。ここまで女を捨てきって、コミカルに、ダイナミックにしかも正確にハートの女王を踊れる人は他に居ない!と思う。彼女が引退してしまう前に、是非ナマの彼女が踊るのを観たいです。今回の舞台のハートの女王も、別に文句は無かったけど、やっぱり女の人の恥じらいを捨てきれてないよなー、という踊りでした。


これこれ。この人です。ヤノウスキー。彼女、踊る役によって、見事に役柄を変えます。白鳥のオデットを踊る時には、あまりにもはかない、たおやかな女性になるのに、ハートの女王の時は、チョー怖い女王様に変身。スバラシイ。この人背が高いので、プリンシパルであるにもかかわらず、なかなか「このバレエを、この人で観たい」という役にキャストされないのが残念。




最後に、これを振付けたクリストファー・ウィールドンのリハーサル風景を貼り付けておきます。こういう裏話的な映像って大好き。


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