さらさらきらきら

薩摩半島南端、指宿の自然と生活

竹島問題を単純に考える

2012-08-28 10:15:02 | 世の中のこと

池田湖と開聞岳(本文とは関係ありません

昨今の韓国政府の言動や韓国内の動向などの報道に接し、韓国とはこんなに良識も品位もない国だったかと思い知らされた気分だ。一般にアジアの国々においてはたいてい共通した品性や礼儀正しさを感じられるものなのだが。いや韓国も伝統ある文化を誇る儀礼の国だったはずなのだが。これがもし日本で政治家があんな発言をしたら、相手国に対し失礼だ、非常識だという声が国民の間に沸き起こって、大臣などすぐに辞任に追い込まれたことだろう。

さて韓国は、竹島は固有の領土であり領土問題など存在しないと主張しているようだ。しかし先日の五輪での行動やたび重なるデモ、政治家の言動など、自ら領土紛争があると世界に発信しているわけだ。それならなぜ国際司法裁判でけりをつけようとしないのか。負けるに決まっているからだという人が多いが、しかし裁判というものはやってみなければ判らない。ただもし日本が負けた場合、国民は憤るだろうが、それでも仕方ないとあきらめるだろう。日本は裁判に不満でもその判決に従うくらいの民度の高さはある。しかしもし韓国が負けたらどうなるか。間違いなく各地でいっせいに反日デモ、反政府デモが起こって暴徒化し収拾がつかなくなるだろう。つまり韓国政府にとって竹島を手放すという選択肢はそもそもあり得ないのだ。したがって少しでもその恐れのあるところに近付くはずがないのだ。これはつまり韓国を相手に何を言ってもどんな交渉をしても無駄だということだ。こんな状況を打破できるのは第3者の介入しかない。一番いいのは国際世論の圧力だ。さすがの韓国人も世界を敵にするわけには行かないだろう。そしてそれには国連の場を使うべきだ。そもそも日本は国連分担金世界第二位なのだ。こうした問題に役に立たなかったらそんな金を払っている意味がない。

さて竹島は1952年時点では、その正当性云々の議論はさておいて間違いなく日本の領土であった。その年、韓国は「李承晩ライン」を設定して竹島を韓国領の中に取り込んでしまった。韓国は武力を行使し、それから十数年の間に周辺海域において日本人の漁民などに数千人の死傷者が出た。

これはその理由や正当性などに関わりなく、またどんな立場の人でも認めざるを得ない歴史的事実である。ところで国連憲章では紛争の平和的解決を定めており、軍事的手段を取ることを否定している。そして武力による紛争解決を図った国に対する軍事制裁もできるとしている。つまり韓国は明確に国連憲章違反をしているわけだし国連軍による軍事制裁を受けてもしかるべきなのだ。本来、もし竹島が韓国の主張するように韓国領であるのが正当であったとしても、彼らは武力行使でなく自ら国際司法裁判所に訴えることにより取り戻さなければならなかったのだ。

日本はまずこの点だけを主張するべきだろう。日本領か韓国領かどちらが正当かについては後の議論として一切触れず、まず武力行使という国連憲章違反だけを問題にする。野田総理はまず国連事務総長に親書を出すべきだろう。そして国連のいろいろな場で、日本はこの韓国の国連憲章違反ついて訴えるべきだ。まずは総会でその不当性を訴えればいい。話し合いを拒否し武力行使を正当化する国という事実を世界に知らしめるのだ。韓国は安全保障理事会の非常任理事国に立候補する意向だと聞く。それに対しこういうことをする国だと各国に知らしめるべきだ。

たぶん韓国は慰安婦問題など持ち出して応戦するだろう。しかしそれは別問題であり、問題は一つ一つ解決するべきであり、ここで関係ないことを持ち出すのは問題のはぐらかしでしかないと受け流せばよい。ともかく日本はかつて戦争を起こしてかなり酷いことをしてしまったというのは世界中で知られている。しかし韓国が戦後だいぶたってからこんな酷いことを平然と実行してそれが今に続いているということは世界のほとんどの国は知らないはずだ。

以上の提案は単純素朴で、外交のプロから見たら小学生の議論のように見えるかもしれない。しかし問題が混乱錯綜してしまったら、最も単純明解な原点に戻るというのは鉄則である。それはともかく韓国の李明博大統領も愚かだ。そっとしておけば、日本は手を拱いているばかりだからずっと実効支配を続けられたものを。まあそんなことは誰もが判っていただろうから、彼の今回の言動は国のためでなく自分のためだったとしか言いようがない。ともかく日本にとっては千載一遇のチャンスだ。何もないところに波風を立てるのは難しい。この機会を徹底的に利用しなければ次はもうないかもしれない。

ところでもう一つの問題の尖閣諸島についてだが、こちらは逆に日本が実効支配しているのだから騒ぐべきではない。小競り合いは穏便に済ませて、中国が表向き何を言おうが聞き流していれば良い。そしてもし目に余る行為になったら国際司法裁判所付託を表明する。中国は韓国と違って国際的な立場があるからそれを拒否できないだろう。裁判結果はどうなるか判らないが、もし日本が負けてもそれは仕方ない。しかしもし中国が負けたら、これはもう中国は国が持たないくらいに大変なことになる。中国はこうした問題を山ほど抱えているから次々に飛び火することだろう。つまり中国政府にも韓国政府と同様、国際司法裁判所に出向くという選択肢はない。従ってそんな事態にならないよう、ぎりぎりのところで抑え続けるはずだ。

さてこんな非常時なのに、国会では野党が首相の問責決議を提出するという。本当にこの国の政治家どもも国でなく自分のことしか考えていないという点では隣国と変りない。自民党などたとえ政権を取ったとしても今といったい何が違うのか。めぼしい政策など見当たらないし強力な指導力も全く期待できない。国として一致団結しなければならない時に、足の引っ張り合いだけに執着している。では野田政権を支持するのかと問われたら答えに詰まるが、間違いなく言えることは今の日本に総選挙など悠長にやっている余裕はなく国内の混乱は外敵を利するばかりということだ。この危機的状況において打開策を示せる人はどこにもいないのだから、今しばらくは現政権を皆で支え、国内の安定と国際的威信を取り戻すよう協力するべき時ではないか。