銀座平野屋女将日記

銀座平野屋210年のあゆみと老舗女将の嫁日記

へんし〜ん

2019-05-16 | 銀座

 

皆さまこんにちは。

本日2つ目更新です。

昼間の暑さがひと段落し、風の心地よい銀座の街です。

 

 

銀座と言えば

このお方。

なにやらイベント仕様で変身してますが。

 

 

 

うん。

なんだか可愛い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

粋の総合芸術ーたばこ入れ(その4)ー

2019-05-16 | 日記

 

銀座平野屋には普段お客様の目にはふれないけれど、素敵なものが数々ございます。

それは江戸からの粋を伝える物であったり、先人の技や美を伝えるものであったり様々です。

その中で銀座平野屋には、先人の技が光る逸品もございます。

  

 

(その1)(その2)(その3)に続き、 「利休形たばこ入れ」のご紹介です。

 

 まずは1つ目。

 

『紅型染め地(びんがたぞめじ) 利休形たばこ入れ』
(上)叺(かます)12.6×6.8cm
(下)きせる筒20×2.6cm
 
 
沖縄の染物「紅型(びんがた)」で染められた生地で作られています。
南国風の目を引く色使いで、大輪の花や葉が染められています。
 
 
✳︎紅型(びんがた)→パッと目を引く鮮やかな色彩は南国の花や太陽、
青い海が表現された沖縄染色の伝統工芸。
「紅」は色を、「型」は模様のことを指し、
「紅型」とは顔料や染料で染める型染めの一種。
もともと琉球王国時代に、主に貴族の衣装として染められていた。
 
 
 
こちらが裏面。
 
 和柄の小物として、今現在も売られているような雰囲気です。
叺だけ鞄に忍ばせておくにはいいかもしれませんね。
 
 
 
こちらが内部。
こはぜをこはぜ掛けに引っ掛けるタイプです。


 
 

 

 

2つ目です。 

『絹地花文 利休形たばこ入れ』
(上)叺(かます)12.5×6.5cm
(下)きせる筒19.5×2.7cm

 

日本に古くからある様な文様(菊紋?)です。

袱紗入れの様な印象のたばこ入れです。

 

中の様子。

金属製のこはぜと、こはぜ掛けが見られます。

実にシンプル。

 

 

今回ご紹介の2点は、飾り金具や特殊な生地など無いシンプルそのものです。

身近にある生地を使った様な、「利休形」そのものです。

(その1)でご紹介した様な豪華な刺繍の物もあれば、

シンプルな作りのものまで実に様々なのが利休形の特徴なのでしょう。

 

この「利休形」は私達が普通「たばこ入れ」と言われて想像する様な、

きせる筒に叺が付属して、腰から下げるタイプとは異なります。

 

《参考》主流の「たばこ入れ」の形。

『一つ下げたばこ入れ』:たばこを入れる叺と、

 下げる為の緒紐(おひも:鎖のものもある)、それを調整する緒締め(おじめ)、

 そして帯に引っ掛ける根付から成る。

きせる筒を取り付ける部分はないので、緒紐に絡めるように使う

(「籠と鼈 一つ下げたばこ入れ」)

 

 

『腰差したばこ入れ』:下げる為の根付がない。

そのかわり、きせる筒を腰にさして身につける。

(きせる筒は硬めの素材で作られる事が多い)

明治以降はこのタイプが多く作られた。

(「鉈豆型きせる入れ」)

 

 

「利休形たばこ入れ」タイプのものは、「懐中たばこ入れ」と言って、

着物の懐中に入れて持ち歩くものです。

たばこ入れとしては古くからある形で、

平べったい二つ折りの袋をこはぜで留めるものが多いようです。

そしてきせる筒が付属する場合は袋と同じ素材で作られることが多いのです。

正にご紹介した通りシンプルなものなのですね!

 

 

ちなみに今回ご紹介した「利休形たばこ入れ」は明治以降作られたものです。

明治以降、袋物やたばこ入れなどを扱っておりました

我が平野屋で販売する為に集められた品々だったようです。

シンプルな「利休形たばこ入れ」。

実は銀座平野屋の歴史を語る貴重な品だったのですね。

 

 

 

長々とご紹介いたしました「利休形たばこ入れ」はひとまず終了です。

けれど!たばこ入れ関連の品はまだございます。

(↓真ん中あたりはまだですね)

また別の機会にお付き合い頂ければ幸いでございます。

 

 

 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする