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いちばんだいじ

日々の暮らしの中で、人生で。一番大事なこと、大事なモノを見つけるために

核心

2006-06-18 23:19:15 | My Sweet Alligator
チェックアウトの時間になってHOTELを後にする。
お金はもちろん私が払った。
「女の人にHOTEL代を払ってもらうなんて初めてだよ」
もちろん、私だってそうだよ

帰り道、カフェでブランチ。
前から聞かれていた仕事の資料について
お店の中で少し説明する。
まるで、一緒に仕事してたときみたい。

「あ、今日、同期のヤツと出かける約束してたんだった」
彼が突然思い出す。
成り行きで泊まっちゃったからね。
寮に電話しても、相手はもう出かけちゃったらしい。
帰ったら、なんて説明するんだろうね

それから、私の家へ向かって車を走らせる。
その途中、話の流れから彼の結婚のことに。
それまで、お互い、その件については触れていなかった。

「もう逢ってもらえないかと思ったよ」
彼が言う。
それはこっちのセリフでしょ?

「いつ頃決めたの?」
そんなことも聞いてみる。
何でも高校生くらいからの長い付き合いで。
でも、途中でくっついたり離れたりがあったみたい。
海外へ行ってたときには、他に彼女がいたのは知ってるし。
帰ってきて、久々に再会して、そういうことになった
と話してくれた。

私よりもずっと彼を知っている。
逢ったことのない昔の彼を知っている。
それが、すごく悔しかった。
でも。
彼のことを誰よりも大切にしてくれる。
そんな気もした。

結婚式は春。
「披露宴、来る?」
そんなことまで言う彼。
たしかに、職場の人をみんな呼んでいるから、
私が行ってもおかしくはない。
でも、それは酷ってもんだよ
「行かないよ」
その場で平静を装っていられる自信はない。


車は私の家の近くまで来ていた。
「銀行でお金をおろさなくちゃ」
あー、そうだね。持ってないから私が払ったんだよね。
最寄り駅の前にある銀行を教えてあげる。
家は駅から歩いてすぐだし、そこで車から降りることにした。

とりあえずついていく。
これでまたしばらく逢えないんだと思うと
ちょっと哀しくなる。

お金をおろす間、彼の後ろで待っていた。
誰もいない昼下がりのATMコーナー。
ガラス張りの店内からは、駅前を行き交う人がよく見える。
終わった彼が、こっちに近づいてきて
さりげなく唇を重ねる。
誰か来たらどうするの
もう、ホントに大胆なんだから

銀行を出て彼と別れる。
「乗っていけば?」
そう言ってくれたけど、真っ昼間にそんな冒険はできない。

「帰り、気をつけてね」
そう言って、家に向かって歩く。
しばらく行くと、なぜか通りの向こう側に彼の車が。
不思議に思っている私に向かって
「煙草買ってた」
なーんだ。
何か大事なこと忘れてたのかと思ったよ。

でも、また顔が見られてうれしかった