思い出の砂浜を後にして。
泊まる場所を探して、また車を走らせる。
通りすがりのHOTELでいい。
そうは思っていたけれど。
そのHOTELが…ない

ようやく見つけても満室

「HOTELを探すのに、こんなに苦労するの初めてだよ」
苦笑する彼。
さんざん走り回って、ようやく見つけたのは、
少し山手にある、ひと目でかなり古~いとわかるようなHOTEL

でも、この際、贅沢は言ってられない。
彼と一緒にいられるならどこでもよかったし

部屋に入って、すぐにベッドに寝ころんじゃう私。
「そのままじゃダメだよ、砂が落ちるじゃない」
あら?結構、神経質なんだね。
「ごめんね」
で、シャワーを浴びることに。
バスルームはガラス張り。
古いからね…
でも、シャワーのお湯でガラスが曇るから、
丸見えにはならない。
彼がふざけて外から覗いてくる。
思わず、シャワーを向ける。
そしたら。
当たり前なんだけど、曇りがとれて丸見えになってしまった

きゃー、何やってるんだ私

彼も笑ってた。
二人ともシャワーを浴びてベッドへ。
また、一緒に朝を迎えられることがうれしくて
とても幸せな気持ちだった。
帰る時間を気にせず、一緒にいられるなんて
この先、もうないかもしれない。
私のカラダもやっと彼に慣れてきたみたい。
もう、彼をがっかりさせたくなかったし。
その夜は、とても満ち足りた気持ちで眠りにつくことができた。
そして、朝。
私が先に目覚めた。
この手のHOTELで朝まで過ごした経験はほとんどない。
朝ご飯の時間を気にする必要もないんだな、と
あらためて気がつく。
しばらく彼の寝顔をみている。
なんか子どもみたい。
「…ん-?」
彼が半分目を覚ます。
「もう起きてたの?」
「うん」
それから、抱き寄せられて…。
よく眠って疲れが取れたせいか、夕べより情熱的な彼。
ちょっとビックリしちゃった。

このまま、ずっと二人でいたい。