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いちばんだいじ

日々の暮らしの中で、人生で。一番大事なこと、大事なモノを見つけるために

生まれたままで。

2006-06-06 23:02:17 | My Sweet Alligator
温泉旅行の当日。
携帯電話がない頃だったので、移動中に連絡を取り合うのは難しい。

「伝言ダイヤル」というサービスを利用することに決めていた。
暗証番号を決めておけば、お互いがひとつの録音スペースを共有できる、
共通の留守番電話…そんなシステムだった。

待ち合わせの時間に遅れた来た彼。
車が混んでいて、
途中で伝言ダイヤルに電話することもできなかったみたい。
お昼過ぎに出発。
NAVI役は私。
あらかじめ決めていたコースだと、夕方には到着するはずだった。

が、しかし。
異常なほどの渋滞。
はちっとも進まない。
彼はイライラすることもなく、その状況を楽しんでいたけれど。
「はずしといていいよ」と私のシートベルトをハズして、
自分の方へもたれかからせてくれたり。
途中でお昼ご飯を食べて、また渋滞の中へ。

ようやく抜けた頃には、かなり暗くなっていた。
そこからは、細い山道。
街頭なんて無く、真っ暗。
しかも、こんなときに限って彼の車は片目状態だった
ホテルにも電話
到着が遅れることを伝える。
「19:00までには来て下さい」
そう言われても、何とも

とにかくひたすら走る。
何とか夕食には間に合った。

私の描いていた予定では、昼間から一緒に温泉に入って
部屋でくつろいでから、夕食を食べて。
そして、また温泉

すべて崩れ去った…

でも。
食堂ではあったけれど、二人で浴衣を着て
差し向かいで食べるのはとっても新鮮で。
ご飯のお代わりをよそってあげたり。
ちょっと新婚気分。
ビールもついでもらったり。

それから。
いよいよ、メインイベント。
貸し切り露天風呂へ。

10人位は入れそうな広いお風呂
そこに二人きり。
とっとと脱いで入っちゃう彼。
私も後からそっと入る。
お湯は透明だったけど、暗いからあまりよく見えない。
ほっ。
ヘンに広いのでどうしたらいいのかわかんない。
適当に距離を置いてお湯につかっている。
何となくぎこちない。
話をしながら、どこ見て良いのかわかんないし

彼が近づいてきて、
「マッサージしてあげる」
石に腰掛けた私の足の裏をマッサージしてくれた。
「気持ちいいでしょ?リハビリの時よくやってもらったんだよね」
彼は、昔の事故で、一時期足のリハビリをしていたことがある。
よく見ると、少しだけ引きずるような歩き方をすることがある。

慣れた感じの彼に比べ、私はというと、
胸から下をタオルで覆ったまま、
緊張気味にマッサージを受けるだけ。

それから、彼は頭と体を洗い始めた。
「背中洗ってあげるよ」
やっとのことでそう言った私。
で、彼の背中を流してあげた。
広い広い背中。

「じゃ、交代」
彼も、私の背中を洗ってくれた。
もう、ドキドキが止まらない

洗い終わって、私がお湯に入ろうとすると、
先に入っていた彼が、手をさしのべてくれた。
その手につかまって、お湯の中へ。
と、不意に膝の上に抱き寄せられた。

ぴったり密着するお互いのカラダ。
お湯以外、何も邪魔するモノはない。

「まったく、世話がかかるな」
そう言いながら、抱きしめてくれた。
私も彼のカラダにしっかりと手を回した。

彼にすべてを預けよう。
あらためて決意した。