エゾ中村のブログ

「藤圭子」から「現代医学の功罪」まで、思いの丈を綴ります。 ・・・ From 北海道 ・・・

テレビ版 『蒲田行進曲』

2020-05-21 08:43:39 | 芸能・アイドル
1982年に放映された角川映画・『蒲田行進曲』は、大々的に宣伝・製作されましたので 観た方も多いと思います。 主演(銀次郎):風間 杜夫 脇役(ヤス):平田 満 ヒロイン(小雪):松坂 慶子・・・、舞台劇・新撰組の製作過程に纏わる人間ドラマをパロディ化した “悲劇”とも“喜劇”とも言える映画でした。 やはり、脚本:つか こうへい 監督:深作 欣二 となれば、平凡なストーリーであっても 面白・可笑しく仕上がると感心しました。

映画・『蒲田行進曲』が上映されて一年後、TBS系で二週に渡り同題名のテレビドラマが放送されました。 「低予算で造られたテレビ放送が、映画より面白い筈がない」そんな感覚でテレビを観て驚きました。 『蒲田行進曲』が、映画以上 リアルに仕上がっていたのです。 主演「沖 雅也」 陰のある二枚目役(銀次郎)が、「風間 杜夫」より数段 勝っていました! 何より、演技が素晴らしかった! 何故か? テレビ版・『蒲田行進曲』が、「沖 雅也」の遺作だったからです!



一週目のテレビ放送の後、「沖 雅也」(31歳)は“京王プラザホテル”47階から、投身自殺したのです。 不可解な“死”でした! テレビ版・『蒲田行進曲』で最高の演技をした役者が、どうして自殺の道を選択しなければならなかったのか? 当時、様々な“デマ”や“憶測”が飛び交っていました。 結論は、精神病である“うつ病”だったからです! 大勢で芝居をする昼の顔と、一人孤独をさ迷う夜の顔と、全く別人だったと思います。 演技が上手くゆけばゆく程、孤独感が倍増する“ジレンマ”が、咄嗟に彼の異常行動に繋がったのでしょう? 惜しむかは、彼に行動を見守る人間(連れ合い)が居なかった事と、適切な治療(投薬)が成されていなかった事です。 そして、俳優「沖 雅也」は死んだ! 遺書は「涅槃で待つ・・・」兄の様に慕っていた人に向けて綴ったものでしたが、真相(同性愛説)は藪の中です?

もう一度、テレビ版・『蒲田行進曲』に戻ります。 「沖 雅也」の病気とは別に、このテレビドラマは素晴らしかった。 やっと芝居の主役を貰った「銀次郎」は、内縁の妻「小雪」:大原 麗子を、子供を宿していながら脇役「ヤス」:柄本 明に、無理やり押し付けます。 「銀次郎」を慕う「ヤス」は、喜んで「小雪」とお腹の子を引き受けます。 それから、「ヤス」の運命は悲惨だ状態に陥るのでした。 生まれて来る子供を養う金を稼ぐ為、命懸けのスタントを続ける事になりました。 舞台・新撰組のクライマックス「大階段落ち」を 自ら志願した「ヤス」は、大怪我を負い生死をさ迷います。 それを知った「銀次郎」は、己を恥じて改心するのが、ドラマの“おち”でした。 ストーリーは、至って単純です。 しかし テレビ版・『蒲田行進曲』は、「沖 雅也」が自殺を意識したか否か分かりませんが、彼の演技は悲壮感さえ漂うものでした。 脇役の「ヤス」も ヒロインの「小雪」も、映画とテレビの境を越え 全てにおいて素晴らしかった!   

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