ヒマラヤ アンナプルナ山系の花
ウレリ~ゴレパニ
ネパールヒイラギナンテン メギ科 Mahonia napaulensis
撮影場所:ウレリ附近 標高2100m前後
インド北部、シッキム、ネパール、ブータン、東アジアなどのナラ林やシャクナゲの森などに分布しています。
高さ2.5~3程になる常緑樹です。 長さ50cm弱の、硬く大きなトゲトゲの羽状複葉の中に、仄かに香るレモンイエローの花を3月から4月にかけて咲かせます。
果実は12mm程の漿果で、ブドウの房状となってぶら下がり、ミルクやヨーグルトをかけて生食されています。
ゲンティアナ アルゲンティア リンドウ科 Gentiana argentea
撮影場所:ウレリ附近 標高2100m前後
銀色リンドウ(Silvery Gentian)と呼ばれ、カシミールからネパールの標高1600~4400mに生育する一年草です。
高さ2~10cm程の小さな草で、枝を付けないこともありあります。葉は硬く、先の尖った卵形で、大きさは長さ3~8 mm、幅1.5~4 mm程です。ベル型の花は0.7-1.25 cm程で枝先に集まって咲き、花柄は短く、ないこともあります。
萼は1~3 x 0.5~1 mm程度、糸のように細い雄蕊は花冠の中ほどで合着しています。
マズス・サーキュロサス ゴマノハグサ科 Mazus surculosus
撮影場所:ウレリ附近 標高2100m前後
シッキム、ネパール、カシミール、ブータン、雲南省、チベット等の標高1000mから3300mにかけての草原や林の縁に分布します。
根茎から立ち上がる花茎は長さ6~8 cmで、その先に長さ6~12 mmの筒状の花を咲かせます。花は二枚の唇からなり、上唇は紫から青で、大き目の下唇は仄かな青か白色です。
通常は4月から6月にかけて花を咲かせます。2.5~8 cm程度の葉は広めの倒卵形で、葉の周囲に鋸歯が見られます。
ヒマラヤイチゴ バラ科 Fragaria nubicola
撮影場所:バンタンティ附近 標高2200m前後
ヒマラヤイチゴはパキスタンからビルマにかけて、標高1800~3800 m の場所に分布する多年草です。1.5~2.5 cm程の5弁の白い花を咲かせ、1 cm程の大きさの赤い実を稔らせます。
葉は、小さな3枚の葉がセットになった三出複葉で、葉には深い鋸歯があります。節から長い匍匐茎を出して、その先に根を下ろします。
プリムラ・シャルマエ サクラソウ科 Primula sharmae
撮影場所:バンタンティ~ナンゲタンティ間 標高2300m前後
ネパール西部、中央部の標高2500~4800mの開けた岩場などに生育し、直径1.5~2.5cmの花はふじ色から青みがかった紫色で、5~10cm程の高さの花径の先に3から8個の花を咲かせます。
へら形や楕円形の葉は長さが4~6cmで、鋸歯があります。
プリムラ・デンティクラータ サクラソウ科 Primula denticulata
撮影場所:ナンゲタンティ附近 標高2400m前後
アフガニスタンからチベット南西部、ブータン、ビルマにかけての標高1500~4500mの場所に分布します。
3月から6月にかけて、直径1~2 cmのふじ色を帯びた青色や紫色の花を、高さ3~15 cmの花径の先へ、丸い形に密集して咲かせます。葉は根本にロゼット状に実集し、楕円形か倒卵形で、葉柄に向かって狭くなっています。
セイヨウタンポポ キク科 Taraxacum officinale
撮影場所:ナンゲタンティ附近 標高2400m前後
ウキィペディアには「セイヨウタンポポは、ヨーロッパでは多数の種を含む節レベルの分類群として扱われており、種としては考えられていない。」と記載されています。「日本のセイヨウタンポポの8割以上は在来タンポポとの雑種との報告がある。」とも記載されています。
ヒマラヤで見かけた写真のタンポポはセイヨウタンポポのように見えますが、雑種であることを否定する知識を筆者は持ちません。また、「セイヨウタンポポはギリシャかヒマラヤ北部を起源とし、地中海を経て世界中に広まったと考えられる。」と記述する資料もあります。
ダフネ・パピラセア ジンチョウゲ科 Daphne papyracea
撮影場所:ナンゲタンティ附近 標高2300m前後
パキスタンからネパールにかけて分布する、高さ2m程になる常緑樹です。ネパールでは標高1500~3200mの森の木陰などに11月から4月にかけて花を咲かせています。
長楕円形の葉は大きさが6~14 cm×2~3 cm程で、殆ど葉柄がありません。白から、緑がかった花は、4~9個が枝先に集まって咲きます。8個の雄蕊は花冠の中に納まっていて外に出ません。1 cm程の大きさの果実は暗赤色の卵形で、水分を多く含む液果です。
ネパールの紙の木(Nepali paper plant)と呼ばれ、紙の原料に使われています。
ダフネ・ボウルア ジンチョウゲ科 Daphne bholua var. glacialis
撮影場所:ナンゲタンティ附近 標高2400m前後
西ネパールからシッキム、西ベンガルの標高2000~3000mに分布する落葉性の潅木です。 早春の葉が出る前に、香りのあるピンクから紫色の花を枝先に密に咲かせます。花は、長さ6~12 mmの筒先が、先の尖った4枚の卵形の花被に分かれます。
長さ5-10 cm程の革質の葉は楕円形から倒卵形で、枝へ互生葉序に付きます。
※ 他の記事へは index をご利用頂くと便利です。