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お薦め度:☆☆☆
1970年、ビートルズが解散した年のクリスマスにこの物語は始まる。
ドライブ中にクルマの前に飛び出して來た男をはねてしまつた4人の男女。
その後10年ごとに彼らの前に姿を現はす、ひかれた男。
そして2000年のクリスマス。
すべての謎は明らかになる。
冒頭の一文。
「ビートルズは死んだ」
この一文は、當時の20歳にとつての1970年を、見事に現はしてゐるやうに思ふ。
私自身は當時10歳。
主人公たちとは一囘り若い世代に屬してゐるが、1970年の雰圍氣は朧げに覺えてゐる。
2000年、彼らは50歳、私は40歳。
10歳の差は變はらないが、感覺はずつと近づいてゐる。
同世代に近い共感を覺えた。
それはさて措き、この作品。
おそらく評價は大きく分かれることだらう。
私としては、時代の香への郷愁を除くと、この作品への評價は辛いものとなる。
井上夢人の作品としては、といふ意味でだが。
2005年7月23日讀了
お互ひ、「遲れて來たビートルズ・エイジ」ですね~
私がビートルズをレコードで聽いたのが1973年ですから、間に合ひませんでした。
ジョンが殺された時は大學生で、京都の鞍馬で「佃煮屋」のバイトをしてゐました。
おひるのニュースで聞いた時のショックは今でも鮮明です。