仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「クリスマスの4人」 井上夢人

2005-08-15 07:51:20 | 讀書録(ミステリ)
クリスマスの4人

光文社

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お薦め度:☆☆☆


1970年、ビートルズが解散した年のクリスマスにこの物語は始まる。
ドライブ中にクルマの前に飛び出して來た男をはねてしまつた4人の男女。
その後10年ごとに彼らの前に姿を現はす、ひかれた男。
そして2000年のクリスマス。
すべての謎は明らかになる。

冒頭の一文。
「ビートルズは死んだ」
この一文は、當時の20歳にとつての1970年を、見事に現はしてゐるやうに思ふ。
私自身は當時10歳。
主人公たちとは一囘り若い世代に屬してゐるが、1970年の雰圍氣は朧げに覺えてゐる。
2000年、彼らは50歳、私は40歳。
10歳の差は變はらないが、感覺はずつと近づいてゐる。
同世代に近い共感を覺えた。

それはさて措き、この作品。
おそらく評價は大きく分かれることだらう。
私としては、時代の香への郷愁を除くと、この作品への評價は辛いものとなる。
井上夢人の作品としては、といふ意味でだが。


2005年7月23日讀了


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2 コメント

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ビートルズ (さとみ)
2005-08-15 11:05:38
大好きです。私も幼稚園でしたww

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遲れて來たビートルズ・エイジ (仙丈)
2005-08-15 17:09:21
さとみさん



お互ひ、「遲れて來たビートルズ・エイジ」ですね~

私がビートルズをレコードで聽いたのが1973年ですから、間に合ひませんでした。

ジョンが殺された時は大學生で、京都の鞍馬で「佃煮屋」のバイトをしてゐました。

おひるのニュースで聞いた時のショックは今でも鮮明です。

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