goo blog サービス終了のお知らせ 

仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

月見そばの食べかた

2010-12-08 17:15:28 | 日々雜感
きのふのひる、梅田驛で立ち食ひそばを食べた。
注文したのは月見そば。

隣で年輩の男性が同じく月見そばを食べてゐた。
彼のそばつゆは黄白色に濁つてゐた。
おそらく、彼は最初に卵をかき混ぜてゐたのだらう。
なるほどねえ、そんな食べ方もあるんだ。

私は浪人時代、豫備校に行かない時には、ひるにインスタントラーメンを作つて食べてゐた。
ラーメンを鍋で作り、出來上がつたら丼にあけて卵を落とす。
黄身が白身に包まれてゐるのを、黄身から白身をはがして、白身をかき混ぜて叢雲のやうにする。
月に叢雲。
まさに月見、なのである。

それ以來、月見そばも同じやうに食べてゐる。
月に叢雲。
じつに風流ではないか。
叢雲は、つゆを飮むたびに少しづつなくなり、しまひには晴天の月夜となる。

では、いつ黄身を食べるか。
せつかくの月見なのだから、最後まで月見をしながらそばを食べたい。
しかし、何もなくなつた後、黄身だけを食べるのは、やつてみると思ひのほか虚しいものだ。
それで、いまはそばが少しだけ殘つてゐる状態で、黄身を一氣に口に入れてしまふことにしてゐる。

それで?
いや、それだけ。
食べ物の食べ方は人によつて樣々だ。
そして、案外、こんな些細なことでも人は拘はりを持つ。
面白いなあ、と思ふのである。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 目玉燒きの食べかた | トップ | 『相棒』 Season 9:第7話「... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。