仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

山行17:南アルプス・野呂川右俣~間ノ岳~鹽見岳_3 (1977年7月)

2004-04-10 14:53:43 | 想ひ出の山
場所 :南アルプス
時期 :1977年7月
ワンポイント :千葉高山岳部 昭和52年度夏山合宿
コース :
廣河原 (1520mH) 野呂川林道 兩俣小屋 (2010mH) (テント泊)~ 野呂川右俣 三峰カール 間ノ岳 (3189mH) 農鳥小屋 (テント泊)~ 農鳥岳 (3026mH) 廣河内岳 (2895mH) 池ノ澤池 池ノ澤小屋 (1950mH) (テント泊)~ 雪投澤 雪投澤源頭 (2550mH) (テント泊)~ 鹽見岳 (3047mH) 三伏峠 (2570mH) 鹽川小屋 (1328mH) (テント泊)

<メンバー(假名)>
顧問:櫻井先生
OB:泉谷さん(S50卒)、岡部さん(S51卒)
3年:寺本さん(CL)
2年:市原(渉外)、日下(氣象)、方波見(裝備)、私(SL・食糧)
1年:大草、鵜澤


<3日目>

とんでもないことである。
太陽が東の空に登つてゐるにもかかわらず、我等のテントは農鳥の稜線上にそびえてゐた。
食テンが寢坊をしたのである。
おそらくは千葉高山嶽部史上、空前の出來事であらう。
結局出發したのは7時を廻つてゐた。

天氣は相變らずの快晴。
氣持の良い朝である。
鵜澤も昨晩はバテてゐた?にもかかわらず食事をしつかりと取つてゐたので、
今日は元氣なやうだ。
1年前、私が濃霧の中で迷つた西農鳥から農鳥への稜線も、
晴れてゐるといつたいどこでどう迷つたのか、まつたく判らなかつた。
農鳥で間ノ岳に別れをつげ、廣河内岳へ向かふ。
途中の二重山陵のところで、櫻井先生(地學・物理の先生)から臨時野外講義。
代表的な氷河地形のひとつである由。

廣河内岳の頂上で晝食。
水がない稜線上で照りつける眞夏の日射しの中、
パサパサのブドウパンを食べるのはつらいものがあつた。
汗で躰中の水分が失はれているため、唾液が出てこないのである。
のどにつまりさうになるパンを、貴重な水で辛うじて流し込む。
かういふ時に澤登りの良さを再認識する。
何と云つても、この貴重な水が無盡藏に飮めるのだから・・・

頂上からは南に延びる稜線に入り込まないやうに注意して、池ノ澤に下る。
このあたりの地形は、冬山で吹雪の時など要注意である。
南に延びる枝尾根のほうが主稜線よりも明瞭なので、
農鳥から南下してくると自然に枝尾根のほうに歩いて行つてしまふだらう。
さて、池ノ澤沿ひにつけられている登山道はあまり明瞭ではないが、
道がなくても澤傳ひに下れば良いので氣樂である。
途中、澤の名前の由來となる「池ノ澤池」があるが、これはあまり綺麗な池ではない。
池に憧れを持つてゐる私としては殘念であつた。

廣河内岳山頂から一氣に1000メートル近く下つて、やうやく大井川東俣の廣大な河原に出る。
初日のテントサイト、兩俣小屋附近が標高2000メートルだつたので、
それよりもやや低い所まで降りてしまつたことになる。
今囘の合宿は「1粒で2度おいしい」合宿だと云はれる由縁である。
明日はまた一氣に800メートルほど登り返さなければならない。
やれやれ・・・






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