公立相馬総合病院の研修医のブログ

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ACLS講習会に行ってきました

2016年09月04日 | 研修内容
ACLS講習会を受けに郡山に行ってきました、研修医名取です。
ACLSとはAdvanced Cardiovascular Life Supportの略です。
つまり心肺停止に陥った人に対し医療者が行う心肺蘇生法のことで、今まさに死に瀕している人を救うという正に医師になった醍醐味を味わうことのできる医療技術なのです。

このACLSというのはBLS(Basic Life Support)に上乗せされる技術でして、そのBLSの方は心臓マッサージやAEDによる電気ショックのことで誰でも行うことができます。
先日病院で心肺停止した方がいたのですが、突然の出来事のためすぐに除細動器を準備することができませんでした。
そのときにBLSを行い、廊下に設置してあったAEDを用いて自動解析で電気ショックをしました。
そうしたことによってその方は見事に息を吹き返して社会復帰されたのです。
その辺に何気なく設置されているAED、実はかなりすごい物です。
AEDは自動で心臓の状態を解析するため誰でも使えるので、倒れている方を見かけたら是非使ってくださいね。

ところで今回のACLSの方はBLSでは心拍再開できない人を対象とするため、医療行為が含まれ若干高度になっています。
これが色々な心肺停止のパターンがあってけっこう細かい……。
Purseless VTのときはDC同期しないけれど、VTは同期してDCするとか。
VTには通常アデノシンは効かないけれど、ACLSアルゴリズムでは一応試してみるとか。
これらをシミュレーションして、心臓マッサージ行ったり電気ショックをかけたり何度も何度も体を動かすことで体に刷り込みます。
一日中心臓マッサージしているのでかなり疲れます。
そんなことをしているとあら不思議、あんなに難しかったアルゴリズムが体に刷り込まれてきます。
細かいように見えてパターン化されているのですね。
ACLSを習得した際に教官から感想を求められ、「パターン化された機械のように動きました」という感想を述べましたが、なんとACLSとはそれで良いのだそうです。
パターン化することで救命率を上げるためのものなので、最初は機械的でも救命できれば良いのだそうです。
頭よりも身体!さすがアメリカ生まれの技術?
まあいつまでもそれではダメなので、勉強します。

前回のBLS講習会のときも感じたのですが、今回のACLS講習会も教官が本当に楽しく盛り上げてくれて教えてくださり本当に頭が下がります。
休日2日間も指導に費やしていただき本当にありがとうございました。


というわけで大都市郡山を堪能し、念願のACLSを習得してウキウキで相馬まで帰ってきたのですが………それが一変、帰路の道中まさかあんなホラーな体験をするとは思いませんでした………ですがそれはまた後日書くことにします…。




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