公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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外科の奇妙な通過儀礼?

2016年12月02日 | 日記


まさかの風習に驚きの研修医名取です。

外科の先生から「初めて〇〇ができたから寿司だな!」と何かを達成する度に言われ、心の中で「(ゴチっす)」と思っていたのですが、まさかまさかの自分が寿司をおごる方とは。
外科分野では初執刀させて頂いたお礼に寿司をごちそうする習慣があるみたいです…。
調べたらインターネットの検索でも出てくるし外科の教科書にも書いてあるくらい全国に普及した通過儀式らしいですね。
(……そんなの初めて知りました。)

下の者がごちそうする、と言っても本当に感謝の意をあらわす医局の楽しい風習なんだそうです。
こう言ってはなんですが、新人は普段から十分すぎるくらいおごってもらっていますので。
というわけで病棟の先生方と看護師さんにお寿司を御馳走してきました。
「研修医ブログに書くなよ!」と言われましたが、振りですよね??書いちゃった。
…恐怖の通過儀礼です(笑)
その代わり簡単な手術執刀など色々やらせてもらっています。

ところで、この研修医にやらせる、任せる、というのは研修病院の生命線だと私は思っています。
研修医は手技を実際にやらせてもらって成長することができます。
先日研修医勧誘のイベントに参加してきましたが、どこの病院も研修医の仕事の裁量を売りにしていました。
つまり研修医に仕事を任せる文化だけでは、別の病院との差別化は図れない時代に突入してきた印象を受けます。
逆に言えば、研修医に手技や仕事をやらせるのは当然で最低限のことになってきたとも言えます。

ですが、さらに私の印象としては、今回の外部向けのプレゼンと実情は乖離しているようにも思います。
外部向けのプレゼンとは裏腹に、任せてもらえない状況下で不満を燻らせている研修医をこれまで数々見てきました。
研修医に仕事を任せるというのは指導医が責任を負うことになります。
上の先生としては研修医に仕事をさせない方が楽な一面もあります。
その代わり研修医は成長せず、戦力にもならず、中長期的にも病院は評判を落とし研修医は集まらなくなるでしょう。

そういう訳で、当院はどの指導医にも研修医に仕事を任せるようなクオリティを目指して欲しいなと個人的には思っています。
もちろん任せることができるかどうかは研修医の努力次第、実力次第ということは承知していますが、研修医に任せることができるような実力まで、まず引っ張り上げるということも含めて研修の質が向上すれば素晴らしいなと思います。

自分のことは棚に上げて、他力本願な意見をしてしまいましたが、研修医も努力して、研修病院もクオリティを上げるのが好循環かと思います。
研修医が早く戦力になったらお互いにとって良いですよね。
色々任せていただいて感謝の気持ちはいっぱいですが、当院もさらに高みを目指して欲しいと思います。

それにしてもすごい通過儀礼でした(と言いつつ楽しいイベントでした)。

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