「小雪」の頃に訪ねた、
高尾さんでは。
駅前、甲州街道のイチョウが、すでに黄色く色付いていた。
同じ頃、同じ東京の街中では、ようやく色付きはじめ。
(今年は秋・冬が遅くて。去年は「立冬」の頃には色付き始めた。)
そして、
節気は「大雪」になって。
イチョウは、いよいよ、その葉を落とし始めた。
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さて。
イチョウって。
とても落葉の早い木。
ご存知でしたか?
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イチョウは、葉が散り始めると、ほんのしばらくの間に一気に葉を落としてしまう。
木ごとそれぞれに、また場所や環境によって、その時期は違うけれど。
1ヶ月程をかけて、
その独特な明るい緑の葉を黄色く染めていき。
いざ散るとなったら、早い。
中には、
1日で全て葉を落としてしまう木もある、とか。
となると。
「花は桜木、人は武士」とその散り際を讃えられる、桜の花の散る以上に早いわけだなあ。。
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僕のいつもの道にも、何本かのイチョウの木が立っていて。
それぞれに、美しい。
そのうち。
目白通りの銀杏並木では。
雨上がりの日曜日に、フワフワに枝を覆っていた葉が落ち始めた。
次の月曜には、もう4分かたの葉が落ちて、天に向かってピンと伸びた枝が見える。
今日、火曜には、再び冷たい雨が葉っぱを重くして、歩道を黄色く染めている。
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時は巡っていきます。
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皆さんも。
皆さんのいつもの道に。
気になるイチョウの気を見つけたら。
よーくみてごらん。
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そして。
月が欠けて、また満ちはじめて。
冬至が巡ってくる頃には。
いつもの道に。
木枯らしの中、裸になったイチョウの木が立っているんだろうな…。
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【VIDEO】冬の日 一昨日のイチョウ
【VIDEO】冬の雨 今日のイチョウ
参考:
イチョウ(銀杏、公孫樹、学名:Ginkgo biloba Linne)。
追記:
因みに。
イチョウ、って、元々は、外来の植物だって、ご存知で?
原産地は中国の長江下流域、とか。
今は世界中に生えていて。
ドイツでゲーテも詩に詠んだ。
今、日本に生えている銀杏というのは。
全て、元々は輸入(園芸用・薬用)して、植えたもの。
特に、街路樹や公園など、都市部に多い。
日本の山に、自生の(原生の、本物の野生の)イチョウというのはないんだそうだ。
ただ、遠い昔に植えられたものが、山の中で生き残っている例が、全国にわずかにあるそうで。
そういえば。
京都・高山時の裏山で、イチョウの巨木と会った。
それはもう素晴らしくて、しばらく、そこを離れられなかった。
彼は、だいぶ、ワイルドな感じがしたものだったけれど。
あの木で、樹齢何年くらいだろうか?
明恵上人の頃から生きているのではないのかなあ?
そうかあ。
あれも、“本物の野生”ってわけではないんだなあ。
まあ。
それでも。
「野生」でなくとも、命というのはそれぞれに「野性」だ。
高山寺の大イチョウに会って、僕が感じた、あのグッとくる感じも、
「野生」でなくとも、紛れもない「野性」なんだろう…。
追記2:
高尾さんの辺りでは、今頃、もうイチョウの木々は裸だろうな。
思えば。
「時間」って、不思議で、面白い。
日本中どこでも同じ「時刻」だけれど。
「時間」や、そして「季節」っていうのは、それぞれの場所に固有のものだな。
「タイムマシーン」って、乗ろうと思えば、いつでも。どこでも。
「旅」をすればいいんだ。
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「思えば。
僕らは、そうして、タイムマシーンに乗っているんだ。
季節という時を行ったり来たりすることは、今や、可能なんだな。」
霜月2005 ~時空の旅、いま・ここ
【シリーズ】「よーくみてごらん。」
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