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without a trace

ヤマザキ、フリーターを撃て!

公と私の曖昧な対立

2006-10-15 02:20:34 | 駄文
 大きめの古本屋へ。ブックオフなどと比べると店員がいかにもフリーターぽくておれ好み。ホームレスが拾った漫画を売りに来る店。本日発売の週刊漫画がその日に100円で売られてしまうという素敵な店。すぐそばのコンビニ大変じゃないかと余計な心配をしてしまう。コンビニの隣に100円ショップがあるくらいの心配度。そんで通ってて気づいたのは、古本屋の店員にまた無職きたと思われても何ともない。お互い様という意識があるからね。それが図書館だとちょっと違う。また無職きたと思われると微妙な視線を気にする。古本屋の店員視線と図書館の司書視線は何かが違う。トイレに行きたくなる度も微妙に違う。

 古本屋:無職パラダイス、客の8割はマンガでその他は本、何とかオフの店員ですが何か?→らっしゃいませうるさすぎ。
 図書館:無職と有職の混じる境界、客の8割は本でその他は昼寝、図書館の公務員ですが何か?→お疲れちゃん

 考えたのはおそらく公と私の違い。古本屋は私で図書館は公じゃないかと。溝口健二の映画では私と公の対立がしつこく描かれる。「山椒大夫」では荘園という公で強制労働させられるフリーターじゃなくて農奴と、店長じゃなくて持ち主の山椒太夫とのバトル。農奴は死ぬまで働かされて逃げようとしたら額に焼印という人肉饅頭の出来上がり。「祇園の姉妹」では芸者の山田五十鈴がはっきりと世間が何だ、世間なんて何もしてくれないじゃないかと曖昧な公を強調している。そういったしがらみのような公がおそらく昔の邦画を見るきっかけの一つとなっている。
 何が言いたいかというと、古本屋の店員と図書館の公務員は時給にしたらどれくらい違うんだろうと。

パジャマの穴の中の人

2006-10-08 01:12:26 | 駄文
部屋の窓から見える向かいに住んでる男がいるんだ。おれよりちょっと年下くらいかな。そいつが何かと玄関前でタバコ吸ってるんだ。それでこっち見てるわけだ。何を見てるんだこいつはと。そんなに無職の生態が楽しいかとお前もフリーターだろうがと思ってた。ニワカ無職が調子乗るなよと。まさかこの男はおれがエロサイト見てるのを気付いてるんじゃないかとか妄想は膨らんでいく。

 おれは家では常にパジャマという、こだわりパジャマ派なんだ。それでふと気づいたのはズボンの裏に穴開いてる。おいおいパンツ丸見えじゃないかと。こだわりすぎて穴開いてた。それであいつはおれを見てるんじゃなくて、おれのパジャマの穴を見てるんじゃないかと。また開いてるよとタバコ吸いながら思ってるんだろうな。どうやって伝えようか、手旗信号でもしようかとか考えてるんじゃないか。そりゃ見られるぜと恥かしくなってきたw ま、いいか。だっておれこだわりパジャマ派だし。

あなたの知ってる世界

2006-07-21 03:11:16 | 駄文
 たまには日記をこっちに書こうと思う。大学時代に足の親指の爪が剥がれた事がある。正確に言えば剥がれかけてなんとか繋がってて見ようと思えば中が見えるっていう状態。そこで思ったよ。爪の中ってどうなってるんだろうと。よく戦争とかスパイとかの拷問で爪はぎってある。だからすごい世界に入り込んだようで一体どうなってるのか気になって仕方なかった。見たいんだけど見ちゃいけないようなw 自己の井戸を覗きこむような不安感。小学生の時に友達と廃工場で遊んでたら裏エロ本が落ちてて見たショックで晩飯食えなかったw それを思い出してさ。すごいワールドがあったらどうするよって一人で興奮したねw あなたの知らない世界っていう怖い番組が子供の時にあっていつも怖かったもの。

 なんでそうなったかっていう話をしてみる。学生時代に学生センターってのに行ってた。文部科学省の管轄で色んな日払いの仕事が貼られるんだ。仕事が来る時間ってのが決まってて一気に掲示板に貼られて学生が押すな押すなで仕事を取っていくというそのまんまドヤ街。トイレに行くと情報が落書きされてるんだ。引っ越しのサ○イはダメって大きく書いてあったw おれも行ったらマジで蹴りいれられたからねw 勉強しまっせキックはしかも疲れすぎてて怒る気力もない時にやるんだよ。

 肉体労働が多いから常連の人が言うには年に一回は殴り合いが起きるとかw 派遣と違って仲介を挟まないから給料が良いんだ。4時間で5千円くらい貰える。やっぱ肉体労働だから学生は気に食わない人とかいて東大生はトーダイなんて呼ばれてたね。劇団の舞台作ったり、美術館の裏側に出入りしたりと楽しかった。簡単な書類の整理とか書かれてて行ってみたら風俗の求人誌なんだw それを歌舞伎町で配らせられたりする。デブ募集時給5000円とかあなたの知らない世界満載w 懐かしいな。バブル期には金持ちのゴミを捨てるだけで1万円もらえたらしい。21世紀はデブ募集の求人誌配って7000円なのにw 

 とまあそんなわけで片付けって書かれてて行ってみたら超きついんだ。10メートルくらいの木を一人で立てるんだよ。その量がすごくて足に落としてしまったんだ。そんで指を骨折して爪がはがれかけ。病院に連れてかれて廊下で待ってると爪がはがれかけてて血が滴ってる。それ見て女の人なんかおれ見ないように手で顔隠してるんだ。やばいちょっと快感なんて目覚めるところだったw あまり効かない麻酔されて爪と指を縫おうとするんだけど爪が固くて無理だった。爪がはがれてると水で濡らせないので風呂とか超大変。ラップ巻いてビニール巻いて足を上げながら浴びたり。骨折してるから靴履けなくて雨が降ってると自宅待機だし電車乗ると足踏まれるんだぜ。しかも決まって踏むのは女なんだ。また目覚めそうじゃないかって思ってたよw
 
 前置き終わりでついに決心して爪の中を覗いたんだ。正直言ってなんだよそんなもんかよと失望した。なんかもうすごい世界が渦巻いてるのかと思ってたのに。だから小学生の時と違って今じゃネットで無修正を見ても驚かないし、爪の中を見ても驚かないね。おれの知ってる世界だから。

白い巨塔その2

2006-07-16 00:26:37 | 駄文
 白い巨塔の3と4話見る。これテーマの音楽がまたかっこいいんだ。冒頭で田宮二郎が手術室から出てくる。そしてかっちょよくマスク取ってなぜかカメラ視線w プレイボーイビームで威嚇だぜっていう昔のドラマ。そしてやはり金子信雄は口だけっていう展開。あんま文句言ったら仁義なき戦いなら勘当されて呉は歩けなくなるw 田宮二郎はやはり母子家庭出身。もうあの子犬の目といい女の扱い方はそれしかない。一人なぜか田舎に残してきたおふくろのためにおれ様は教授となるのだっていう。
 頭も良くて母ちゃんが学校の教師かなんかで金持ってるから医学部行かせてもらったんだ。欠如してる人間を描く時に母子家庭息子ってのは一番描きやすいからか。成瀬なんかとは対極のタイプというか想像で書いたんだなっていう印象。

 そして中村伸郎は東都大学とかいう他大出身なんだ。どう見ても東大だろこれ。代々東大の医者で家ではクラシックが流れて葉巻くわえてるっていう笑える一家。娘にお婆さんはイギリスで貴族に紅茶の入れ方を教わったのだよなんて言ってる。もうコテコテw だから東大の教授にはなれなかったっていうのがあるんだろう。そして周囲を密かに見下してるんだろうな。田宮が上流階級の患者を見てると嫉妬する。おいおいおれ様にまずは通すべきだろうって思ってるんだ。やれやれ、だからヒルズ族なんていう成金連中には困ったもんだって風にね。せいぜい六本木でソドムってなと上京して赤坂の料亭へ向かう。そんで東大の知り合いに新しい教授候補を紹介してもらう。その中に男やもめがいるので娘の結婚相手に良いじゃないかと奥さんが言う。この母ちゃんにとって娘は道具なんだ。ここで母ちゃんの対比ですよ。まだ見ぬ田宮の苦労して医学部出させた母ちゃんとDNAが上等で娘は道具の中村家のマミー。漂うのは女性の社会進出というメッセージ。ここで田宮の奥さんと決して奥さんになれない愛人の太地喜和子という女の対比も生きてくる。この愛人が狂言回しみたいになってて主導権を握ろうとしてるが、田宮は母子家庭息子だから本質的に求めてるのは女じゃないので信用してない。いわば教授のポストという父権的な社会的肩書き。”社会の目”への復讐という肩書き。

 そんでこの人は食道に詳しいらしくやたらと食堂が出てくるw この白い巨塔はおそらく一つの体の象徴。だから内部では配管が剥き出しとなってて毛細血管のようになってる。そんで人工食道を学生たちに見せびらかせる田宮。異質な存在を飲み込むにはこうするしかないのだよっていう、巨塔にとって異質な存在ってのが田宮なんだけどね。そんであの人工食堂ならおそらく流動食じゃないと無理。これでもかっていうくらいに噛み砕かないと飲み込めないのだ。
 

白い巨塔はじめました

2006-07-14 00:52:31 | 駄文
 ドラマで昔の白い巨塔のDVD借りてきた。新しいほうも見てないんで内容知らないんだよね。それで面白かったんで久しぶりにドラマの感想を。本来はさるさるの日記に書こうかと思ったけどなんとなくこっちに。

 白い巨塔の最初の二話見た。いやこれは面白いわ。いきなり冒頭から大名行列みたいに偉そうに医者たちが歩いていく。その廊下の横で看護婦が頭下げてる。絶対に変えられない階級社会からバーンと始まるのだ。愚民ども頭をあげいとここでおれは時代劇と見たね。これ舞台は大阪なんだね。当時で高層ビルの病院だから相当一流なところが舞台なんだろう。巨塔タワーがなぜかビルの谷間から写しだされてタイトルですよ。谷間から見えてしまう巨塔ですよ奥さんって感じでね。大衆の視点で、となるとおそらく上からの視点も必要だろう。

 田宮二郎がどこか阿部寛っぽい。すごく優秀そうな犬っぽいというかw そこで敵対してる教授が中村伸郎なんだ。小津安二郎の映画でアワビ見て「いいアワビだねー」とか言ってるスーパーエロオヤジ。それで何でこのドラマは標準語と関西弁が混じってるのだろう。そこが非常に難しい関西のニュアンスだよね。前から思ってたけど関西って良いところの人と庶民との話し方がかなり違う。東京で上品ぶって話してる連中って成金っぽいけど関西は本物っぽいもの。

 田宮はなぜか異様に教授職にこだわってる。おれ様は絶対に上にあがるんだって言いながら愛人を巨塔で押し倒すという昭和チックな光景。そんで愛人のホステスが言うんだ。あなたバイトしながら医学部出たって言うけど、その割には脇が甘いのね。庶民上がりで抜け目なさそうなわりには白く染まっちゃってるのねっていう。白って悲しい色やねとか言いそうな女性。田宮二郎もホステス役の太地喜和子も死んでるんだなって思うとなんともいえない光景。

 田宮は優秀でマスコミの週刊誌に取り上げられるほど有名。大衆の祭りの視点に晒されてるんじゃないよバリバリバリュってんじゃねえよ庶民さんと中村に怒られるんだ。中村には娘がいて結婚も優秀な人とさせようとしてる。代々医者で自分は大学教授という、もう我々はDNAからして愚民とは違うのだ世界満載。町医者みたいな人と結婚したいわと言うと、そんな階級の人間は許しませんっていうくらいの選民意識。もちろん上流階級風に動物の頭の燻製とか自分の肖像とかw 絶対遊んでるだろこれ。そんで田宮は助教授で教授を狙ってる。おそらく元は反権力だったと思うんだ。反権力→against the authority→パンク野郎というかパンク病院のモヒカン医者だぜって感じだったんだろう。反権力がダメなら自分が権力者になってやる、そして絶対に既得権は渡さないっていう白い団根世代ドラマなのだ、多分。

 そんなのは良くて田宮さんは婿養子で革命的にのし上がった。ここの舅がまたスーパーキャラ産婦人科医。男は浮気をしてなんぼだとか大声で言ってて、財前君もするんだぞと勧めてる。この手のオヤジは甘い言葉で試してるというか、釘を刺してるんだよね。田宮は犬のように静か。そこに大学の医師会大ボスの金子信雄登場。「仁義なき戦い」での、ええおなごじゃのう~おやっさんですよ。もちろんネクタイはゴールドw 金がかかるのう~と言ってる。金子が果たして悪代官だったのか。なぜか田宮は涙目になってるし、もはや子犬ちゃんモードw 悲しいほどのファザコンなんで彼の生い立ちは一体どうなってるのか。ここで自分の積み上げてきた人生が簡単に崩れていくのかっていうのと、これは視点の変化だと思う。いいアワビだねーVSええおなごじゃのう~っていうか、白がどう染まっていくかっていう。この後一体どうなってしまうのか!?みたいなそんな類の。