忙しくて更新できなかった。学校を卒業して資格を取り就職をして早1年近く経つ。実家を出て一人で暮らしつつ働いている。こたつ、カーテン、冷蔵庫、炊飯器、棚と全部友人からもらいうけ、ふとんだけ買って始めた一人暮らし。相変わらず貯金などできず、常にカツカツな生活を送っている。計画性などゼロに近くて中古車を購入してしまったものでひどいと給料前は食費が一日300円とかの生活だ。仕事も覚えられず、毎日いびられながら肩身を狭くしながらなんとか生きている。家賃は4万ちょっとの安アパート。それでもクレジットカードに就職先を書いたら簡単にゴールドカードになる。おれは何も変わってないのになんなんだろう社会って。結局は波に乗れているかじゃないかと思ってしまう。
住んでいるのはつげ義春が育った葛飾の下町。葛飾といっても亀有などの常磐線や総武線の新小岩でなく京成線沿いである。つげ義春の漫画に出てきたこの街を見たかった。親が死んで葬式代も出せないために死体を中川に流していた少女の話など印象深い話が多い。この辺りは今でも下町らしさを色濃く残していて面白い。朝から酒を飲んでいる人など日常的だし、スーパーですら酒を飲んで過ごせるというどうしようもなさ。というかこの町は子供を連れて居酒屋に行くという文化に驚いた。人間もすこぶる面白く、たとえば駐車場を借りようと地元の不動産屋に行くと社長の身の上話から始まり、しまいには車なんて要らないよと言われる始末。マクドナルドが撤退するなどなにがなんだかわからない町である。まあラーメン屋で酒盛りしている町だしな。葛飾は23区で最も高齢化が進んでおり、崩れたようなボロ家も多い。隣の江戸川区は逆に区の平均年齢は最も若いらしくニューファミリーに大人気でありこの落差がすさまじい。つげ義春が去り、今では亀田一家が暮らしている。あとおれ。女性がてめーこの野郎なんて言っているのにも少し慣れました。
おれは医療関係者であるためにつらい現実に直面することがある。同い年の人が死に、奥さんが赤ちゃんを抱えながら無言で泣いている。何を言えばいいのかまったくわからない。つらい時にはスカイツリーを見ながら酒を飲んでいる。上京して一年近く。新たな地で友人もできず、彼女もできない。ドライブしたりジムに通ったり酒を飲んだりしてひたすらスカイツリーや中川を見ている生活。中川はどこから見ても本当に美しい。