音楽に対する想いはいろいろあります。それは,自分としては今更言うまでもなく,かつ,一言では語れない,とは言うものの,そんな大袈裟なものでもない。自分の中では「芸術」傾倒した思考部類の趣味ではあるものの,所詮は「楽しくありたい趣味」の一環であると思っているのでね。
一緒に活動してきたあるバンドが,諸事情で少し活動休息に入ろうとしています。
これもいろいろきっかけがあったとは思うものの,おのおのの微妙に異なる「音楽に対する価値観」「取り組み」と言うものが多かれ少なかれある気がしています。
決してメンバの考えの相違と言う後ろ向きなものではなく,とりあえずバンドでやって見たかった曲は今までの活動で一通り終え,元々各々に存在していた個性的な考えや音楽に対する取り組みの価値観が顕在化して,それが多少表に出てきた,と言うところかな,と。
しかし,先のことはどうあれ,想いをひとつにして約2年活動してこれたことは,自分の中では,(自分の東京転勤も含め)メンバの環境から考えてもかなり上出来であったと言えます。元々,メンバは固定のバンドに縛られた活動をしてきた訳ではないので,各々とは何らかの形で再び出会えることを期待したいです。
活動の間,楽しく,面白く活動できたこと,今もみなに感謝しています。
ひとつだけ言えるのは,音楽と言うのは,自分の中の気持ちや心の表現の一つで,それは時には癒しでもあり,憂いでもあり,楽しみ悲しみを表現する手段でもあり,そう言った自分の中の感性を「音楽」「楽器」と言う形で表わそうとするものでもあると思います。そうは言うものの,実は理屈ではない感性やひらめきが大きく左右する。プロの世界ではそれによって消費者(聴者)に対して感銘を与える,何らかの満足を与える,と言う意味でそれに対する宿命が,商業的に言えば対価と言う世界で存在するわけで,そのためには,作者や音楽家自身の満足度以上に「売れる曲」「光ったものでマーケットでシェアを取れる」音楽を意識してくる場合もありえます。で,あれば,音楽に対する追求も複雑で深くなるのかもしれないです。
しかし,趣味の一環で行うアマチュアの世界では自身の「満足度」が原点でもいいのではないか,と言うのが自分の考えです。「深刻でなく」「切羽詰ったものでもない」いわば「宴」のようなもの。例え,音楽の理論を知ってようが,音楽に対してうんちくを語れようが,所詮,アマチュアの領域(時にはそれに酔ってる自分がいたとしても,それも良し)。聴きに来る範囲(友達であったり知人であったり)は,そう言う自分,己と言うものをある程度知った上で聴きに来るわけであるから,「自身の満足」が相手に伝わって,それに感銘してもらえれば,それでいいのではと思うのです。
たとえ,聴きにくる聴衆が「友達や知人」ではない,初めての人に対してでも,「想いの深い自己満足」には,きっと感銘や何かを感じてくれるものと今までの経験で確信しています。一緒に感じたり楽しんでくれるものであると。
バンド活動は,理屈無く,「楽しく」「想いが共有できて」「何かはっきりしなくてもいいから同じ方向に向かっている」「個性をぶつかり合えてお互いが刺激的な何かを共有できる」と言うようなチーム感みたいなものをお互いが持てて続けられるのがよい。そのバランスが崩れた時,例えアマチュアバンドであっても成り立つのが難しくなることもありうるでしょう。
でも一度,楽しさ,想いを共有した仲間であれば,活動休止したとしても別に「終焉」や「別れ」ではないと思ってます。また,想いが一緒になった時に集まればよいわけであって。
音楽に関しては,基本は,楽しく,自分を表現しきれている状態,これを音楽を通じて,できれば仲間と一緒に表現したいです。表現する以上はそれを誰かに聞いて欲しい,そしてそれを偶々,関心示して聞いてくれる人がいる,そんな形の中で「音楽」が自分の中に「聴く音楽」と「演る音楽」に分かれて大きく存在しています。私の中では,自分の感性の中での大切な趣味思考であり,そう言う価値観で音楽を捉えています♪